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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、誰よりも優しくてカッコイイ人だろう
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サクラパーティー

「……お!カルカトス!!」


 聞き覚えのある声だ……間違いない


「ラングさん!」


 振り返りながら顔を見ずとも、そう応えた。


「よぉ!まだ1人でやってるんだな!やるなぁ!」


「ラングさんも、凄いじゃないですか!これは本戦で当たるのが楽しみですねぇ!」


「ガハハっ!だとしても勝つのは俺たちだがな!」


「ふふっ、私も勝ちますよ」


 ニヤリと牽制し合う2人に割り込むように1人が声をかけた。


「おい、人間」


 ぶっきらぼうにそう私を呼ぶ声に反応すると見覚えのある赤い竜族の女、サクラ グランド。


 睨んでいる彼女と視線が交差し、睨み返しながら


「……カルカトス、だ、竜族」


 名前を訂正させる。


「はっ、相変わらず嫌味なやつだ」


「どの口が言っているんだ?」


 どうにもコイツとは仲良くなれない。


「前よりは強くなったんだろうな?」


「週間冒険者読んでないのか?私の名前を1つぐらい見ただろう?」


「……はっ、どうだかな」


「それに対して、お前の名前を見かけたことがないぞ?サクラ グランド?」


「……なんだと?」


「聞こえなかったか?」


 火花が散る。


「……おいおい、なんでお前らそんなに仲悪いんだよ……」


「……貴様とは今一度力の差をはっきりとさせてやろうか?」


「ほぉう?地面舐める覚悟があるなら、私に立ち向かうことだな」


 その挑発にピクリと眉が動く。


「立ち向かうことだ、だと?自惚れるな、以前に勝ったのは私だ、間違いなく、だ

お前はリベンジャーであり、挑戦者だ、立場をわきまえろ」


「はっ、そう高圧的だからお前はラング以降に仲間を得るまでに何ヶ月かかったかな?」


「き、貴様っ……!何故それを……いや、ラングゥ!」


「わーわー!?なんで俺に矛が向くかな!?」


「何故話した!?」


「んなもん、お互いの近況報告だよ!俺たちはよく酒を飲み交わす仲なんだ、酒の肴に話し合ってるさ」


「……ちっ」


「ははっ、どうした?イライラして」


「そういう貴様こそ、仲間はどうした?未だに1人か?」


「あぁ、1人だよ、何か?」


「いいや?ただ、そのままでは今回の大会……苦労するぞ?」


「……無策でいるとでも?」


「……策があるわけか」


「……さぁな」


 ニヤリと意地の悪い笑みを向けると


「はっ、せいぜい策を練れ、その上で私たちが叩き潰す」


「どうだか?叩き潰されないよう、せいぜい踏ん張ってくれよ?竜族」


 まぁ、策なんてない……ハッタリだが。


「……クハハッ……まぁ、踏ん張るとするよ」


「……ははっ、せいぜい頑張ろうな」


 ニヤリと笑い、拳をぶつけ合う。


「……仲悪いんだか……良いんだか」


 お互い、私も彼女も目指す先はおなじ『名を挙げ英雄となること』


 それはラングからも聞いている。


 お互い、1人でも多くの格上を喰らうことを目標にしている。


「じゃあな、人間」


「あぁ、さよなら、竜族」


「ばいばーい、カルカトス!」


「あぁ!今度また君のパーティーの面々と飲みたいな!」


「おう!任せろ!」


「ラング!私のパーティーだ!貴様のでは無い!」


「あぁ!?細けえな!」


 ……ノリで別れてしまった、まだまだ時間はあるな……どうしようかな。

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