表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エセ心理学者のお仕事  作者: reen
1/11

男の日常

どうもこんちには、拙い文ですが、よろしくお願いします。

人は1人では生きていけない。

この言葉が意味するのは何かしら人間という生物が誰かと関わる事によって、社会というコミュニティに属し、その社会によって自己を肯定できる世界であるが故に「人は1人では生きていけない」という言葉が生まれるのだ。




そう寂れたアパートの一室で偉そうに独り言を吐き捨てた男の名は、睦月むつき もとむという。

彼は心理学者と呼ばれる存在…ではなく、心理学者を都合よく騙った似非心理学者である。似非心理学者は詐欺師とは違い、セコいことはやっても人は傷付けない事がモットーである。

そんな彼は今日も今日とて仕事を受ける。この寂れたアパートの一室は、彼の寝床であって仕事場ではない。


仕事といっても人脈もなければコネもない彼にとって、「占い師の真似事」は彼の能力が遺憾無く発揮される場所であった。

街の片隅でひっそりとでもいかないまでも、そこに何かあると注意を向けないと分からないような、そんな場所が彼の仕事場であった。


高校の机程のしょぼい机に、占いの旨を伝えた貼り紙を貼って、彼の仕事は始まる。

「全ての身体のしわ寄せや、現在の健康状態、運命の相手から、金銭運なんかも分かってしまう手相占いやってますよ〜。1回300円ですよ〜」

どうみても胡散臭い謳い文句だが、なんでも分かってしまうという言葉に誘われてやってくるエサは多い。今日も1人、悩みを抱えたまま漠然となんとかしたくてここを訪れた客が来た。

「あのう…手相占いって、彼との今後とかも分かったりしますか…?」

来た。この手の先に悩みを打ち明けてくれる客は大好きだ。

「ええ勿論です。ささ、そこに座って頂けますか?」

「はい…。それで、占い師さん。彼と今、その…そんなに上手くいってなくて。これからどうしたらいいか…」

なるほど。似非心理学者、睦月 求は考える。

女性の特徴を纏めてみよう。女性は顔立ちは若干幼い顔をしているが、ナチュラルメイクが大変似合っている所を見るに、すっぴんでも可愛いと呼べる部類だろう。平日の昼間といっても15時程な為、高校生のセンは薄い。指輪はしていない為、籍を入れている訳でもなし。手湿疹…手が荒れている訳でもない、綺麗な手な為、家事をやっている訳でもない…同居している可能性は低くなった。

纏めると、女性は18~20代前半の大学生か社会人。彼氏とは同居している訳でもなく、平日の真昼間にこんな所にすがり付いている時点で、上手くいってないの理由も大体察しがつく。

「分かりました。ふむ…なるほど」

「な、なにか分かりましたでしょうか…?」

「お客様。恋愛停滞線が出ていますね…しばらく彼とは会っていなかったり、連絡が滞ったりしていませんか?」

「はい…そうなんです。ココ最近、彼が私のメールをよく無視してるのか、連絡が遅くて…」

「なるほど、それではデートの約束もままならないですよね。連絡が遅いと、言い様もない不安に駆られるでしょう」

睦月求は考える。さて、どうこの女を丸め込み、カネにするか。

いっそ財布に…いや、流石にそれは自身のモットーに反する。私はあくまで似非心理学者。詐欺師と何が違うんだと呼ばれてもそりゃあ変わらないが、私がそう言い続ける限りは私は似非心理学者だ。

私のモットーは、損をしたと思わせても悔しいレベルのもので、恨みを買わないということ、極力悪人でもない限りは私はその人の願いを出来る範囲で叶えるということ、そして最後に女性と子供は泣かせない事の3つだ。

ならば、やる事は1つだ。この女性には悪いが、その場の仲は取り繕ってやろう。

私は善人でもなければ、悪人でもない。そして、願いがあるなら出来る範囲で叶えるということ。それらを統合すれば、この様な結論に辿り着くのに10秒もかからなかった。

「それで、占い師さん。私はどうしたら…」

「はい、その件ですが、追々私の方でサポートさせて頂きます。ああ、心配ありません。追加料金等は不要です。『これも何かの縁』ですから」

そう言って睦月求は女性と連絡先を仕事用携帯で交換する。あまりにもすんなり連絡先を交換してしまった所に、相当追い詰められているという事をまざまざと認識させられる。






この様な相談(占い)は日に0~10件程受ける。そして、夜にその相談者と経過報告をしてもらう。そして、アドバイスを行い、その対価にお金を貰う。

追加料金が要らないと先に伝えても、人…特に日本人は無償の施しを嫌う。労力の対価は払わなければ罪悪感に苛まれる事になるからだ。

そうやって、日々の暮らしを送っていた男は、とある1人の少女の頼み事によって、一転することとなる。

登場人物とスペックとかは書けなかった人達は出来る範囲で後書きに書こうと思っています。

亀更新ですが、付き合っていただけたら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ