武器育成イベント!? テーマパーク満喫編 ペンギン
アクティビティエリアの動物園は二種類あって、一つは檻や柵に囲まれた動物を眺めたり、触れ合ったりできる一般的な物。もう一つは野生に近い環境で飼育されている動物たちを、車に乗って眺める物に分けられる。
更に一般的な動物園には鳥専門の物や昆虫専門店の物もあり、更には何故か化石発掘体験ができる施設があったりと、一日では到底回りきれない程の規模を誇っている。
一方で、水族館はショーをメインにしているらしく、イルカやシャチのみならず、音楽に合わせて泳ぐウミガメや、空中にある輪っかをくぐるトビウオなど、ゲームの世界でしか味わえないものが多々行われている。
お金の使い道が限られている水族館に向かうのは端から考えていないため、私は動物園にある、ある施設へと向かおうとしていた。
――のだけど。
「ペンギンって、なんかお得だよな」
偶然出会ったうーぴょんからの言葉に、私は目的地に向かうことを忘れ、頭を傾けてばかりだった。
「なにがお得なの? 食べられないじゃん」
「お前はニワトリを観賞するのか」
鑑賞用のニワトリだっていますー。なんてことは兎も角として、語弊を招く発言なのは承知しているのだけど、私が思うお得というのは、見て楽しい、触れ合って楽しい。その更に先があることだと思うのだ。
犬や猫なら飼うことが選択肢になるだろう。うーぴょんの言ったとおり、ニワトリなら食べることを想像してしまうだろう。飼えば卵を産んでくれるのもいい。
つまり、私がお得だと感じる要素が、ペンギンにはないのだ。
「でもペンギンは観るだけでしょ? 飼えるのかも分からないし、当然食べない。じゃあなにがお得だというの?」
「いや、単純に観られる場所だっての。動物園にもいるし水族館にもいる。鳥専門のとこだっていたりするだろ? 花と鳥のやつ」
……なんか私、恥ずかしいな。
「動物は動物園でしか観られない。水棲生物も水族館でしか観られない。でもペンギンはどちらでも観られる。お得すぎるだろ。子供がペンギンさん観たい! って言ったら、どちらにでも行けるんだぞ」
水族館が遠い場所にあったら、逆もそうだけど、そうなったときの親の負担を考えると、近くにある方で済ませられると言うのは大きいことだよね。
「……あいつ、何者なんだろうな」
……会話の雲行きが怪しくなってきた予感。
「どこにでもいて、ただ人間に愛される存在。ある動画では、人間のボートに乗ることで身の危険を回避したこともあった。人間はペンギンを護っているつもりなのかもしれないが、果たしてペンギンから見たらどう映っているのだろう。恐竜が鳥類へと進化したというのなら、ペンギンもその流れにいるのだろう。その先に飛ばないという進化を果たし、更に水中を自在に泳ぐ進化を得た。生存に特化しているという点では、人間を遙かに凌ぐのではないだろうか。もしもペンギンが人間よりも更に先の進化を行くものだったとしたら、人間では計り知れないコミュニケーションを仲間同士で取っているのではないか。そして人間ではのぞき込めない海へと生存範囲を広げる彼らは、もう既に深海へと達する能力を身に付けているのかもしれない。人知れず深海へ潜り、人には感知できないコミュニケーションをもって、もしかしたらそこに新たな文明を築いているのではないか。そこからペンギン達は地上の者達へ指示を出し、人間の文明を学ばせているのだ。ペンギン達の支配は、もう既に始まっているのかもしれない――」
私は、なにを聞かされているんだろう。
「と言う話をさ、巫山戯てマナミさんにしてみたんだ。そしてらめっちゃテンション上がってた。上手く記事にできたら謝礼くれるってさ。棚からぼた餅いわゆるラッキー、だな」
それ、絵に描いた餅にならなきゃいいけどね。もしくは捕らぬ狸の皮算用。現実を見たら雀の涙。なんて、動物園らしい台詞でも言って会話を締めさせてもらおうか。




