国内大会 2回戦
「……さ、次は司会がいないのか……目立てないのはなんだかなぁ……」
愚痴を吐きながら、会場へ足を運ぶと、別の司会がいた。
まぁ、当たり前か。フォルテさんはいないが……アニラさんはいた。
「……それでは!第2回戦!選手も揃いました!お次は1回戦、超速攻を決めたカルカトス選手!
対するお相手はエルフで固められた『マーヤパーティー』」
弓と、魔法、そして、その身のこなしで上手く立ち回る厄介なパーティーだ。
「ルールは……どうしますか?」
「私たちは……デスマッチを所望します」
物騒なことを当たり前のように言う。
「分かりました」
それを受けて立つ、ここはそう言う場所なんだ。
「おぉ!ルールはあっという間に決まりましたね、デスマッチ……熱い戦いが見れそうだ!」
「その速攻、潰してみせます」
「私を速攻だけだと思わない方がいいですよ」
お互い意気込みはよしだ。
「それでは、初めっ!!」
「弓か……使えるな」
走り、リーダーのマーヤさんに向かう。
弓と自然魔法、風魔法を避け、弓と矢筒を奪う。
「んなっ!?弓が……!」
相手はこれを『降参させるための一手』だと思うだろう。
矢筒を背負い、弓を構える……
「おおっ!?カルカトス選手、弓を扱えるのか!?」
三本、連続で射る。
全員が上手く避けられた……
「『暗闇は底なしの恐怖』『光なき闇に踏み込むは勇気か』『それとも蛮勇か』闇魔法《闇の束縛》」
「おお!今度は『闇魔法』!?魔族と知り合いか!?はたまた魔人か!?」
使えるものは使えるさ……『合成生物』だからね。
避けさせた先に、魔法を設置、足を沈め、動けなくさせる。
全員から武器を奪い、全員の喉に魔法をかける。
「『魔の力』『静かなるままに』闇魔法《静寂》」
黒いモヤをかけ、魔法を使わせない。
「降参しますか?」
渋々、頷き返した。
「降参を認め、勝者カルカトス選手!!」
またしても完成が響き渡る。
「凄いですね弓から魔法までとても高水準の実力をお持ちで……本当はシルバーランクに留まっている方じゃないでしょう?」
「さぁ?どうなんでしょうか」
ニヤリと笑い、そう返答する。
「……ふふっ、また私たちのことを覚えていてくだされば、弓について話し合いましょう」
「えぇ、見事な立ち回りでしたよ……相手が悪かったですね」
「意外と自信家なのね……」
ふふっと笑いながら握手を交し
「頑張ってくださいね、私たち、応援してますよ」
「はい、頑張ります」
「……あ、あと、怪我させないようにしてくれてありがとうございました」
バレてたか……手を抜いている訳では無い……弓は本気で撃ったし。
裏に帰ると、シアさんがいた。
「おめでとうございます、やっぱりとても強いんですね、カルカトスさんは」
「シアさん!!ありがとございます!医療班ですか?」
「えぇ、怪我したら私におまかせを!」
胸を張り、ドンと来いと言った様子でそういう。
「えぇ、その時はお願いします」
「はい、それでは!怪我の治療へ行ってきます!」
「……元気な人だ」




