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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、誰よりも優しくてカッコイイ人だろう
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大会参加申請

「……という訳ですよ、ギルドマスター」


「……うーん、何を言ってるのかわかるけど分からないね」


「?どういうことですか?」


「まず、言うべきは『40層到達おめでとう』そして、守護者と和解してくれたのかな?まぁ、それもありがとう、だが、まさかその守護者と一緒に大会に出たいなんて……」


「あぁ、一緒には出ませんよ、私は1人で行きます」


「私もですよ、ギルドマスターさん」


 私のセリフに合わせ、彼女がそういう。


「うーん……古の剣聖様にそう頼まれては、自分なんてしがない一般人だからなぁ……」


 本当に困ったように頭をかく。


「そうかな?あなたも随分いい線いってると思うよ、弱体化した私たち守護者なら……パーティーにもよるけど70層は行けるかな?」


「……弱体化しても、私は毎度毎度手傷を持って帰るんですけどね……トホホ」


 横腹に残るえぐれた傷痕。


 肩に残る刺し傷痕。


 左手から肩までかけて伸びる赤い火傷痕。


「……ははっ、もう引退した身なんだよ、そんなに深く潜ると帰ってくるだけでヒィヒィ言っちゃうよ」


「へぇー?まぁ、そういうことにしとくね」


 訝しむ用な視線……いや、目は開けてないが、そんな感じで見つめて、ニヤリと笑う。


 1人目は守るもののために、傷付ける覚悟を持った覚悟ある魔族。


 2人目は世界最高で最強で最悪の盗賊団団長。


 3人目はそんな団長に憧れ、越えようと背を追い続けた英雄。


 そして、4人目は……剣聖だ、ただの剣聖じゃない、目は見えなくて、小さくて、でも、それでも分かる「……あぁ、剣聖だ」ってわかる。


 どんな人であれ、剣を持ったその時から騎士だ、その騎士が憧れる剣の極地、最強の剣士という称号を欲しいままにしているそんな剣聖を超えて、挙句に守り抜くのが今回の私のミッションか……


「それで?結局いいのかな?マスターさん?」


「……はぁ、いいでしょう、ですが、1人で勝てるほど甘い戦いじゃないですよ?

私たち上のもの達しか知らないサプライズもあるわけですし……

まぁ、1人で行くのなら構いませんがまず予選を抜けなくてはですからね」


「ネルカートの地区大会でしょう?」


「そう、そこから上位30位に入ることが叶えば……無事、合格というわけだ……」


「……マスター?」


「そういえばさ……ミランさん?」


「?はい?」


「貴方は剣聖だ、剣聖の街であるソウルドの地区大会に出ますか?」


「あー……あー、いいかな、私は今剣聖じゃなくて、ダンジョンの守護者として、願いを叶えようと欲望で動いてるからね……ただの剣士『ミラン ダリン』として戦うよ」


「うーん……なら、隠してみては?流石に昔の剣聖とはいえ、勝てるわけがないと試合を放棄されるかもしれないし」


「あ、そうだなぁ……カルカトス君みたいにローブと画面つけるのは?」


「ほほぅ、ナイスアイデアですね、それならバレないでしょう」


「あと、偽名とかつくろーっと!」


「……嬉しそうだね」


「なんでも箱入り娘みたいだった様で、あんなに自由になんでも出来ることが少なかったみたいです」


「あぁ、なるほどね」


「決めた、私の名前は『ワイパー ド ハウル』!」


「……ハウル……か、いい名前じゃん」


「へへっ、でしょう?私の名前は大会でこう名乗るわ」


「いいですね、なら『ワイパー ド ハウル』と『カルカトス ナイトメア』の二名の地区大会参加申し込みを認めましょう」


「ありがとうございます」


「ありがとうね、マスターさん」


「いえいえ、頑張ってくださいね?」


「もちろんですよ」


「はーい!」

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