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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、誰よりも優しくてカッコイイ人だろう
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剣聖のとる行動【ミラン】

「……あ、見つけた」


「へ?……あー……あなたは確か……ハウル選手?」


 黒い髪に赤い目、木に登りその上で月を眺めていた。

その女性の名は知っている。


「はじめまして、ラジアンさん」


「えぇ、はじめまして」


「少しお話があるんだけど、いいかな?」


「話?……あ、そういえばあなた……」


「えぇ、彼の近くにいたよ」


「……なるほど?」


 話の内容をある程度察してくれたようだ、木から飛び降りる。


「それで?どんなお話かな?」


 ニコリと笑いながら私に問いかける……


 ……わー、凄いなぁこの人……今の私よりも強いや。


「彼に随分と興味を示してるみたいだね」


「……気に入らなかったかな?」


「いや、むしろ大歓迎……彼、なんて言うのかな……心と体が不安定?って言うのかな?本物の彼じゃないんだ」


「!気づいていたの?」


「つい最近……ね、なんかあの人は心ここに在らずって感じ」


「……私が知ってることをあなたが知って、あなたはどうしたいの?」


「うーん……本当の彼に会うための『条件』さえ教えてもらえばいいよ」


「……そ、それはあいにく私達も知らないのよね……」


 後頭部を掻きながら困った顔をする。


「そっか……なんかないかな……条件」


「……私知ってますよ」


 第三者の声、さっきまで確かにいなかったはずの誰かの声が耳に届く。


 驚いたのはラジアンちゃんも同じのようだ。


「あなたは?」


 私と同じような白銀の美しい髪は月に反射し発行しているかのようだ。

そして、透き通るような緑の目は今は黒く濁ったように見える。


「私の名前は『グリム デイドリーム』彼と『同じ』です」


 その言葉の意味は私にはよく分からないが、ラジアンちゃんには伝わったみたいだ。


「君も『キメラ』なのか?」


「……んえっ!?」


 君『も』!?カルってキメラなの!?


 そんな視線を……まぁ、目を向けると神妙そうな面持ちで


「……その通りです私は彼と同じなのです」


「……なら、私たちの前になぜ現れたの?」


「彼が最高傑作だからです」


 即答だ。だが、それは答えと言えるのか?


「だからこそ、なぜ私たちの前に現れたのかな?」


 もう一度ラジアンちゃんが聞くとグリムちゃんはこう答えた。


「彼が最高傑作だからです」


 依然として答えは変わらない。


「……そう、まぁ、協力してくれるのはわかったわ……」


「そうですか、それでは本題に入りましょうか」


 急ぐように、本題へ移す。


 ラジアンちゃんが固唾を飲む音が聞こえた。


「まず、私は彼が今の『半暴走状態』から、全ての力を引き継ぐ……いわゆる『覚醒』の為に必要な条件をひたすらに探し続けていました……10年間、ずっと」


 執念が凄いなぁ


「その上で、私が見つけた『3つ』の道を教えましょう」


 三本指を立て、そう言った。

その時の彼女の顔はその美しい顔からでた笑みとは思えないほど邪悪なものを感じた。


 私たちが気圧されるほどの、そんな悪意を感じた。

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