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104. 新たな出会い

 ちょっと語尾が特徴的なゴッドグラディウスはアマテラスに預け、転移を使ってフィナが行っているランダムダンジョンの島へ行ってもらった。もしもヨーナが戻って来ちゃったらバレちゃうもんね。


 こんな事をしていると、サプライズっぽくて少しドキドキしてしまう。そんな心を落ち着かせる為にも、お茶でも飲んでのんびりしようか。そう思いイザナミとの憑依を解除した時、階段を下りる足音が聞こえてきた。


「死んだ」


 そんな一言を言いはなったのは、階段を下りてきたヨーナだった。少し疲れた感じのヨーナは、だらんと椅子に腰掛けコーヒーを要求してきた為、テーブルにコーヒーを出しながら、ヨーナの正面に腰掛けて話しを聞く体勢を作る。アマテラスを島に行って貰って助かったよ。


「何があったの?」

「巻き添え食らった」


 ちょっと意味わかんない。コーヒーを飲んで一息着いたのか、ヨーナが話し出したのは何とも言えない気分になるのも分かるものだった。


 先ず、隠し里については見つからなかった。落とし穴があった所は後回しにして、他の先端部分のワープ装置を使ってみても、隠し里がありそうな場所ではなかったみたい。

 そして落とし穴の場所にあった洞窟は、直ぐに行き止まりになっていて、先へ進むことは出来なさそうだった。それで考えたのは、先端って大陸の先端の事ではないんじゃないかって事。


 ヨーナは山が怪しいと思い、洞窟の中で【プロビデンスな目】で探していたところ、何処からか複数の遠吠えが聞こえてきたんだそう。そして痛みを感じ、気がついたら死に戻ったみたい。


「あんなのどう対処しろってんだよ」

「耳栓してれば防げるわよ」


 イザナミの助言にヨーナがテーブルに伏せてしまった。先に言えよなぁ、って呟くヨーナは少し不憫に思う。隠し里は見つかってないけど、あれをあげちゃおうかな。元気を出して欲しいし。


「元気だして、ヨーナ。プレゼントあげるから」

「プレゼントって、あれか! 良いのか!?」


 テーブルから跳ね起きたヨーナの顔は、一目見ただけでも喜びが溢れている。こんな顔が見れるなら、用意して置いて良かったよ。でも、これが曇る事がないよう願いたい。 


 アマテラスを呼び戻し、早速ヨーナとゴッドグラディウスのご対面。ヨーナはその剣の無骨な感じが気に入ってくれたみたい。


「テイムすればヨーナの物だよ」

「よろしくみー、頑張っちゃうひー」

「チェンジで」


 やっぱりと言ったところか、この子の変な語尾にはヨーナも眉間にしわを寄せて面倒臭そう。それでもその特性は強力な物だし、頑張るが口癖みたいだから、根は良い子何だろう。


 そんなアピールポイントを必死に並べ、ヨーナにも納得してもらえた。使い続ければ愛着も湧くだろうし、仲良くしてもらえると嬉しいな。


「名前はゴビンスレイヴにしよう」


 その名前はどうかと思う。テイムしたその剣を持ち、試し斬りがしたいと言いだしたヨーナは、耳栓を要求してきた。

 試し斬りなら鬼ヶ島とか、ハニワンダー道場の方が良いと思うけど、ヨーナ的には二度も死に戻りさせられた相手は許しておけないみたい。


 ついでに隠れ里もよろしく、と瞬時に創った耳栓を渡しながら、本来の目的を忘れないように促す。期待してろよ、って自信満々なヨーナを見送ると、私も本来の目的を果たすべく動き出す。動き出すと言っても、此処から手を伸ばしてテイムするだけなんだけどね。


 師匠達の飲み会に加わろうとするアマテラスとイザナミを横目に、先ずは見付けないと、と視界を飛ばして第五大陸の森の中を隅々まで見て回る。すると、機械型モンスターを相手に元気良く立ち向かっている、目的のモンスターを見つけた。


 早速手を伸ばし、手に持ったゴッドテイム石を押し付けてテイム完了。名前はポコにしよっかな。

 石から出してその可愛らしい黒と、背中側が少し白くなったコントラストを確認して、実際に脇に手を入れ持ち上げてみる。

 さっきまで戦ってたとは思えない程の落ち着けようで、その顔は実際のラーテルよりも可愛くなっている。まるで、ぬいぐるみみたいだ。それにお尻も臭そうじゃない。


「新しい子じゃな!」

「うん、可愛いでしょ」


 私が持つポコに気付いたタツノが、酒を飲む手を止めて近寄ってきた。そして撫でようとしたところで酷く顔を歪め、くっさぁ!? と叫び外へ飛び出していくのを少し吃驚しながら見送る。

 臭い液体を飛ばした様には見えなかったけど、この子は臭いを発するのかな? 機械相手じゃ効かなそうな攻撃だよね、可愛いなぁ。


 同じ動物型モンスター達にも紹介しないと。そう思い、ポコにタツノにあんな事しちゃ駄目だよ、って言い聞かせながら外へ出る。

 そのまま東屋の方に行こうとすると、敷地の端の方でサクラとタツノがしゃがみ、黒猫二匹を囲みながら柵の向こうの誰かと話しているのが見えた。


「何してるの?」

「あぁ、来てしまいましたのね」

「あなたが此処の主ね! 良い趣味してるじゃない、ってラーテル!? いやん可愛すぎ!」


 二人と話していたのは、髪を少し短めのツインテールに纏め、白衣を着た女の子だった。その子の反応を見ると、相当な動物好きだと分かる。

 今はラーテルを見ながら、タツノともふもふ話に花を咲かせているしね。そう言えば、誰かに家の動物が好きな人の話しを聞いた気がする。


「開拓団のモフラブさんですわ。はぁ、タマを放しに来たらこんな事に……」


 少しぐったりしたサクラの説明で思い出した。そうだ、ビルが言ってたのはこの子だったんだね。正直そのモフラブって人より、サクラの片方の耳だけ白い黒猫の方が気になるんだけど。

 黒猫の事を聞いてみると、サクラの用事は【不運】の称号で黒猫が釣れるのかって事だったみたい。あのパフェの所為で取得したのかな? なんか申し訳ないです。


 その結果は見れば明らかで、メイリルを憑依させて適当な島へ転移したら直ぐに駆け寄って来たんだそう。

 そして、タマと名付けたその子を草原に放しに来たら、丁度モンスター達を見に来ていたモフラブさんに捕まってしまったらしい。


「そうだ! ねぇ、私を此処で雇ってくれない? モンスター達の世話は任せて貰って良いわよ!」


 突然の申し出に、ちょっとどうして良いか分からない。はぁ、サクラじゃないけど、ちょっと面倒な事になったかな?


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― 新着の感想 ―
[一言] 人数は余ってるよね 真面目にやる人が居ないだけで(笑) 仕事はティムした子達のご飯の世話?
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