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短編シリーズ

電車

作者: きり

ネタだけ思いついて、全然まとめていない内容です。

最後のネタばらし的なものにうまく繋げたいけど、そういった暗喩的な書き方が出来ないという。

思いついたけど、すぐに忘れてしまうので、なんとなく記録として書いておくためのもの。


 20代男女が電車のシートに並んで座っていた。電車は地方の山中を走行中で、窓の外には山の斜面が太陽に照らされて木々の緑を反射している。

 男性はウトウトと居眠りをしており、女性は手元にある紙を熱心に見つめていた。

 電車の揺れで男性が傾いだタイミングで目を覚ました。

「おぉ? いつの間にこんな所まで……」

 目元を擦りながら窓の外を見て、隣を見てびっくりする。

(……え、誰この女性……)

 男性の隣に座る女性以外、この車両に乗客はいない。というかこの電車の車両にはほぼ人がいない。地方の廃線寸前の路線であり、鉄道マニアがたまに乗る位人気の無い路線だ。そういう男もマニアではあるが。

(えーと? 知り合いだったかなぁ。)

 女性を凝視するのも問題だし、と横目でチラチラと顔を伺うも横顔に覚えはなかった。

 女性はというと、男性が動いても手元の紙を裏返したり熱心に見ている。

 男は意を決して話しかけてみた。このまま終点まで乗るのは辛い。「あの? 何かご用ですか?」

 女性はというと、手元の紙を見ながら返事をしていた。

「この路線だと、終点からの接続は2時間後なのね」

 女性の手元の紙を見ると、終点駅の時刻表などが乗った観光マップだった。

(あぁ、この人も鉄道仲間か。)

 男は、この路線に来るのはマニア位だろうという事を思い出した。

 時計を見ると時刻は16時を過ぎており、このまま終点に着く頃には19時になるだろう。

「えぇ、ちょっと接続が悪いのは難点ですよね」

 自分では頑張って返事をしてみたが、女性はパンフから目を離さず「そうなのよねぇ……」と呟いている。

(やばい、この人自分の世界に入りこんでいる……)

 男が一人旅をし始めたのも、こういったタイプに嫌気がさしたからだった。最初の頃は複数人で行動していたが、やはりみな趣味優先なのか、とどまる駅が違ったり、宿泊先の候補でもめたりと自然解散していた。

(ちょっと席を移動するか。感じが悪いと思われるかもしれないが、終点までの数時間の我慢だ)

 男が席を立って移動しようとすると、頭が何かにぶつかって座ってしまった。

「え?」

 男に痛みはなかったが、なんとなく頭をさする。女性を見ても先ほどと同じ姿勢で座ったままだった。そして再度立ち上がろうとしても、やはり頭が何かにぶつかって立ち上がれない。

「なに? 何があるんだ?」

 男は焦って思わず声を上げるも、返事はない

 女性も振り向きもせずに、ぶつぶつと何かを言っている。

「まぁ2時間程度ならなんとか戻れるわよね。今日も戻れそうで良かったわ」

 そう言うと女性はパンフレットを手元のバッグにしまい込み、目を閉じて眠り始めた。

 男性はパニックになりつつも、移動したり女性に話しかけたり揺すろうとするが、周囲を何かに囲まれているようで座っている事しかできない。

 とうとう終点の駅にたどり着き、女性が立ち上がってホームへと電車を降りていく。男性が呼び止めようとしても、振り向きもせずに行ってしまった。

 車両の先頭から運転手が巡回してくるのを見つけて、男性は必死に呼び止めた。

「すみません! なにか立ち上がれないんです! 助けてっ」

 運転手が男性の前に立ち止まり、質問を始めた。ちぐはぐな対応に憤りを感じつつも、必死に答える。

「えー、乗車券はありますか?」

「ある! こっちのポケットに……」

「はい、ありがとうございます。 当駅までの切符となっているのでこのままお休み下さい」

「え? いや降りたいんですが動けないんです」

「お客様は当駅までの乗車券しかないので、それは動けませんよ。接続先に移動するのであれば、新たな乗車券を購入してください」

「新たな乗車券って……あれ?」

 男はそういえば、何故この電車に乗っているのか思いだした。

「あ、これレジャーランド内の仮想イベント電車だ。」





設定的なもの:

あるレジャー施設で、色々なシュチエーションの仮想電車に乗って旅をする事ができるイベントがあった。

男性は体験しているうちに居眠りをして、そのことを忘れてしまっていたという落ち。

女性はなんとなく一人は寂しいので、とNPCとして設定した女性。

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