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100. 第五大陸で初体験

 悲惨なテスト走行、その傷を癒すかのように集中して行った修行。ヨーナはタケミカヅチを目当てに各地で戦闘を繰り返し、サクラは先ずどんな神様が居るのか、イザナミとアマテラスに聞いてから旅に出て行った。

 そんな中、私は高天原での称号取得の修行を終えログハウスや他の島、あおいせ食堂国へ顔を出したりと悠々自適な生活を繰り返す日々。そうして、遂に迎えたのです!


「やっと大陸追加だね」

「そんな事よりタケミカヅチが居ない」

「そろそろ諦めたらどうですの?」


 ログハウスの私の部屋で、Tシャツにハーフパンツというラフな格好をしたヨーナは、ベッドにうつ伏せになりぐでーっとリラックス状態。その背中にはシンラが邪魔だと言わんばかりの勢いで飛び跳ねている。なんとなく気持ちよさそう。


 なんでそんな格好をしてるかと言えば、防具セットに登録したから。きっと私服を登録するのは私達だけじゃないはず。サクラは旅館とかにあるような浴衣姿だし、私なんてちゃんとした巫女服だ。ちょっと気に入りだしたんだよね。 


「アマテラスに聞いたけど、まだテイムされてないって」

「アポとって」

「そこは頑張りなさいな」


 ヨーナのやる気は、きっと深海を通り越してブラジルまで行っちゃったんだろう。それだと逆に浮上してそうだけど。

 

「サクラって、スラミとムラマサと一緒に行動してたよね? 三人はどうだったの?」

「ムラマサさんはテイム出来ましたわ」


 スラミがまだテイム出来てないって事か、ヨーナみたいに狙っている神様でもいるのかな? スラミの事だし、スライムに関する奴だと思うけどね。


「それで、サクラの神様は何処にいるの?」

「下で師匠達とお酒を飲んでいますわ」


 お酒好きな神様なのかな? 大陸に行く際にちらっと顔を見ておこっかな、犠牲者がいないか心配だし。

 そうだ、今は新しい大陸の話しをしようと集まったんだっけ。ヨーナのあまりのぐでっぷりに話が逸れちゃったよ。

 他の皆は用事があるらしく、今回新しい大陸に行くのは私達三人だけ。今の話しを聞いた限りじゃ、スラミは神様探しを続けているんだろうね。


「そういや、トヤマさんはどうしたんだ? リビングにも居なかったよな?」

「新しいポーションを作るそうですわね。朝早くにクイネさんと出掛けていきましたわ」


 サクラは早めにログインしたため、出かける前のトヤマさんに会ったみたい。探索に誘ったけど断られたそうだ。トヤマさんもエルフの村で称号を貰ったみたいだし、先ずは色々と試したいのかな?


「果たして私達に役立つ日は来るのか」

「一人旅で散々使いまくった人が言う台詞?」


 ホント、太極図やモンスター達のお陰だよね。


 さて、そろそろ話題を戻そうか。第五大陸のコンセプトは失われた機械文明、大陸中にあるワープ装置を使って探索するって物だけど、出てくるモンスターも癖のある奴らみたい。


「戦闘モードの切り替えが可能、ねぇ。本気でターン制を導入してきたぞ」


 追加された戦闘モードはクラシックモード。モンスターの攻撃をターン終了として、毎ターン三ポイント与えられるバトルポイントを消費して攻撃すると言うもの。

 最後に一ポイント消費して防御体勢をとるとモンスターのターンで防御力が上がるみたいだけど、棒立ちになることはなく回避する事も出来るから、安全策みたいな物だよね。


「やる?」

「やりませんわ」

「やりたきゃ、ゲーセンEX行けばいい」


 運営の情熱は私達には届かないみたい。


「それよりさ、ネットでゲーム機と繋げられるようになったのは良いよな。小豆が小躍りしてたし」

「もしかして、サクラってその為に早くログインしたの?」

「ええ、メンテナンスが始まる前に小豆に頼まれたんですわ。トヤマさんもそうだった筈ですわね」 


 地味に追加された機能は、所持しているゲーム機とネットを介して繋げることで、ダウンロードしてあるゲームが遊べるというもの。

 確かにこの中で一番ゲームを持っているのはサクラとトヤマさんだし、二人に頼むのは当然なんだけどちょっと寂しい。私も小豆に頼られたいなぁ。


「それじゃ、行こっか」

「集まった割に早かったな」

「尻尾びたんびたん動かして、そんなに楽しみなんですのね」


 違うよ、勝手に動いてるだけだもん。


 装備を何時もの物に戻してリビングに下り、一升瓶を咥えながら酒を飲む白い蛇に驚きながらも転移した第五大陸。第二大陸の下の方に現れたそこは、一見木々が生い茂る自然豊かな所。でも所々にある朽ちたロボットを見ると、普通の大陸ではないという事が窺える。


 そんな大陸の、ニーネーゼに近い先端部分の海岸に転移した私達は、目の前にある物に少し疑い深くなってしまう。


「これ、ワープ装置だよね?」


 森の前に置かれた、機械で出来た台座のような物。見た目的にはアイスを盛る器っぽいかな? くびれがあるガラスのやつ。これに乗れば特定の場所にワープ出来るみたいだけど、流石にこんなに所にあると怪しすぎる。


「罠か?」

「そういう誘導かもしれませんわよ」


 この装置自体に罠がないのは【プロビデンスな目】で判別できる。でもワープした先に何があるかは、分からないんだよね。視界を飛ばしたって何処に転移されるか分かんないと意味ないし、試してみて引っ掛かったら洒落になんないよ。


「とりあえず、森を進んでみるか」


 そう言って、一人森へ向かって歩き出すヨーナを追いかけて森へ入ると、一体のモンスターと遭遇した。オオカミみたいなフォルムだけど、見ただけでも機械だと分かるメカメカしい外見。


 称号で見てみると、名前はショックウルフ。そいつは開戦の合図だとばかりに遠吠えを上げ、急に襲いかかる痛みに私達は動きを止めてしまった。


 ショックウルフの攻撃の矛先は、先頭を歩いていたヨーナ。鋭い爪による攻撃を浴びたけど、ダメージは食らってないみたい。称号の効果で無効にしたのかな? こんな時でも発動できるって凄い。 

 

 正直、ヨーナが壁役になるとは思わなかったけどそのお陰で余裕は出来たよ。今まで特に気にしていなかったけど、視界の隅にあるHPバーを確認してみると半分に減っていた。

 確実に難易度を上げてきている運営には文句を言いたいけど、ある意味ゲームでは当たり前なのかな? 立ち直ったサクラが魔法のビームを当てたのに反応して、転移で近付き刀を一振り。


「意外に弱いのな」

「特殊能力に全振りなのかな?」

「アオイさんの攻撃だから、って訳ではありませんの?」

「特に力を込めた訳じゃないよ」


 サクラは【コスモパワー】の効果を、相手の特性に左右されないって方にしてないからかもね。


 先ずはポーションで回復して、一度海岸に戻ろうかな。いきなりポーションが活躍するとは思わなかったけど、無条件にダメージ与えられるのは怖いし、あのワープ装置を使うことも考えようかな。


「この大陸の探索は空飛ぶ島を活用するとして、試しにワープ装置を使ってみるか」

「そうですわね。移動するのに空を使えば、必要ない物かもしれませんものね」


 折角の仕様をお試し感覚っていうのも、運営には申し訳ないかもだけど私達に根性なんて求めないで欲しい。


 運営のお知らせメールには、ワープ装置は乗り込んで表示されるウィンドウを操作する事でワープ出来ると書いてある。

 ワープ装置の大きさは遊園地のコーヒーカップ位かな? 三人なら十分入る大きさだけど、何が起こるか分からないし、とりあえず身を寄せ合っておこうかな。


「生きてたらさ、隠し里探そうぜ」


 勝手にフラグみたいなのを立てないで欲しい。


 ワープしたのは森の中にある岩山の麓。洞窟のように穴が空いている所があるから、もしかしたらダンジョンかもしれない。

 でもまだ安全とは言えないんだよね、きっとここからが本番。だって、ワープした場所の周り、あからさまに土の色が変わってるもん。


「一斉に行くぞ?」


 ヨーナはあえて色が変わった所に着地する事を決めたみたい。称号でも罠があるってはっきり分かっているんだけど、実はそこが無事ってパターンがあるからね。そこまで分かるようになれば、より便利だと思うのに。

 

「せーの!」


 私を挟むように縁に並び、一斉に色が変わっている所へジャンプ。そして着地した瞬間に感じる浮遊感、引っ掛けなんて事はなかったね。


「うん、分かってた」


 気付いた時には、既にさっきまで居たはずの部屋だった。やっぱり運営が回りくどい事するはずないよね。正直、初めての死に戻りが落とし穴っていうのは締まらないけど、モンスターにやられるよりは悔しくない。きっとそう。


 ベッドに座り、ごろごろしていたシンラをそっと抱きしめ一時の癒やしを求める。あぁ、鳴かずに尻尾でポンポンしてくれるシンラが優しい。


 はぁ、あの大陸って罠ばっかりなのかな?

  

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