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武器育成イベント!? テーマパーク満喫編 ダイビング

 ウェットスーツからはみ出た尻尾をユラユラと動かすと、隠れ蓑にしたがっているのか、小さな魚たちがそれを追うようについてくる。


 アトラクションエリアにあるダイビングエリアには、客のニーズに合わせた様々なコースがある。酸素ボンベを背負った本格的なものから、シュノーケリングまで。他にも水着で潜ることが出来たり、水着に着替えなくても潜れたりと、様々な体験が楽しめる。


 私はその中で、気分だけはダイビングを楽しみたいとウェットスーツを借り、空気に関しては常時お金を払い続けることによって、水中でも呼吸が出来ると言うコースを選んだ。


 ウェットスーツの構造上、獣人の尻尾をカバーすることは出来ないのだけど、どうやら尻尾の毛の中には空気の幕が張られるようで、そこからくる冷たさは一切感じなかった。


 足ヒレを使ってスイスイと泳いでいく。夜と言うこともあって視界は狭く、眼下は暗く見通すことが出来ない。ライトを使って照らしてみても、底を確認することが出来ないことから、相当な深さがあるのだろう。


 ここは本格的なダイビングが楽しめる。つまり水圧のことは当然考えなければならず、また魔法等を使うなど無粋なことはしたくない。あまり深くは潜らずに、揺れる月明かりを楽しみながら、魚たちと触れ合う楽しさを味わおう。


 今頃、レンチ達は更なる大物を釣り上げているのだろうか。まだまだ魚(酒)が足りないと、釣りを続けることを選んだ彼女たちを残して、こうして一人でダイビングにやってきたのだけど、それは正解だったのかもしれない。


 とても静かな空間を漂っている。コポコポと口から出る泡がユラユラと海面へ向かっている。小魚は髪にも目を付けたのか、眼前を何度も横切っては頭皮を擦り、くすぐったさに泡が増える。


 何をするでもないこの時間が、とても心地の良いものに思う。……おまけに目的も果たせているのだから、なにも文句はないだろう。


 ふと、足ヒレが何かに押された気がした。小魚がぶつかってきたのだろうか、と視線を海面から移してみると。


 ――サメがいた。


「あなたが落としたのはチェーンソーですか?」


 言っている意味が解らず、ポカンと開いた口からはポコポコと空気がもれる。


「それともチョリソーですか」


 意味が解らないんですけど。


 サメが喋るのも意味解んないし、その選択肢も意味解んない。そもそも、私はなんも落としてないよね? 例え落としているとしても、それはこの意味不明の事態に遭遇したことで落ちてしまった気分である。


 ――選択肢に、かまぼことかない?


 頭の中で呟いたその問い掛けが通じてしまったのか、サメは獲物を襲っているかの如く首を振り。


「なんと残酷な」


 そう声を震わせた。


 サメってかまぼこに使われていたんだね。初めて知った。


「人間はそこらへんの肉でも食っていれば良い!」


 ――それはあんただよ、と私は思わず頭の中で呟いた。そこらへんの肉でも食うのは、サメやワニの専売特許だと思うの。お願いだから、海水浴場へは来ないで欲しい。私達をそこらへんの肉だと思わないで欲しい。


「だからチョリソーをあげる。直ぐそこにダイニングがあるんだ。一緒に食べよう。僕が食べるチョリソーは、……君だけどね!」


 瞬時に創り出したチェーンソーでサメを真っ二つにすると、私はコポっと泡を吐いた。


 ゲームはやっぱり、ゲームなんだなぁ。

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