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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、誰よりも優しくてカッコイイ人だろう
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生誕祭 序章【ラジアン】

「………騒がしいなぁ」


 まだ眠たい目を擦りながら部屋を出て王の間へ足を運ぶ。


「おはよー、皆」


 今『四天王』は3人いる。

1人は……まぁ、事情があるらしく休みだ。

代理でエンブラーさんがいる。


 参謀のディスターヴも、魔王ちゃんもいる。


「さ、今日は生誕祭です。

『行きましょうか、皆』下調べは十二分に済ませておきましたからね」


 ニヤリと悪い顔をして笑う魔王ちゃんにつられて5人とも笑い出す。


「それでは、行きましょう魔王様、参謀殿、僕の背中に乗ってください」


 うーん『ナルヴァー』君はどこか固いなぁ。

まぁ、『彼』と同じく新人の四天王さんだから仕方ないかな。


「おー!ありがとうね〜ナルヴァー!」


 もう1人の『ミリア』ちゃんは軽すぎる気がする……足して2で割るってのはこういうのを言うんだろうな。


「失礼しますね、ナルヴァー殿」


 相変わらず礼儀正しいエンブラーさん。


「ありがとう、ナルヴァー、よろしくね〜」


 私も礼を言い、背中に乗る。


「我らも参りましょう、魔王様」


 ディスターヴが手を引く。


「えぇ、よろしく頼みます、ナルヴァー」


「ありがたき幸せ」


 さぁ『黒竜』だったか『邪竜』だったか忘れたが、そんな彼の背に乗り、黒翼が晴れた空を塗りつぶすほど広がり、ネルカートへ羽ばたく。


「うわぁー!!!はやっ!!」


 『吸血鬼』のミリアちゃんはこんな高速で空を飛ぶのはそう体験することの無いわけだ。


「……私より早いね、ナルヴァー……飛行速度は私以上のようね」


 私よりも早く飛ぶことができるとは……!!


「ラジアン様の方が僕より機動力があります、小回りが効くし、何よりも的が小さい

僕ならあっという間落とされてしまいますよ」


 謙虚だ……いや、的が大きくても君が落ちる所を私は想像するのが難しいね。


 稀代の天才2人が新しく加わり、人の世へ出向くならとエンブラーさんもいる。


 魔王様と、抵当にディスターヴもいるから、この黒竜の背中はそこら辺の要塞の攻撃なんて軽くいなし、むしろ蹴散らす。


「……さぁ!始まりましたァ!生誕祭!!!皆元気してるかぁ〜!?」


 司会の男の声と、炎と光の魔法を合わせた花火が空へ打ち上がり、人間達の歓声が聞こえる。


「さぁ!さぁ!さぁ!!遂に!始まったこの生誕祭!長ーく!緩ーーーく!そして!熱く!激しく!命の炎を燃やし!今を生きる野郎達の生き様を!この国に捧げようぜ!!」


 大きな言葉を掲げるあの男の言葉に煽られ、さらに大きくなる歓声。


「さぁ!まずは!我らがネルカートの王!『ザルバ ネルカート』様からのお言葉です!どうぞ〜」


「……皆の衆、聞こえるか?」


 しんと静まり返る。


「今日は、生誕祭だ、この国の誕生日だ。

我が息子や娘たちも来ている……存分に楽しもうぞ!責任は!我がとる!!」


 ざっくりとしている。

適当とも取れるその言葉に、歓声が上がる。


「……ん?どしたの?メヌエットさん……ふむふむ………………え?……ちょ?……………はぁ!!??」


 お?どうやら伝わったかな?


「ちょっ!?王様!?メヌエットさんの言ってることは本当ですか?」


「本当かどうかは!今にわかるぞ!」


「レッツゴー、ナルヴァー!」


「御意」


 大会の大台が、私達のために空いている。


 皆仮面をつけ、ナルヴァー以外は顔も姿もあやふやなままだ。


「……こ、黒竜!?」


「魔族だァ!!!!!」


「……静まれい!!!」


 その一喝に、会場は静かになった。


 何人か身を乗り出そうとしている中、世界が止まった。


「この者共も……いや、これはべレマ、お主に任せよう」


「!……えぇ……皆様!ご心配なく!簡潔に言うならば!彼らもまた!この生誕祭を祝いに来たもの達だ!

つまり!大会の参加者だァーー!!

と言っても!魔界の魔王様と!参謀!四天王の『ラジアン』『エンブラー』の4名は参加せず、新生四天王の2名!……えぇーっと?『ナルヴァー選手』と『ミリア選手』の2名のようですね」


 後に、魔王ちゃんと人の王様が握手をし、開式の言葉は終わりとなった。


「さぁ!こちら解説席!なんとも豪勢なメンバーとなっています!正直僕がここにいるとすごく場違い感が出ますね!」


 今世代の剣聖、私、最強の冒険者、解説2人。


 魔王ちゃんと王様は別の席から眺めている。


「……さぁ、カルカトス……戻っておいで」


「ん?何か言いましたか?」


「いいえー?何も〜?」

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