国内大会 第3試合
「……さて!マイクあと数秒お借りします!」
マイクを私は渡さず、一瞬だけ、今私にめちゃくちゃに注目を受けている時に……フメテアパーティーのおかげで勇気が着いた。
「おおっ!?まだ何か!?」
「仮面とローブの下!見せてやろう!」
「ええええぇ!?」
そう行ってマイクを渡し、直ぐに台にあがり、台の外に仮面とローブを投げる。
「……こ、これが……カルカトス選手の仮面のしたァ!
デビューから誰も知らない仮面の下!その姿は……カルカトス選手は女性でしたか?」
「いやー、髪切ってなくてさ」
「あぁ、なるほど……ゴホン……その姿はまるで運命神『シーアス』の様に白い髪と縦長の瞳孔の赤い瞳!長い髪は女性かと錯覚させるほどに美しく風になびいている!」
「……き、綺麗ですね……!」
?褒められた。
「ありがとう、でも君のが綺麗だよ」
「んっっ……!?」
「キザな野郎です!女たらしです!」
ボロカス言われてる……?
「まぁいいです!なんというサプライズ!それでは第3試合、開始!」
「ソラ!殲滅を!」
翼人の女性にそう指示する。
「はーい!」
「クロフ!あなたはソラの援護を!」
魔人にも指示を。
「あいよ」
「ランは私と!彼に詰めます!」
人間と共に来るらしい。
「うーっす!」
あぁ!視界が晴れている……!
「……はははっ!行くよっ!」
飛び上がり、とりあえず殲滅を指示された翼人の元へ跳ぶ!
「わわっ!?クロフ!」
「わかってるよ!羽ないのによく飛ぶね〜!」
剣で蹴りを止められた。
「フロウ!ラン!落ちるよ!」
「はい!見えてます!」
「俺もっ!」
このまま落ちると思うか!?
「『地に落ちる悪夢は』『今一度空へ飛び立つ』〈悪夢の再現〉!」
魔族とも竜族とも翼人ともつかない歪な翼を生やし、空中でもう一度跳ねる!
「翼っ!?」
「『翼を得た悪夢』『全てを打ち払え』〈黒い風〉!」
片翼のサイズを増やし、2人共を強風に乗せて場外へ押しやる。
「……ソラ選手、クロフ選手、場外によりアウトです」
「ソラ!クロフ!」
「私も同じようにっ!『自然の神ウェルズよ』『その風は全てを覆す』風魔法〈自然の剛翼〉ァ!」
「っぐ!?」
下からまきあげ、そのまま外へ……いや、そうはさせない。
「『幸福を蝕む炎』『黒く赫く夢を焼く』炎魔法〈黒炎疾走〉!」
炎を翼から放出、地面にいるフロウさんにカウンター気味に放ち、体制を整え、着地する。
「んなっ!?」
「危ないっ!!」
とっさの判断か、ランがフロウさんを押し飛ばし、かばい、炎に吹き飛ばされ、場外、その隙に着地。
「ラン選手、場外によりアウトです」
「……つ、強すぎませんか……!?」
「それは君も同じだろう?」
「……へ?」
「もう、君の仲間を傷つける心配はない……全力でかかってきなよ」
「お見通しでしたか……!」
「というか、聖剣抜いてないじゃん」
「わかりました……なら、抜きましょう……『聖剣 テンペスト』を」
抜いた……翡翠色の刀身は光を反射させ、輝く。
「……いいね、私も、本気を出した方が良さそうだ」
「……『纏う嵐』『渦巻く世界』『荒れ狂う世界の風も』『我が聖剣の前にひれ伏す』『天変地異の世界創造の嵐』《嵐纏》」
これが……彼女の固有スキル……
「『私は摘み取るもの』『終末論を綴るもの』『悪夢となり呑み込む』《限界突破》」
剣に纏う嵐、当たれば……致命傷か……?
「行きましょう……私は長く持ちません」
「私もだよ」
『方舟の破壊剣』を抜き、詠唱を続ける。
「『天翔る方舟』『天地創造の全てを救う』『その者を破壊するのみ』〈方舟の破壊剣〉!」
剣を振り、その圧と、剣の重みをそのまま振り続ける……
「『万物を寄せる風』『触れるものなし』『収束と発散』《嵐解》」
大剣が剣に寄せられ、その強風が発散……吹き飛ばされる……!?
「少し手荒だがすまない!」
もう手は選んでいられない!
彼女を掴み、思いっきり外へ投げる!
「風魔法〈豪風疾走〉!」
さっきの私のように帰ってくる……所もよんでいるさ!
「〈不安定な救済の天秤〉!」
大剣で、世界を割く。
一時的な世界の反転……MPをごっそりと失うが……固有スキルに等しい剣の魔法!
「キャッ!?」
逆方向へ大きく飛び、地面にぶつかる……その前に
「風魔法〈ウィンドブラスト〉」
優しく、浮き上がらせ、落下を上手く相殺する。
「ぜ、全員場外により、勝者カルカトス選手!」




