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武器育成イベント!? テーマパーク満喫編 アニマルレース

 身を滅ぼすほどにお金を使えるものとは何か。その答えは、最早ギャンブルしかないだろう。身の丈に合わない車や家を買う、というのもあるとは思うのだけれど、それらはまだ、売ればいいという逃げ道があると思うのだ。


 このテーマパークにおいても、家や車を買うことが出来る。ただ、使用機会がそこまでないものなので、買うメリットが殆どないから、今回においてあえてそれらを買う必要はないだろう。


 だとしたら残るはギャンブルしかない。普段ならそうは思わないのだけど、こと今回に関してはお金を使うことにたいして特別効果を発揮するが如くのボーナスステージであるのが、ギャンブルだと思うのだ。勿論ギャンブルが出来るエリアはある。そこへ向かえばいいだけの話だ。


 けれど、その様なお金の使い方はなんとなく、受け入れられなかったのである。どうせ使うのなら楽しみたい。お金を使うことを楽しみたい。今の世の中には推し活というものがある。どうせなら私も、この動物園で推し活をしてみようか、と思ったのである。


 ――そんな訳でやってきたのは、アニマルレースの会場です。此処では様々な動物達が一番を目指してレースに臨む可愛らしい、格好良い姿を見せてくれる、動物好きには堪らないスポットとなっております。


 などという解説を心の中で繰り広げながら、私はそれなりのお金を支払って個室を借り、この時間帯に行われるレースの出場動物のリストをじっくりと眺めていた。


 フカフカと座り心地のよい革張りのソファーに、テーブルの上に置かれたピザの香りに心を解きほぐされていくのを感じる。この空間で、好きな動物の応援が出来るのだ。もう堪らないよね。


 因みに応援する動物は狐である。狐が出るレースに会わせるために、島を一周して時間を潰したのだから、突発的なイベントが発生したり、うーぴょんに絡まれたときは内心焦ってばかりであった。


 けれどもなんとか間に合った。レースが始まるまではまだ少し時間があるようだから、狐以外にも賭けるかどうか、少しレースの特徴も踏まえて考えていこうか。


 まず、このレースには特徴的な要素がある。それは人気の順番によりバフがかけられる、つまり不人気であるほど能力が強化されたり、特殊な能力を得たりするということだ。


 その点も踏まえて参加動物を観ていこう。レースに出るのは七頭の動物である。チーター、馬、スカンク、カバ、狐、蛇、ネズミ。これが人気順だ。


 まだレースが始まるまでに時間があると言うことから、まだ変動する可能性があるものの、今の状態で推移するとすれば、少なくともチーターは素の能力で出場することとなるわけだ。


 距離は千メートルの直線コース。スタミナの心配はあるものの、単純なスピードで言えばチーターが圧勝となっても不思議ではない。二番手の馬も、およそ素の能力に近いのだろう。品種としてはサラブレッドとなっているため、普段から競馬が好きな人達も賭けているのかもしれない。


 それ以下の動物に関して言えば、どのようなバフがつくのかが重要となってくるのだろう。経験者はそれを把握しているのだろうけれど、生憎情報は口外しないのがルールなようで、新参者の私では想像するほかない。


 ただ、蛇やネズミといった明らかにビリ争いをするであろう動物が不人気だと言うことに、私は一抹の不安を感じてしまう。


 経験者は、どのように動物を選ぶのだろう。バフ目当てで動物を選ぶ人が多ければ、蛇やネズミが下位になることはないはずだ。それなのにしっかりと下位につけているということは、バフ込みでも人気がある動物が勝つ見込みがある、ということではないか。


 まぁ、結局のところ、経験してみなければ解らないということなのだろう。試しに推しである狐に賭けるだけにしておいて、結果を見て次のレースに備える。そうやって私も経験者となっていくのだ。


 ――そして、ピザが半分ほどになった頃、レースが始まった。人気は変動せず、レースも一番人気のチーターが独走状態である。


 ただ、なんて言うのかな。スタートしてから直ぐに、レースには大きな動きがあったのだ。今走っているチーターの姿は、その軽やかな動きもあってとても凛々しく輝いている。……けれど、ね。その首に、その頭に。蛇とネズミが巻き付き乗っているのを見るとどうしても、真面目な感じにはならないよねぇ。


 つまり、バフや特殊能力とはこういうことだったのだ。驚異的な力でチータに飛び乗り、そしてゴール間際になったら飛び出すのだろう。……みんな仲良くゴール間際でよーいドン、とか、なんかもん平和的じゃん。


 それに習うように二番手の馬の背にはスカンクと狐が乗り、意外なことにカバが馬の直ぐ後ろにつける快走を見せている。


 あぁ、狐とスカンクが仲良さそうに尻尾を擦り合わせている。微笑ましいなぁ。


 私はそのレースを見て、このレースの意味を完全に理解できた気がする。あぁ、これは完全に推し活でいいんだ。どの動物にも一位になるチャンスが平等にあり、純粋に好きな動物を応援できる。


 それからの私は、ひたすら好きな動物に賭け、カメラを構えていた。象の耳にちょっかいをかけるやんちゃな猫。キリンの首を登ろうとするのんびりとしたパンダ。空を飛んでしまった勇敢なペンギン。


 そんな落ちのないレースにあえて落ちをつけるのなら、謎かけを一つ披露してみよう。


 このレースとかけて、愛らしい動物たちと解きます。その心は、どちらも賭ける(駆ける)ことすら愛らしい。


 みんなが笑顔になるギャンブルって、一番のファンタジーだよね。

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