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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、誰よりも優しくてカッコイイ人だろう
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3つの選択肢

「1つ、私や、彼を作った作者『シュプ フング』を殺すこと」


 作者、彼女たちキメラを作った張本人を殺すこと。


「2つ、彼が、彼の固有スキルの呪縛から自力で打ち勝つこと」


「呪縛?」


「えぇ、彼の固有スキルの《限界突破(リミットブレイク)》はその名の通り『限界を越えさせる』力がある。

それは、自他ともにその全てに働きかける……良くも悪くもね」


「それで、どうするの?」


「まぁ、そう急がないで、今彼はその力を完璧に使いこなせていない……全て、必要のないものまで限界を越えさせるの。

だからマスターは……シュプ フングは『動揺』をトリガーに『冷静』を得る独自の改造を彼に施した。

その結果、動揺から得た冷静を糧に一時的に、本来の固有スキルの16.5%の力を引き出せるように細工しているの」


「ん!?難しい!」


「だ、だね〜……ハハッ」


「ふふっ、ごめんなさいね、もう少し噛み砕いて話します」


 その時に彼女がこぼした笑みは、いつか見た聖女様のように優しい笑みだった。


「まぁ、彼が動揺すると、力が弱くなるけど、固有スキルのようなものを使うために必要なものが溜まるみたいな感じかな?

そして、ここからが大切なの……彼にはその冷静が無くなった状態で固有スキルをつかうと『半暴走状態』から『暴走状態』になって、獣のように暴れ狂うの」


「……あぁ、国内大会の時みたいに?」


「そう、あれがわかりやすい例ね、あんな風になった中で、自分の固有スキルの限界を超える、それがもう1つの覚醒条件」


「……なるほどなぁ」


「……難しいなぁ」


「……ごほんっ、それでは3つ目……これは無理だから考えなくてもいいよ、理論上できるってだけだから」


 そんな前置きを話し、こう続ける。


「『アン』に会わせること」


「……ん!?」


「あ、アン?って誰?」


「ま、知らないわよね……うーん、これを説明するとなると……私たちキメラの昔を話すことになるんですよね……どうしようか」


 言い出しっぺなのになんか困ってるなぁ。


「話してよー!気ーにーなーるー!」


「わーたーしーも!!」


「あなた達ってそんなに子供っぽかったですか!?」


「って言っても、あなたも同じぐらいの年齢でしょ?」


「え?あ、いや私は13歳ですよ?」


「え!?」


 13?それでその豊かな実りっぷり……!?許せへん……私許せへんよ!


「私たちがキメラとしてこの世に生まれ、今や13年……まぁ、色々ありましたからね」


「その色々が聞きたいの!」


「……私が言い出しましたからね乗りかかった船と言うやつでしょう、いいでしょうおしえます」


 正しくは『乗らせかけた船』なんじゃないのかな?船出したのグリムちゃんだし。


「ただ、条件がひとつ、彼には何も言わないでくださいね」


 そう言って話し始める

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