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121. 文化祭イベント開始!

 盛大な花火と共に、開始を告げられた文化祭イベント。こんな明るいうちからでも、はっきり鮮やかに見える花火に感動しつつ、のぼりを立てる作業も早々に終わらせ、早速現れた来客の対応を始める。


 最初に来たのはお隣さん達。共に射的の屋台を出店している二つのギルドだけど、知り合いでもライバルでもなく偶然、被ってしまったみたい。

 片や男性ばかり、片や女性ばかりと正反対なギルドだけに景品の被りもないため、いがみ合うことはないみたい。寧ろ、この場が親睦会みたいになっているけどね。


 お裾分けしたサンデーを気に入ってくれたみたいで、注文も全てサンデー。トッピングも選べるからチョコチップや、チョコやフルーツのソースを掛けた物まで様々なだけに女性受けも良さそう。


 男性の場合はコーヒーが人気かな。流石、社長のコーヒー。そのままでも美味しいけど、甘いものと一緒ならもっと美味しいからね。大抵の人が頼んでくれるから、売上も期待出来るかな。


 そんな人達のお陰で店内は満席。屋外にもテーブルと椅子を置いたし、この場で食べる人はそっちに誘導しないとね。


 でも、まだ始まったばかりだし、精霊学園も広いから、一遍に人が来るって事はないか。


「やっぱり、制服とかあった方が良かったかな?」


 お隣さん二組のギルドが、お揃いの浴衣で合わせているのを見てふと思い、同じく店番中のトヤマさんに聞いてみた。学校でもクラスティーシャツを作ったし、文化祭イベントなら何か作れば良かったよね。


「そうかもしれないわね。次の時までに用意しておきましょうか、先生に頼んで」


 先生に頼めば、凄い防御力の物を作ってくれそうな予感がする。鎧を上回る防御力のティーシャツ、ニートが騎士に勝つのも夢じゃないね。


 あ、フィナが大量のお客さんを連れて戻ってきた。客寄せの為にと、外に出していたけど、思ったより効果があったみたい。


 昼までは私とトヤマさん、フィナの三人体制なんだけど、その後も三人体制で続ける予定。イベントも四時で終わるみたいだし、丁度良いからね。

 ヨーナ率いるムラマサともち。サクラ率いるクイネさんとスラミ、この三組が基本だけど、客入り次第ではタツミとレンチ、イザナミがヘルプで入るって形。タツミは最近のんびりし過ぎだから、働いて貰わないと。


 二時間程接客を続け、ヨーナ達が交代に来たところで漸く休憩。フィナの活躍もあって、来店したお客さんは百人程。会計も商品を渡すのもウィンドウで出来る手軽さから、ヘルプを頼むところまでは行かなかったのはちょっと残念かな。


「ジョンの所はかなり好調らしいぜ」


 ヨーナ達は文化祭を楽しみながらも、提携中のジョンとビルの所へ様子を見に行っていたみたい。


「メニド効果かな? 仮装コンテストで優勝してたし」


 顔が売れてるって言うのは、それだけで有利なのかもね。その点ならフィナも負けてないと思うし、百人だったら多い方だと思う。売上だって、フィナに見栄を張る人も多くて、千ゴトーの商品もバンバン売れてたしね。


 それに今はお昼時。現実でご飯を食べて、ゲームでデザートなんて人も多いかもだし、書き入れ時ってやつだね。


 ヨーナ達の頑張りに期待しつつ、私とトヤマさんはログアウト。ログインしたらフィナ、アマテラスと一緒に文化祭を見て回る予定だし、待たせちゃ悪いからお昼は急いで食べようかな。


 ログインして、待ち合わせ場所のスイーツクイネの前まで転移すると、店の前に行列が出来ていた。


 私が居ない間に何があったんだ、と思えば理由は簡単。屋外テーブルで、色とりどりなスイーツを食べていたもちの存在だね。美味しそうに食べるその姿は、立派な広告塔になっているみたい。


 そう言えば商品が大量すぎて、ディスプレイなんかは用意してなかったっけ。最初からもちを置いておけば良かったかも。


「早く行きましょ。何時までも此処にいたら、手伝わされてしまうわ」


 呆然と、もちを見守る行列を見ていたら、アマテラスに話しかけられ、我に返る。そうだよね、行列は今も増えていっているし、ヘルプに入れって私達にも声が掛かるかもしれない。ヨーナ達に見つかる前に、私達は文化祭を楽しんでこようかな。


 もちの隣で、その食べっぷりを眺めていたフィナを連れ出し、三人で向かったのは校舎の中。ヨーナから顔出し看板の店が多かったって聞いて、ちょっと気になってたんだよね。


「顔出し看板って、観光地なんかにある物でしょう? 教室なんかにあって楽しいのかしら」

「展示って事なんじゃないかな。店が多かったって言ってたし」


 全国にある顔出し看板を集めれば、相当な数になるだろうからね。全部飾ろうとすれば、複数の教室どころじゃ納まらないと思うけど。


 校舎入り口で貰ったパンフレットを見つつ、フィナの手を引きアマテラスと並んで歩き、着いた目的地。その教室に広がる予想外の光景に、アマテラス共々驚いてしまった。


「教室の中が大草原って、これ、魔法?」

「そうでしょうね、幻影系かしら?」


 ドアを開ければ広がる大草原。触ればちゃんと壁があるから、空間が広がってるって訳じゃないみたい。はしゃいで走り回ったら酷い目に遭うよね。


 アマテラスはこの手の魔法は詳しくないみたいで、詳しくは分からないけど、これ戦うとなったら厄介そう。私はきっと壁にぶつかる。いや、石ころを隠されて転けるに違いない。慎重にならなきゃいけないや。


「はい、チーズ!」


 戦いなんて野暮なことを考えるのは早々に止め、大草原に設置された羊の顔出し看板で写真撮影。三人で組み合わせを変えながら写真に撮ったし、この後は全部の顔出し看板を制覇するのも良いかも。だって無料みたいだし。


 こんな時に、一発逆転の大チャンスが起きなきゃ良いんだけどね。フィナも楽しんでるし。


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