その男 カルカトス 【カルカトス】
今回から描き始めるこのお話。
目線が変わることが多いため、タイトルに【】を付け加えました。
【】の中の名前の人が今回の目線で、次に【】が出るまでは視点は変わりません。
まぁ、主人公はあくまでも1人ですけどね
今日もまた……日が昇る。
もう、生まれて10年……ぐらいだ。
名前はカルカトス、誰が付けたとかじゃない、自分でそう呼んでいる。
世界の中心と言っていいこの国『ネルカート』に居る孤児だ。
理由はすぐにわかった、容姿だ。
およそ教育と呼べるものはただの一つも受けてはいないが、俺の見た目はきっと彼ら彼女らには不気味なものなのだろう。
『黒髪赤目』一体それの、なにが、どうして、どんな理由で嫌われるのだろうか?
ただ、生きてるだけなのにな。
髪が黒い、ただそれだけで忌み嫌われ、捨てられる……しょっちゅうある事だ。
だから、俺は俺なりに生き抜くさ。
「……あ!きたきた!」
「元気してるー?」
「相変わらずボロボロだー!」
「だ、大丈夫ですか?」
今はもう、俺は市街では生きていけない。
盗みを働いたりすれば、きっと騎士に捕まって終わりだ。
なら、少しのリスクはあるが……森に来た。
いま、俺の目に見えている小さい少年少女は……精霊というらしい。
「私たちの姿が見えるなんて君、変わってるねぇー!」
どうやら俺は変わっているらしい。
街の人達の言葉はわからないが……この子達の言葉は分かる。
不思議だ。
とりあえず、水だ……水が飲みたい。
「んー?何探してるの?」
そう、精霊が問いかける……どうやって伝えたらいいのか……
そうだ、前に、空から水が降ってきた……それが飲みたい。
空を指さし、指を上から下にして、上を向いて、その指が口の中に入るような軌道を描かせる。
「……なにしてるの?
空から……口の中に入れるもの……雨?
あ!水が飲みたいの!?」
赤い色の可愛らしい見た目の精霊が手のひらに拳をポンッとさせて聞いてくる。
コクリコクリと頷くと、青い精霊が水の玉を中に浮かせた。
両手を合わせ、そこに水を流してもらい、飲む。
「美味しそうに飲みますね……」
青い精霊が少し嬉しそうにそう言う。
「さっきから君喋らないけど、話せないの?」
コクリと頷く。
「た、たいへんだね、それは……
せっかく私たちが見えたんだから、縁ってことで色々教えてあげる」
そうして、精霊たちと、ちょっとした共同生活が始まった。
ここには『言語の説明』をさせていただきます。
あと、ランダムルーレットを採用しています。
ランダムルーレットというのは、今回のお話、ルーレットに全てを委ねています。
大切な人が死ぬかどうかも、ルーレットしだいなのです。
裏で回していますが、結果が知りたいって人がいたら形を変えるかもです。
言語の説明はそのままですね。
どうぞ皆さん、よろしくお願いします。