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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、誰よりも優しくてカッコイイ人だろう
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地区大会に向けて

「……よし!それじゃ、お買い物に行こっ!王子様」


「いいですよ、このローブと仮面を買ったパックに行きましょうか」


 久しぶりだなぁ、パックに行くのは。


 相変わらず景気のいい音を鳴らしながら、店の戸を開く。


「……おぉ、賑わってるね」


「らっしゃーい!……あ、カルカトスだー!」


 パックさんにそう名指しをされた。


「え?私の名前知ってるんですか?」


「そりゃあもちろん……」


 周りの冒険者らしい人たちもざわめき始める。


「おぉ、私の王子様は人気だね」


「迷宮を破竹の勢いで突き進むソロ探索者として有名だよ、私も1度顔を見たぐらいだったから仮面の下を知ってる私は誇らしいよ」


 フフンといった自慢げな顔で自分の事のように喜んでくれている。


 そういえば彼女には私の仮面の下を見せていたな……


「今日はどんな用事で?」


「この人の仮面とローブを」


「あいよ……ふむふむ、可愛いお嬢ちゃんだね目は……見えないの?」


「はい、そうですね」


「なるほどなるほど……なら、この仮面は?」


 私が使っている仮面とそっくりだが、ひとつ圧倒的に違う点がある。


 目の部分の覗き穴がないのだ。


「よくそんなのありましたね」


「まぁね、これはどっちかといえばパーティーグッズ……まぁ、耐久は私のものだから信用してもいいよ、ローブは君と同じでいいかな?」


「はい、彼と同じでお願いします」


「あいよっと、それならお値段は前と一緒ねー」


「はーい」


 財布からお金を取りだし、勘定を済ませる。


「ご、ごめんね、買って貰っちゃって」


「いいよ、私からのプレゼントってことで」


「そ、そういうことなら……ありがと」


 ローブと仮面に身を包み、私そっくりになった。


「そういえば、上手く身は隠せてるかい?カルカトス」


「え?あ、はい、お陰様で誰にもバレてませんよ……?」


「?どうした?」


「へ?……いや」


 そういえば私はどうして隠してるんだ?

『白髪』赤目なんて別にバレたって困ることは無い……別にコンプレックスでもないし……ん?


 ま、いいか


「そうかい?なら、いいけどさ」


「それじゃ、ローブと仮面ありがとうございました」


「ん、こちらこそありがとうまた来てね」


「次は武器だ」


「武器は別に普通の剣でいいよ、それで私は構わないよ」


「え?どうして?」


「そりゃあ……」


 そうタメを作り、答えに期待をした私の心を見透かし、ニヤリと笑い


「『剣聖』だからね」


 その言葉には重みがあった。

自信と、己を奮い立たせる枷と、最後に誇り。


「……なるほどね」


 たしかに天下の剣聖様なら、どんな武器であろうとそれが剣なら負けはしないということだろう。


 たとえそれが木の棒でも善戦できるほどに剣聖は強いのだ。


「……どう?それなら安心?」


「あぁ、安心だね、そんな私のお姫様なら十分に勝ち上がれそうだよ」


「えへへっ、なら、王子様も頑張ってね」


「もちろん……頑張るとも」


 心にひとつ目標を立てた。

いまさっき思いましたが……白髪赤目だからある種のタイトル詐欺なのでは……!?

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