国内大会 第4試合 制約
「……ラング『やれ』」
「……ゴォ!」
ラングさんが、突進してくる……早いな。
両手に斧を持ってることから、避ければあれに切られる。
なら、固有スキルを使って、1発で払い除けよう。
「『私は摘み取るもの』」
そう詠唱を始めると、どこからか声が聞こえた……
『ダメっ!』
「……へ?……っぐあっ!!」
どこからかの声に耳を傾けた瞬間、ラングさんに打ち上げられた。
その瞬間、風を斬る音、目の前には赤い線が……いや、火竜の尾だ……見えるが対応できない……なんだか感じたことのある感覚だ。
「はあっ!」
「おい!サクラ!死ぬぞ!?」
腹部に尾の一撃……斜め45度に叩き落とされ、台にクレーターが生まれる。
「あの程度で死ぬか……!」
「……っがはっ……ちっ……」
腕はあらぬ方向へ、頭からは、髪を赤く染めあげるほどの出血、足も……折れてるな。
満身創痍、その一言に尽きる。
「わ……『私は摘み取るもの』『終末論を!綴るもの!』『悪夢となり!飲み込む』!」
『ダメだって!死んじゃうよ!?』
「生き残るために!使うんだ!!」
その声にはどこから懐かしい、聞き覚えのある声だった……それをおしのけ、綴り終える。
「《限界突破》!!……あ……?」
その瞬間、目の前は真っ暗に……何もかもが消えていく。
その真っ暗の視界に文字が浮び上がる。
『不安定な状態のままでの固有スキルの行使を確認
神体の操作件を放棄します』
なんだ……これは……?『神体』?
疑問を残し、意識が消えた。
「……っ……!?」
目が覚めた……ここは……ベッド?
「……お!目を覚ましたか!カルカトス!」
「……ラングさん……?」
それに、サクラ グランドもいる。
「……目を覚ましたか……どうだ?覚えているか?私たちとの戦いを」
「……よく、覚えていない……」
「……だろうな、貴様、狂気に堕ちていたからな」
「狂気?」
「暴走していたぞ、お前……あんなにやばいスキルなのか?アレは」
「……いや、待て待て、何の話だ!?大会は!?」
「……一応、私たちが貴様に勝ったことになっている
私たちは次で負けて、優勝は『ワイパー ド ハウル』とかいうお前と同じ単身の剣士だ」
ミランが優勝したのか……というか、暴走したあと負けたのか……気絶する前に……ナニカ見えたはずなんだが……?
「どうした?なにか不満か?」
「いや……そうか……負けたか……また負けたか……」
悔しいな。
「まだ、生誕祭がある……その時にまた、リベンジに来い、今度は『カルカトス ナイトメア』に勝つ
よく分からん暴走した何か、ではなく、お前に勝つ」
「……あぁ、すまんな」
「……はっ、いくぞラング」
「ははっ!あいよっ!じゃあな、カルカトス、傷治しよけよ」
「……うん、治しておくね」
あぁ、負けてしまったか……




