110. ゴーレム機械化計画
ゴッドテイム石とハイパー合成君を手に入れ、顔が緩みきっているモフラブを連れて祭り村の家まで戻る。
あの三人がまだ居れば良いなって思いで来てみたけど、庭に入り縁側を見ると先生とアマテラス、イザナミの他にマオが加わっていた。和風な家にバニーガールって違和感が凄い。
「マオもこっちに来てたんだね」
「ああ、そっちの奴にこれを渡そうと思ってな」
そう言ってマオは、傍らに置かれていた小さめの巾着袋をモフラブに差し出した。
「蓬莱の薬だ。原初の欠片を上位の物にするためにも必要だからな、十個程入れておいた」
「あ、ありがとう」
準備の良さに戸惑い気味のモフラブだけど、クロを抱いたまま受け取った巾着袋を、直ぐにアイテムボックスに仕舞いそわそわしだした。
「行って良いよ。私はもう少し此処に居るから」
「ごめん、じゃあまた!」
クロを受け取り、急いで切り株ハウスへ帰って行くモフラブを見送る。そして聞こえてきたのはマオの溜め息。その顔は少しうんざりしたようなものだった。
「タツノにせがまれたんだ、しつこくな。あんなの、月ウサギが居れば直ぐに手には入る物なのにな」
私達が屋台ゲーム巡りをしている間、苦労していたらしい。タツノも、もふもふが増えるのを楽しみにしているんだろう。
月ウサギと言えば、モフラブは角ウサギをテイムしていなかったのかな? と言うか、モフラブのモンスターをまだ一体も見てないんだけどね。まさか居ないなんて事ないよね?
「そうだ。マオ、今から部屋まで来てもらって良い?」
「良いが、まさか私を機械化する気か?」
「あら、楽しそうね。私もお邪魔して良いかしら?」
マオじゃないと否定しつつ、イザナミなら来ても問題ないし、構わないかな。機械化に関することなのは間違いないし。
まだ此処でのんびり飲むと言う先生とアマテラスと別れ、ショートカット的にログハウスの自分の部屋へ転移。仁王像とパラボラアンテナの組み合わせを見たイザナミに、いい趣味ね、なんて言われたのは褒められたと受け取っておく。
座卓と座布団、それにお茶とお茶請けに煎餅を出して、皆座った所で早速本題。
「レンチを機械化しようと思う」
「乗った」
「あら、面白そう」
一言告げただけで協力してくれる事になった二人は、普段レンチの事をどう思ってるのだろうか。そもそもの原因は、此処に呼び出したマオ自身なんだけどさ。面白がって色々吹き込むのが悪いんだよ。
マオが原因と言っても、レンチが真面目過ぎるのもまた問題。あの水着は着なくなったけど、偶に公式装備だって言って下着みたいな姿をしてうろうろしていたり、トレーニングだって言って男には見せられない様なポーズをしたり。何時も被害に遭うクイネさんには本当に申し訳ないと思う。
だから機械化して、ある程度エッチさを無くそうかと計画しているのだ。マオを誘ったのは、この計画で満足してくれればなぁ、って言う淡い期待。
「そう言えば、レンチってなんでそんなにマオを慕っているの?」
「ん? あぁ、彼奴は真面目だからな。未だに役を引きずってるのさ。魔王軍四天王のな」
テイムされても引きずってるんだね。あれ、それってマオが一番偉いって思ってるんじゃない? 私ってもしかして下に見られてたりしてる? なんか不安になってきた。
「話は分かったのだけれど、それなら機械化について、もう少し詳しく教えた方が良いかもしれないわね」
機械化については試練の時に教わったけど、他に何か重要な事があったのかな? イザナミに続きを促して聞いてみると、ある意味重要な一つの要素が省かれて説明されていたのを知ることが出来た。
それは融合進化の回数、そして素材になったモンスターの強さによって、機械化する際にボーナスポイントを得られること。そして、ボーナスポイントを利用する事で、武装などを自由に設定出来ると言うもの。
例えば、融合進化させてないゴーレムを機械化すると、普通のマシンゴーレムになる。でもある程度融合進化させていると、機械化した時にウィンドウが現れ、ボーナスポイントの数値の範囲内で見た目を変更させたり、或いは好きな武装や機能を付けたり出来る。まさに、自分だけのオリジナルゴーレムを作り出せるんだね。
「そんな事言ってなかった!」
「融合進化出来なくなる、って所から推測しろって事だな」
やっぱり運営は意地悪だ。でも、急がば回れってメッセージだろうか? こうなったらゴッドテイム石で楽々最強ゴーレムを造ってやる!
「回数と強さって事は、原初の澱みと、龍星は欠かせないよね」
「そうね。その二体だけで攻撃と防御は十分だろうし、後は特殊効果かしら」
なる程。それなら、前段階でのゴーレム化はムーンゴーレムが良いのかな。あれなら幻惑効果を与えられるし。
「魅了は大事だぞ」
なんでそんなに魅了に拘るんだろう? もしかして、あんな格好させてたのもそう言うギャップが好きだからなのかな? 真面目な子がエロいみたいな。ジャンクフードが好きなのも、美味しいのにカロリーも栄養もえげつないギャップからだったりしてね。
ともあれ、方向性は決まったかな。先ずは、ムーンゴーレムと原初の澱み、龍星のテイムかな。欠片集めに行った時、テイムしとけば良かったよ。倒すのに夢中なるんじゃなかった……。




