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1.異邦人

冒頭調整しました

これは地球とは違った世界の辺境の地へと生まれ落ちたた少年が市井に降り、大きな世界の流れに巻き込まれていく物語、そして今遂に街へとたどり着こうというところから物語は始まる。


「ようやく見えてきた、たぶんあそこがそうかな? 思ったより早かったな」

 

 人が住んでいそうな建物が遠目にだが見えてきた、村を出てからとにかく太陽が上がってくる方に歩き続けていたら2~3週間もあれば着くと教えてもらっていたのだが、5日で着いてしまった、もしかして方角間違えたのかな?


「だけど入り口が見えないな……、とりあえず街の周りをぐるっと見てみようかな」


 街の外壁をぐるっと正反対の方まで来るとようやく門が見えてきた、皮鎧を身に付けた男の人が槍を片手にあくびをしているが僕に気が付くとぎょっとした様子で固まった。


「あの……大丈夫ですか? 街に入りたいんですけど、ここはクレイモアっていうところですか?」

「あぁここはクレイモアで間違いない、もちろん入っても問題ないぞ、じゃあ身分証明を出来る物を出してくれるか?」

「えっと……持ってません、街に着いたら発行してもらえるはずだと村のおじさんが言っていました」

「なに? だとするとちょっと調べる必要があるな、詰所までついて来てくれ」


 そう言い終わると手を引かれて連れて来られた詰所の個室、そこに通されると部屋の外で何やら会話が聞こえた後、さっきの人とは違うぼさぼさな顎髭のおじさんが入って来た。

 

「さてボウズ、どこから来た? 何の用だ? どうやって来た?」

「西の果てにある村です、それで用「んなわけないだろう」」


 なぜか説明の最中に否定的な言葉を被せられてしまう。


「嘘はいかんぞ、この街は人間が生活している領土の中で一番西に位置するんだからな、さぁ本当のことを言え、どこから来た? 何の用だ? どうやって来た?」

「嘘なんかじゃないですよ、本当に西から来ましたよ」

「嘘はいかんぞ、この街は西にある深淵の森に異常がないか監視するためにあるんだからな、そんなところを子供が一人で抜けて来られるわけないだろ、ったくめんどくせーのが来たな」


 おじさんはムッとした様子だが、それはこっちだって同じだ。


「本当に西から来ましたよ、森を抜けた先の村から歩いて来たんですから」

「はぁ……、ったくよぉ森の奥なんてA級の魔物の巣窟だしS級のドラゴンだっているって噂があるんだぞ? 信用できるわけないだろ」


 ん? ドラゴン? ならあれを見せてみるかな。


「おじさんおじさん、ちょっとこれ見てみてください」


 そう言いながらストレージを操作してドラゴンの鱗を一枚取り出し机に置いてみた。


「今どこから出した? 収納袋か? ……ってなんだそれ……は? いや……まさかな……でもたしかに……」


 そう自問した後部屋を飛び出し大声で人を呼びに行ってしまった、しばらくするとなにやら虫眼鏡のような道具を何個か持った人と共にたくさんの人が部屋の中に入ってきて、鱗を見るとやはりさっきと同じように唸ってしまう。


「と……とにかく鑑定をさせてもらうぞ」


 新しく入って来ていた銀髪ロングさんが虫眼鏡を通して鱗をこれでもかと凝視する。


「……」


「……」


「……」


「おい、どうした」


「……」


「……グリーンドラゴンの鱗で間違いありません」


 その言葉に静まり返っていた室内がざわつきだす。


「鑑定結果を読み上げますね」


グリーンドラゴンの鱗

魂階:15

魔魂値:8221

魔素属性:風


 ざわついた室内がまた静まり返る。


「き……聞き間違えたと思う、もう一度頼む」


グリーンドラゴンの鱗

魂階:15

魔魂値:8221

魔素属性:風


「……ふぅ、お前これどうした? 盗んだのか? てかこんなものが存在していいのか?」


 おじさんは目をつぶって首を振りながら問いかけてきた。


「友達に貰ったんです」

「……貴族か王族から盗んだのか?」

「友達に貰ったんです」

「……友達から盗んだのか?」

「友達に貰ったんです」

「……その友達は貴族か? 王族か? 悪いことは言わないから正直に謝って返した方がいい」


 しつこいなぁ……。


「貴族でも王族でもありません」

「じゃぁなんなんだこれは! その友達って何者なんだ!」


 その言葉と共に全員の視線が僕に集まる。


「グリーンドラゴンです」

「……おい、ゴーシュ【真偽判定】頼む、ボウズはもう一回同じことを言ってくれ、そのあとはまた別の質問をすると思うから正直に答えてくれ」


 その言葉に反応して銀髪ロングさんが違う虫メガネを構えると僕を見て頷いた、話せという合図だろう。


「グリーンドラゴンです」


 銀髪ロングさんの頬にうっすらと汗が流れた気がした、そんな銀髪ロングさんは次々と質問をしてくる。


「そのグリーンドラゴンとの関係は?」

「友達です」

「そのグリーンドラゴンはどこにいる?」

「村、です森を抜けると山……台地っていうのかながあるのでそのあたりに」

「なぜグリーンドラゴンから鱗を?」

「生え変わる時に抜けたから、いらないって言ってたから貰いました、綺麗でしょ」

「その……村? では人とドラゴンが暮らしているのか?」

「そうですよ、あ……でも翼竜種のワイバーン、竜種のドラゴン、龍種のスカイドラゴンも一緒でしたよ」


 ふと見ると銀髪ロングさん汗ダクダクだ、熱いのかな? 人も多いし。


「どうしましょう副隊長? 全部本当みたいです」

「ぬ……ぬぐぅ?!」


 周りを見ると白目を見てる人がいる、なんでだ?


「……あぁ分かった、納得してないが分かった、西から来たのは理解した、そのドラゴン達は安全なのか? この街に襲い掛かってきたりなんかしないよな?」


 懇願の混じったような質問だ。


「大丈夫ですよ、ご先祖様となんか約束してたみたいなので」


 顎鬚おじさんは縋るような目で銀髪ロングさんをみる、それに対し虫眼鏡を構えた銀髪ロングさんは小さく頷いた。


「……あぁ安心した、理解してないが安心した、そのグリーンドラゴンが村でも上位の存在なんだろうな、それなら国の力で太刀打ちできる余地があるかもしれんな、ハッハッハ」


 乾いた笑いをしながら仲間を見る顎鬚おじさん、そこに空気の読まない僕が爆弾発言する。


「そんなわけないじゃないですか、グリーンドラゴンは友達ですよ? 遊び相手の子竜ですよ、いつも二人で村長に挑んでは吹っ飛ばされてましたよ?」


 顔の青くなった顎鬚さん、体調が悪いのかな? 苦しそうにしながらもまた質問してきた。


「その……村長? は人か? ドラゴンか?」

「村長の爺ちゃんは龍ですよ、たしか……え~と……すみません、種族は忘れました、だけどその爺ちゃんの力で村をなにかから守ってるって言ってました、その守ってるのが何なのかは教えて貰えなかったですけどね」

「ああ? あぁ、はい、もう、いい、もういい、えぇと? あ~……うん、何のために【クレイモア】に来た? 人類を滅ぼす?」

「はい! 学校に行くためです! 春まえには6歳になるので常識とかいろいろ学んで来いと言われて出てきました」

「あぁ、うん……常識な、確かにな」

「はい、それで最初の質問の答えですが歩いて来ました、学校の入学金とかは”真っすぐ歩いて行けば”なんとかなるはずだ、って言われてたので、道中の魔物とかキラキラしたのとかを拾いながら来ました!」


 顔に手を当てて顎鬚おじさんの顔が天井に向く、そのまま周りの人たちに指示を出し始めた。


「今聞いたことは漏らすなよ? パニックになるからな? 分かるな? あとだれか冒険者ギルドの引き取り窓口に連れて行ってやれ、そこで身分証を発行するようにしろ」


 ざわざわする中、顎鬚おじさんに近づいてきた人と顎鬚おじさんがコソっとなにかを話した後、その人が僕を案内してくれることになった。

 

 ◇ ◇


 そしてやって来た冒険者ギルドの素材受け取り窓口……ではなく解体倉庫……ではなくその裏の広場に来ている。


「う~ん、このスペースかぁ……だとすると出せるのは少しだけかな」


 その呟きにギルド職員さんと案内してくれた衛兵さんは何を言ってるんだ? っていうような顔をする、むしろなんでそんな顔をするんだ? とにかく道中で美味しかったやつを出してみよう。


「ヨイッショっと、これは確かタイラントコアトルって名前だったかな、さっぱりしてるけど焼くとジュワーっと肉汁が出てきて美味しいんですよ」


 またざわざわしてる、物足りないのかな? もうちょっと出してみるか?


「あ、え~と君? もう出さないでね? これの解体とかするスペースだけでいっぱいいっぱいだから、ほら……受付に行って身分証作ってくるといいわよ」


 なんか無理やり移動させられてるような気がするけど仕方がない、受付に向かうと元気いっぱいな褐色のお姉さんが対応してくれた。


「はい! あなたが衛兵さんたちをくるくるパーにした不法侵入者疑惑さんですね? 皆さん目を回してましたよ? あんな衛兵さん達見れて面白いのなんのって……て、そうじゃないぃぃ!? なにするんですか!? リンさん?!」

「はいはい……あなたは遊んでないでちゃんと仕事しなさい、まったくこの街は……はぁ、失礼いたしました私はこの街の副ギルドマスターのリンです、ギルドマスターが仕事してくれないので実質のマスターです、はい……はぁ」


 ◇ ◇

 

 そんなやりとりがしばらく続き、ようやく身分証明の話になった、が……何人かが集まって議論をし、それもようやく終わったようだ。

 

「コアトル……ドラゴン、あと真偽証明、百年ぶりのS級でも物足りないけど規則は規則……、くぅぅぅぅ! 仕方がないですね、N級の冒険者ギルド証を発行します、聞いてる情報とコアトルの見事さから考えると軽くA級以上の力はあるはずなんですが……仕方がない、規則ですから」


 兎に角N級の冒険者ギルド証を受け取ることが出来た、やたら細かくランク分けされている理由は細かくすることで不慮の事故を減らすのが目的なのだそうだ。

 

「それでは次に階位と魔魂値を測らせていただきます、こちらの針に指をお願いします」


 促されるまま、金色の針に人差し指をプスっとする、そうするとその針につながった用紙に情報が表示されるらしい。

 

階位レベルは13……高めですがままあるくらいの高さですね、それで魔魂値は……ん? ……あれ? コア……なん? ふえぇ? 123?! 階位13なのに?! って魂階(こんかい)が21だって?!」

「それってどうなんですか?」

「……、無能?」

「疑問で返されても……」

「魂階は魂の強さと呼ばれていて数字が小さいほど強くなれるのだ、21なんて見たことも聞いたことも無い!! ステータスだけで言えば赤ん坊よりも弱い!!」

「いや、あなた五月蠅いです静かにしてください、申し訳ありません、身分証についてですが冒険者証であればいろいろと事情があるので年齢に関係なく発行できるのでコチラをどうぞ、冒険者証の発行は銀貨一枚はです、さきほどのコアトルの素材買い取り金額から差し引いておきます、どうせそれを遥かに超える大金になると思いますしね」


 そう言われて手渡されたカードには

 

 ジン:Nランク

 魂階:21

 階位:13

 魔魂値:123

 冒GP:0


 と書かれていた。


ブクマ・評価・レビューお待ちしています!!

★★★★★


----------


本文で情報を説明口調で出したくないのでいろんな情報を後書きに乗せていきます


冒険者ランクはN~SSS、細かく区切られている理由は身の程にあった依頼を受け、不慮の事故を減らすため

 

冒険者ギルドでは銅貨1枚分の稼ぎをギルドポイント(GP)1GPとして扱う

冒GPは冒険者ギルドのGP値である


魔魂値は戦闘力のようなもの、いろんなパラメータの総和


冒険者証は身寄りのない子供がお使いのような依頼で最低限稼ぐことが出来るように年齢の制限なく受け取ることが出来る


貨幣価値

小銅貨=10円

銅貨=小銅貨10枚=100円

小銀貨=銅貨10枚=1000円

銀貨=小銀貨10枚=10000円

小金貨=銀貨10枚=100000円

金貨=小金貨10枚=1000000円

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