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103. イメージって大事

 こんなプレイヤーは嫌だ。この本は多くのモンスターが持つ、プレイヤーへの不満を元にした漫画なんだよね。

 蹴られたから反撃した、なんて言うちょっと物騒な話から、お菓子くれないから悪戯したなんて可愛いく思えるものまで様々。コミカルに書かれているから結構楽しめるんだよね。


 その中で、ちょっと困ったことも書かれている。狐のあの子がテイムしてくれないとか、狐巫女がテイムしてくれないとか、もふもふ尻尾の巫女がテイムしてくれないとか。頼むから、他のプレイヤー達頑張って!


「いっそ皆テイムしちゃえよ」

「土地なら使い放題ですわよ?」


 共に回し読みしていた二人は軽く言うけど、食料生産も楽じゃないんだよ? 一度ユイナやクイネさんにも太極図で創って貰ったんだけど、合格を貰ったのはクイネさんだけ。ユイナはボロクソ言われて落ち込み、静かに涙を流し始めたから励ますのに少し苦労したっけ。


 そんな訳で、今は料理はクイネさんに、スイーツ関係は私がせっせと量産中。あおいせ食堂国の住人達のこともあるし、ログイン出来ない時のためにも大量の作り置きが必要だからね。


「ところでなんだけどさ、洞窟の探索任せてもいい?」

「私達に死ねと言うのか」

「そこは頑張ろうよ」


 サクラも頷いてるけどさ、マルン三姉妹とリンクしてれば大抵余裕だと思うよ? 攻撃受けないように注意は必要だけどさ。


「何か用事でもありますの?」

「第五大陸にね、私が創ろうと思っていたモンスターが居るみたいなの」


 私が創ろうと思っていたモンスター、それは最強の動物であるラーテルをイメージしたものだ。


 イタチ科の動物で、全長は百センチ程。その最大の特徴は、何にでも襲いかかろうとする怖いもの知らずなところだね。

 背中の方の皮膚は強靭で、ライオンですら傷つけることは出来ないらしいし、何より毒にも耐性がある。そんな能力を持ってるからちょっと気性が荒くなってるのかもだけど、防御全振り的なところがなんか可愛く思えちゃう。


「だから先にテイムしておこうと思うの」

「なら、私も別行動させていただきますわ」


 瞬く間にヨーナの顔が面倒臭そうなものに変わった。きっと、皆一緒だから頑張ろうと思ってたんだろう。


「ヨーナ、これはソロプレイで俺つえーするチャンスだよ!」

「別にそう言うのに興味はねーよ。ただ、そうだな。アオイの用事が済む前に、私が隠し里を見つけたら武器を創ってくれ」


 武器ならミスノに頼めば良いのに。そうおもったけど、ヨーナの求めるのはそんな普通の武器ではなかった。

 ヨーナが求めるのは、自分が装備出来る剣型のモンスターを創ってくれって事だった。大剣ではなく普通の剣で、それも喋るタイプのやつ。


 私じゃそんなのが創れるかどうかは分からないので、イザナミに通信で聞いてみることに。答えは、装備するモンスターを創ることは出来ないけど、持って振ることが出来る剣型のモンスターは大丈夫との事。


 譲渡に関しても、創ったモンスターを欲しい人にテイムしてもらえればそれで良いみたい。


「出来るってさ、装備は無理だけどね。だから攻撃力はモンスターの物に依存だって」

「強力なのを頼む」

「ホントは俺つえー、したいんじゃありませんの?」


 読めた。ヨーナはきっと、自分はそうじゃないのに武器のお陰で強いんです! みたいなのをやりたいんだ。


 お昼も近付き、張り切った様子でログアウトするヨーナを見送った後、サクラと二人でちょっとした意志疎通。


「のんびり用事を済まそうか」

「そうですわね」


 ヨーナの為に、最強の剣を創って上げよう。


 昼食を堪能し、ログインして最初に行うのはやっぱりジープと話す事。どんな喋り方をするのかと、ワクワクしながらあおいせ食堂国に向かい、ジープに話し掛ける。しかし、分かったのはジープが真面目な子だったという事。


「ジープ、元気?」

『めぇー』

「玉子焼き食べる?」

『めぇー』


 何を聞いてもジープが喋る言葉はめぇー、だけ。絶対に自分のキャラを曲げようとはしなかった。うん、翻訳は封印しよう。最悪イメージが崩れるかもしれないしね、ステータスアップが目当てだったんだし、最初がジープで良かったよ。


 さて、翻訳の件も済ませたし先にヨーナの剣を創ってしまおう。用事が終わった人は皆に連絡するよう、ログアウトする前に決めたからね。私の用事は、ヨーナから連絡が来てからでも大丈夫。


 ログハウスに戻り、アマテラスとお茶を飲んでいたイザナミを憑依させていざ製作。


『どんなものを創るのかしら?』

『見た目もシンプル、特性もシンプルな奴かな』


 多分ヨーナは、何の変哲もない物なのに実は強い、って言うのを求めていると思う。見た目、と言うか形はグラディウスで良いかな。肉厚幅広な両刃の剣で、刃渡りは六十センチ程、先端は鋭角。

 そして肝心の特性は、所持者の所持する武器の数だけ能力アップ。そして所持者のステータスもアップとしよう。シンプルこそ強いのです。


 イザナミが出してくれたウィンドウに、作り出すモンスターの概要を入力し、モンスター名を付ける。これはゴッドグラディウスでいいや。

 後は決定を押して、少し待つだけ。どんなAIが搭載されるのかな? ヨーナと相性が良い子だと良いんだけど。


「うふふ、創ってくれてありがとみ! 誰がテイムするかは聞いてるよれ、頑張りますん!」


 語尾に特徴がありすぎるよ。


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― 新着の感想 ―
[一言] これはもう、意地でも、ティムしないで放置する(//∇//) もしくは、ティムする条件に、ご飯は自給自足するって言うのを付ける(笑) 涙する魔物の愚痴が増える(笑) 楽しそう(…
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