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102. 歴史ってなんだろう

 ウキウキでログハウスに戻り、お茶を飲んでいた二人の前に食べかけでごめんねと前置きした上で、お土産だと言ってかき氷カレーを置いてみた。


 テーブルに鎮座した存在感あるそれに、ヨーナとサクラはとても嫌そうな顔をしたけど、そっとスプーンを渡すと物は試しだと思ったのか、受け取ってかき氷をすくい口に運んだ。


「不味い、口直しを要求する」

「あまーいキッスが欲しいですわ」


 美味いと言ったら逆に不安になるところだったよ。でも口直しか、キスを要求されたのなら仕方ない、余り物の鱚の天ぷらでも上げよう。師匠も喜んでくれた自信作なのです。


 処分に困るかき氷カレーは、匂いに釣られてやってきたマオが気に入ったため瞬く間に完食。本人はもっと食べたいらしく、メイリルと共に出掛けていった。ジャンクだけじゃなくてゲテモノもいける口なのかな?


「それで、地図は交換出来たのか?」

「うん、今ある大陸分は交換してきたよ」


 早速地図を取り出し、かわりに天ぷらが乗った皿をしまってテーブルの上に置く。地図と言ってもタブレット型のハイテクなやつだ。最初に交換するとこれが貰え、次からはこのタブレットを更新してくれるようになる。


 早速メニューから第五大陸の地図を表示させ、地図ごとのメニューよりワープ装置の場所を表示させる。すると、タブレット上の縮尺された大陸は無数の光に覆われた。


「多すぎだろ」

「数えるのも面倒だね」

「これ、自力で探し出すんですの?」


 拡大して一部を見てみても、凡そ一キロ間隔で配置されてるみたい。駄目、これ以上は混乱してしまう。数字が私の頭を壊しに来てるよ。


「エードの図書館に、ヒントが隠されていますよ」


 アドバイスをくれたのは、外から帰ってきた先生だった。モンスター達の世話が終わったのかな? スラミのスライム達の世話もしているのか、最近少し大変そう。ジーヌも手伝っているそうだけど、もう少し人材は必要かな? 出来れば真面目な子。


「結局、探すことには変わりないな」

「狭くなっただけましですわ。暇つぶしにもなりますもの」

「実になる本も少ないしね」


 私がそう思ってるだけで、教養本なんかも一杯あるんだけどね。やっぱり漫画が一杯あるといいなって思う、歴史物のやつとか。


「歴史関係のコーナーに紛れていると思いますので、探すのにはそうそう時間は掛からないと思いますよ」


 それが知れれば探しやすいね。先生にお礼を言って早速出発、玄関を抜けエードの広場に出て図書館へ向かう途中、劇場の周りに多くの人が集まっているのが見えた。


「なんか面白い映画でもやんのか?」

「劇場内の空間を弄って、リアル脱出ゲームをやっているそうですわ」


 劇場内の張り紙でのみ、告知されたものだったけど、掲示板内で取り上げられて参加者が増えているらしい。

 クリア報酬で変装、というか仮装出来るような称号が貰えるらしく、明日に迫るハロウィンで盛り上がろうと皆張り切っているみたい。


 でも、明日ってまだ三十日なんだよね。それなのに何で明日がハロウィンかって言うと、三十一日が月曜になっちゃうから。

 それで運営は、何かやるなら日曜だ! って事で、ゲーム内では明日にハロウィンに関するイベントをやるみたい。公式ホームページでこの告知を見た時は、運営も遊びたいんだなって思っちゃった。


「明日はお菓子、一杯作らないとね」

「もちがアップを始めた模様」


 不吉な事言わないでよね、ヨーナ。


 図書館に着いて真っ先に行ったのは、翻訳が出来るようになると言う称号【以心伝心】の取得。ステータスアップの事を聞いて、簡単に取れるものは取っておこうと言う訳だね。


 読まなきゃいけない本が、モンスター観察日記って本だったんだけど、お堅い系かと思いきや四コマ漫画だった。

 モンスターの言葉が解る少年とモンスター達とのほのぼのコメディだけど、出てくるモンスターの中に私が作ろうと思っていたモンスターが登場していた。なんてこった、考え直しかぁ。


 無事称号も手に入れたし、調べ物が終わったら先ずはジープで試してみようかな。あの子が今でも獣の姿をしている中では、一番古参だからね。……、ギャルママだったらどうしよう。


 歴史関係のコーナーの場所は翻訳称号の本の場所を聞いたときに、一緒に聞いておいたから迷うことはない。

 壁際に置かれた、十メートル程の長さの本棚に納められた本の数々。三人で手分けして隠されたヒントを探していると、なかなか面白い本に出会うことがある。大抵漫画で解説されている歴史本なんだけどね。


「あったか?」

「ないー。ギリギリを攻めた、エロ本紛いの物はあったけど」

「歴史はエロで出来ているのですわね」


 それは失礼じゃないかな? いっそ、そのヒントが書かれた本の事を聞いた方が早いかもしれない。そう思い、ヨーナとサクラには捜索を続けてもらっている間に司書役の人に尋ねてみると、あっさりその本のタイトルを教えてもらえた。


「スーパー超常現象って本だって」

「それ歴史か?」


 その突っ込みは司書役の人に言ってあげて。


 教えられた本を見つけ出し、三人で読み込んでみる。すると第五大陸に宇宙からモンスターが襲来し、人々は先端部のワープ装置から続く場所に避難した、と書かれていた。

 これで候補は三つ、いや四つか。罠があったから違うと考えてはいけない気がする。あの洞窟も怪しかったし。


「ここの運営だと、最初の場所が本命だった、なんて普通にありそうだよな」

「そうですわね。先ずはあの洞窟を調べてみましょうか」

「午後からにしない? もう少し此処でのんびりしてこうよ」


 それもそうだな、と二人も納得してくれて、大陸探索は午後からになった。やった! こんなプレイヤーは嫌だって本、続きが結構出てたみたいだから読みたかったんだよね。


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