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96.  セリン先生のドキドキ授業

 日曜日。サンデーだからって私達、パルフェサンデーが特別なにかをやるってことはない。だって全員集まってないしね。

 今日居るのは私とサクラ、ヨーナの三人に加えトヤマさんとスラミ。成人組はもうお酒を飲み始めているだけに、戦闘なんかに連れ出すのはちょっとはばかられる。


「来週には大陸追加らしいけど、どんな感じになるのかな?」

「やっぱ落とし穴が怪しいよな」


 テーブルを囲み、もちにホットケーキをお裾分けしながら話題にするのは、今朝届いていたメールについて。

 内容は新大陸追加の事で、来週の金曜を丸ごと使ってメンテナンスとアップデートを行い、土曜に実装となるみたい。


「ターン制の戦闘の導入もありそうですわね。ゲーセンEXがフラグになってたり」

「なんか両方とも怪しいよね」


 確かに双六での異様な落とし穴推しも怪しいけど、運営の事だしターンついでにシミュレーション要素を取り入れてきたっておかしくないしね。それで夜になったら誰かとラブラブな会話をしたりするんだ。アオイちゃんはお見通しなのです。


「また合宿でもやるか?」

「ヨーナも好きだね。あっ、どうせやるなら精霊学園使わない?」

「あら、良いですわね。夜の学校、ふふっ」


 若干サクラのスイッチが入ってしまった。昨日プリクラで色んなコスプレしてあげたのに、まだ何か欲求があるのかな?


「そう言や、セリンって教師って肩書きだったよな」

「あー、そう言えば職員室まで行ったっけ」


 何時ものメンバーとトヤマさん、スラミを加えた飲み会で、とろけた顔をしているセリンからは教師って感じが微塵も見られないしね。一部本物の教師か疑いたくなる人も居るけどさ。


「折角だから受けてみませんこと?」


 偶にはそう言うのも良いかもしれないね。ヨーナも良いみたいだし、邪魔しちゃ悪いと思いつつセリンにも聞いてみたら授業は何時で大丈夫みたい。


「私も行こうかしら」

「良いかもね。ふふーん、冷やかしついでに見てやろう」


 トヤマさんとスラミも行くと言い出したのはちょっと意外。このまま飲み続けると思ったんだけどな。それにしても私の周りってお酒に強い人多くない? 

 ジョンも師匠に負けるけど悪酔いする事はなかったし、スラミなんかちょっとぐでんぐでんに酔っ払いそうなイメージだったけど、足取りもちゃんとしてるみたい。


 酔っ払いの相手をしない分楽で良いなぁ、と偶に家の店を貸切にして行われる惨状を思い出しながら精霊学園へ転移。

 セリンに連れられ空き教室へ向かう途中他の教室も覗いてみたけど、意外と授業を受ける人が多い気がする。


「自由度が高い分、誰かに教わろうって意欲が出てくるのかもしれないわね」

「掲示板を使わない人達からしたら、こういう場はありがたいのかもね」


 大人は考えることが違うなぁ、なんて思っていたらセリンがぼそりと呟いた。


「単に教師と距離を縮めたいって思いが大半なんですけどね」


 急にリアリティを感じた気がした。


 教室は黒板と教卓、机が三十席程ある一般的に思える作りで、ロッカーなんかが無い分少し物足りない気がする。


「それでは、授業を始めます。授業と言っても質問に答えるだけですので、気楽に質問してくださいね」


 皆が席に着いたところで、何時の間にかスーツ姿へ変わっていたセリンが教卓に着き開始を宣言。

 ワンピースブームが来ているログハウスでは、ふんわりとしたワンピースを着ていたのに合わせてお酒も飲んで表情からしてふわふわしていたけど、スーツを着るだけでも何だかイメージがガラッと変わった感じがする。


「タケミカヅチってどこに居るんですか?」


 最初の質問はヨーナ。セリンの雰囲気に触発されたのか珍しく敬語を使ってるけど、ヨーナが敬語を使うのはこんな時ぐらいだし、ちょっと新鮮なんだよね。


「タテミカヅチは特定の場所に居るという事はありません。剣を使って戦うプレイヤーを観戦している筈ですよ」

「大剣でも大丈夫ですか?」

「はい、戦闘中でも注意深く周りを見るのが肝心ですよ」


 ムラマサみたいに戦闘自体に【プロビデンスな目】を取り入れるのが良いのかもしれないね。ムラマサは移動する場所、打ち込む箇所を見極める為に使っているみたいだけど、混乱しないのかな? 私だったら転けると思う。実際転けたし。


 ヨーナは飛び出して戦闘に向かうなんて事もせず、このまま授業を受け続けるみたいだね。次は私が質問してみようかな。


「武器のスロットってもっと増えないの?」


 装備スロットに入れた武器は自身のステータスが反映される。念動力なんかだと武器自体の攻撃力しか反映されないんだよね。その分武器がどの位強いものか分かりやすかったし。

 それに【二刀流】もあるから特に気にしてなかったけど、イザナミを憑依させたとき武器が強制的に矛になっちゃうからちょっと気になりだしたんだ。矛と刀の二刀流じゃあ扱いにくいし、矛自体を変更出来なかったし。もしかしたら、もっとスロットが増えれば変更出来るようになるんじゃないか、って言う淡い期待だけど。


「アオイさん。その答えのヒントは既に社長から貰っている筈ですよ」

「社長から? えーと……、あっ! もしかして対象が居ない状態で何とかってやつ?」


 神速通を使えるようになった時だよね。その話を聞いたときは戦闘に関する称号に関係するものだと思っていたけど、そんな効果もあったんだ。


「はい、その通りです。装備している武器とは異なった武器を持ち、素振り等を行うことでスロットが解放される称号が取得出来ます」


 解放出来るのは二つ、つまり【二刀流】の効果も合わせれば、最大で四つまで武器を装備出来るようになるんだね。でも、解放するには結構時間が掛かるみたい。一日にしてならずって訳だ。そこは高天原にでも行けば何とかなるだろうし、あそこで合宿やるのも楽しそう。


「防具に関しましても、全部位で防具の変更を繰り返すと防具セットと言う機能が解放される称号が取得出来ます。これは防具の装備状況を保存しておく機能ですね。これにより防具の変更が比較的楽になりますよ」


 普段防具を変える事なんて無いから気にしていなかったけど、防具を変更して何かメリットでもあるのかな? 確か鎧で海に入ったとしてもデメリットはなかった筈だよね。


「デメリットはありませんが、適した防具ではボーナスが付きます。主に攻撃力と防御力のアップですね。その他には防具を製作する際、使う素材によっては適した場所でのみ発揮する特殊効果を付ける事も可能ですよ。」


 何だろう、思ったより為になることを教えてもらえてる気がする。ゲームの事なら社長にでも聞けば何でも教えてくれそうだけど、こういう場だからこそ改めて聞いてみようって事も出てくるね。


「私からも一つ、あの神様のような奴はテイムするとどんな力が使えるようになるんですの?」


 サクラの言う奴って誰の事だろう? んー、あれかな? 前にムラマサが【プロビデンスな目】を得るきっかけになったって言う奴かな?


「魅了だったり、即死だったりですね。ただ、強力な分テイムするのは大変ですよ?」


 即死って、どんなモンスターでも効くのかな? それだったら強力どころじゃないと思うけど、そんな凄い神様ならちょっと気になるね。


「何か条件があるの?」

「ええ、ただこの場には未成年の方もいらっしゃいますので詳細は省きますが、ある行為が一定回数以上なら、と言うのが条件です」


 もう隠す気無いじゃん、未成年で行為って言ったらもうそれしか無いじゃん、ってか出来るの? 出来ちゃうの?


「それは出来るって事で良いのかしら?」

「勿論です、ただし成人以上限定ですけどね。あの存在もそもそも成人以上でないと見えないものですから」


 なんでトヤマさんそんなウキウキしてるの? そんなに好きなんだね。でもスラミの気持ちも考えてあげてね? 凄いどんよりしてるから。


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[一言] トヤマさん、ウキウキ? リアルでガンバレよ(・_・;)
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