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119. 考えている時が一番楽しい

 レンチの張り切りで深夜まで続いた蹂躙劇。アイテムボックスに大量に入っているチップと、通常ドロップの機械仕掛けの針がレンチの頑張りを告げているように感じる。流石に多すぎるけど。


 チップが人数分ゲットした時に帰ろうとも思ったけど、まだまだ戦い足りなさそうなレンチを置いて帰るのも忍びなくてね。イザナミが敷いたレジャーシートで、お茶を飲んで過ごしてたんだ。偶にゲームもしたりして。


「いっそのこと、文化祭イベントで売ったらどうだ?」


 翌日、夜にログインした後、私服モードで私の部屋に集まり、昨日の顛末を話して聞かせる。するとヨーナからそんな言葉が出た。


「勿体ないよ。それにお金に困ってる訳じゃないし」


 最終的に五百個以上にもなってしまったけど、もしかしたらこれだけの量が必要になるかもしれないもんね。いざとなったら、ハイパー合成君を使えばいいし。

 モンスターのドロップ品は、普段から露天なんかでも自由に売り買いできるけど、文化祭イベントって事で、各ギルドでは貴重なドロップ品も放出しようって話しも出てるみたい。掲示板を見ていたサクラの情報だけど。


「私達はどんな店をやりますの?」

「そこは、パフェじゃない? ギルド名にもなってるんだし」


 パルフェサンデーってギルドの店で、たこ焼きなんか売ってたら、ちょっとイメージが違いすぎると思う。ギリギリ鯛焼きかな? ソフトクリームのコーン代わりにしたやつとか。


「でも、それだけだと売上伸びるか? 確かにグラウンドの真ん中は広め場所だったけどさ、テイクアウト出来なきゃあんまり伸びないんじゃないか?」


 そっか、確かに売上を競うなら、パフェだけじゃ厳しいかも。


「クレープとかも良いかな?」

「どうせ手間なんて掛からないのだし、スイーツ全種でも良いのでなくて?」


 うん、そう言えば好きなだけ創れるっけ。どうせ余ったって、もちの生活が潤うだけだしね。明後日の文化の日までに、大量に創れば良いかな。


「文化祭がこんなに楽で良いのかな?」

「現実でも休憩所とドリンク販売だもんな、トヤマさんが担任で良かったぜ」


 私達の通う高校も今週末に文化祭があるんだけど、何をやるかはトヤマさんの指示であっさりと休憩所に決まった。

 拘るなら学年が上がってからと言っていたけど、来年もトヤマさんが担任だったら同じ事を言い出すと思う。だってあの人、準備と片付けに時間をとりたくないだけだもん。


「てか、イベントの方は、勝手に決めちゃって良いのか?」

「良いみたいだよ。寧ろ見て回りたいから、楽なのが良いって」


 モンスターに接客を任せれば、何をやっても楽だと思うけどね。でも、誰が店番をやってくれるかな? 先生とフィナ、イザナミはやってくれると思う。レンチも大丈夫だろうし、ミスノは、破壊力がありすぎるかな?


「問題は、一発逆転の大チャンスだよね」


 マルンがギルドバトルのって言っていたから、戦闘が起こるものだとは思うけど、何時それが始まるかって言うのも問題だよね。


「多分、売上の奪い合いだろうな」

「対策もせずに、他の店を見て回ってたら危ないですわよね」


 私は転移すれば何時でも戻れるけどね。社長に聞けば、どんなイベントになるか教えてくれるかな?


「喫茶店に行ってみよっか」

「そうだな」


 流石に、イベントの内容までは教えてくれなさそうだけどね。別に教えて貰えなくてもコーヒーを飲めば無駄にならない、って言うか私の場合、寧ろそっちが行く理由なんだけどね。やっぱり彼処のコーヒーは美味しいから。


 もし、誰かリビングに居たら誘ってみよう。そんな理由で転移はせずに、玄関からスールガに行こうとリビングへ下りていくと、ムラマサが窓から外を覗いていた。


「ムラマサ、何してるの?」

「んー、アオイちゃんか。なんか凄い集団がいたからさ、つい覗いてた」


 振り返って、窓の外の光景を教えてくれたムラマサだけど、凄い集団ってハーメルンタワーとかじゃないんだよね? 場所を空けてくれたムラマサに感謝して、サクラとヨーナ共々窓に顔を寄せ、その凄い集団をいざ拝見。


「何やってんだ、あいつ」

「幸せそうですわね」


 そこに広がっていたのは、大量のウサギに囲まれたモフラブだった。優に百匹は超える数のウサギに囲まれ、時折ウサギを手にとっては顔に押し当てている。感触や匂いを確かめているのかな? 顔から離せば凄く幸せそうな顔をしている。


「姿を見せないと思ったら、こんな大量造っていたなんて」

「羨ましいか?」

「ちょっと」


 でも、今は近付かない方が良いと思う。多分、永遠とウサギ話が続くからね。モフラブが居ないときにこっそりと触りに行こう。


「そうだ、ムラマサは一緒に喫茶店に行く?」

「行く行く!」


 凄い乗り気なムラマサだけど、丁度今は暇だったみたい。何でも、憑依した際の修行をするつもりだったけど、肝心の神様がべろんべろんに酔って動かないんだって。

 そう言えば、ムラマサの神様ってまだ見たことないや。どんな人か聞いてみたけど、あちこち動き回っている自由な人みたい。【神薙】の称号はもう取得しているみたいだから、憑依させるのは問題ないそうだけど。


「文化祭イベントはバトルもあるんでしょ? そん時に見せたげる」


 あわよくば、店を手伝ってくれると嬉しいんだけど。自由な人なら無理そうかな。


 ムラマサも着流しみたいな私服モードに着替えて、のんびりスールガの街を歩きながら喫茶店へ。


 着いて早々、文化祭イベントに着いて聞いてみたけど、当日のお楽しみだと言って教えて貰えなかった。その代わり、社長のコーヒーの販売権を貰ったから良しとしよう。


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― 新着の感想 ―
[一言] 社長のコーヒーの販売権 売り上げ一位は社長のコーヒーだったりして(笑) お菓子と一緒に売れて
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