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109. 祭り村でのお約束

 夕飯まで原初の澱みを倒し続けた甲斐あって、コントローラーで動かしていたような感覚もなくなり、今では自由自在に動き回って戦える様になってきた。ログアウトして、ご飯を食べてる途中に目的が変わっていた事に気付いたけどね。


 ログインしてリビングへ下りてみると、そこには変わらず王様ゲームで盛り上がっている飲兵衛達が居た。その指令なのか、レンチが腹踊りを披露しているのが凄いシュールだよ。よく小豆はこんな騒ぎの中でゲームが出来るよね、パフェを食べ続けてるもちもだけど。


 じゃれ合ってくるウォーセとしーちゃんを構いながら、ツリーハウスへ向かってみるとそこでも変わらず、私が抜ける前と同じ様な体勢でサクラ達がアニメを見ていた。モフラブが居ないって事は、切り株ハウスの方にでも居るのかな?


「サクラ達はご飯食べたの?」

「え、もうそんな時間ですの?」


 あれからずっと見っぱなしだったんだね。今はブーメランを操る少年のアニメを見ているみたいだけど、そのシールはお父さんが持ってた気がする。子供の頃から集めているらしくて、今では凄い数のシールがあるんだよね。


「私達は飯食いに行くけど、アオイはもう行ったのか?」

「今行ってきたとこ。これからモフラブ誘って祭り村へ行こうと思うんだけど、あの家に居るの?」

「いえ、ビルさんの所に一度戻るって、言ってましたわ」


 そっか、それじゃあ連絡だけ入れておこう。切り株ハウスを創る時、フレンド登録しておいて良かったよ。祭り村へ行きたいのも、モフラブにハイパー合成君を手に入れて貰おうと思っての事だしね。


 夕飯を食べにログアウトするサクラ達を見送り、モフラブへメールも済ませたし、テレビでも見て時間を潰そうかな。


 ウォーセを背もたれにして座る前に、テレビのメニューを開き何がやっているかを調べる。ゲーム内にリモコンはないからね、このメニューを開くには、一度テレビに触れないといけないのは少し面倒だけどね。

 チャンネル一覧を開いてみると、運営オリジナルチャンネルと言うものを見つけた。これは運営が独自に制作した、アニメやバラエティーのチャンネルみたい。バラエティーの中には、各地にあるダンジョンを紹介するものもあって、なかなか面白そうだと思う。


「お待たせ! これ、ビルからお礼だって。迷惑掛けて悪いだなんて、失礼な奴!」


 メールを見て直ぐに来たのか、以外早くやってきたモフラブはツリーハウスに上がって早々、肉の塊を寄越してきた。

 この肉はバッファナイトの肉らしく、ビルが趣味でやっているバッファナイト狩りの戦利品らしい。モフラブが笑顔を浮かべているのを見るに、言葉とは裏腹に二人の仲は良いものなんだろう。


「ありがとう。今度あったらお礼言っとかないとね」


 お礼を言って肉を受け取り、アイテムボックスに入れると今度はこちらの番。メニューを開いてモフラブへ譲渡の申請をする。品は勿論、原初の欠片。とりあえず千個程で良いかな。


「こ、こんなに沢山良いの? た、大変だったでしょ?」


 数の多さにモフラブが少し狼狽えているけど、草原がもふもふで一杯になるのも楽しみだからね。遠慮せずに貰って欲しい。場合によっては土地を広げなきゃだけど。


「ありがとう! どんな子造ろうかな」

「先ずは祭り村だよ。どうせなら、ハイパー合成君手に入れて凄いの造んなきゃ!」


 嬉しさの余りか、顔を綻ばせてどんなんモンスターを造り出すか迷い始めるモフラブを制しながら、テレビを適当なチャンネルにして映しておく。ウォンや相棒はまだ見たそうだからね。

 モフラブも落ち着いたと言うか、ハイパー合成君の為に張り切りだしたので、早速祭り村の家の玄関へ転移。庭の方を見てみると、縁側では先生とアマテラス、イザナミの三人が花火を見ながらのんびりとお酒を飲んでいた。


「ご主人様ものんびりしに来たんですか?」

「うんん、ハイパー合成君目当てにね」


 神様二人の間に座り、それぞれにお酌していた先生の問いに答える。静かに花火を見ながらお酒を飲む三人の姿は、とても絵になるものだと思う。

 それぞれに見送りの言葉を掛けられながら縁日の方へ向かうけど、先生と話した時、動物が居ない所為かモフラブが少し堅くなっていた気がする。抱きやすいクロでも呼び寄せようかな。


『クロ、こっちに転移させるね。あ、喋らなくて結構です』

『にゃー』


 便利だし、と通信を使ってクロに確認を取るけど、イメージの為に喋らないでいてもらった。クロなら可愛い感じで喋る気がするけど、実はワイルドな感じだったらどうしよう。


 あれだけモンスターを出すのはどうのって言ってたモフラブだけど、人から渡されれば大丈夫なのかクロを抱えてご満悦。最初のゲームにとやってきた、射的屋台のおじさんにも無口にならずに話しが出来ていた。


「そっちの嬢ちゃんは、跳弾に気を付けろよ」

「流石にそう何度もだっ!? 痛いよう、なんでだよう」


 またしても額に跳弾が当たるなんて、もう運営が操ってるとしか思えない。三度目が怖いから、射的には絶対近寄らないようにしよう。


 慌ててるモフラブに大丈夫だと落ち着かせ、クロを抱いて痛みを紛らわせながら少し離れた位置で射的を見学。

 その後、無事に射的をクリアしたモフラブにお詫びだと言われて駄菓子を貰い、開けて食べてみたところ、またしてもホームランが出た。おじさんにもう一本貰っておこう。


 お得で嬉しい反面、これがお約束と言うものかと戦慄してしまう。その後はクロをモフラブに預け、スマートボール、フリスビー的当て、型抜きと、三つを立て続けにクリア。後一つ勝てばハイパー合成君だ。


「型抜きは凄い人集りだったわね」

「主にドラゴンメイドだけどね」


 龍の型抜きをクリアすると人型になれる。その事が広まっているのか、型抜きの屋台はドラゴンメイドとその主で一杯だった。ドラゴンメイド用の場所が新設されていたから、遊べないって事はなかったけど、執念の所為か熱気が凄かったよ。


「後は、念動力持ってる?」

「持ってないわ。必要なの?」

「ゴッドテイム石がゲット出来るから、あると便利だよ」


 その言葉を聞いてやる気を出すモフラブを連れ、人の少なそうな広場の隅まで移動する。適当な小石を拾って、ひたすら物を操る練習に励む姿を見ているのも暇だしと、貰ったチョコを食べていたら再びホームランが出た。


 運って分かんないね。


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