一話~無人島~
目が覚める。見慣れない白い天井だ。起き上がる。壁には仙人のような人物が描かれている。
辺りを見渡しても何もない。あるのは自分が寝ていたベッドのみだ。
「誰かーいますかー?」大きな声で言う。
すると何もないところから黒い粒子のようなものが一点に集まる。誰かがでてくる。ぱっと見お爺さんだ。待ち侘びたような顔をしている。ヒゲが長い。シワが多いくせに、ピンと立っている。杖のようなものを持っていて、まるでアニメにでてくる神だ。
「ようやく起きたかの。まったく人間はあのようなことで気絶しよって。」まるで自分が神のような言い方でいう。
「は?ここは!?夢の中!?それとも俺死んだ!!?もしかして友達のいたずら!?」パニック状態になっていて様々な思考が頭の中で飛び交っている。
「ったくうるさいの。ここは仙人の部屋じゃ。御主は死んだ。まあ正確には殺したんじゃがな。唐突じゃが無人島生活をせい。週一で欲しいものはなんでも一つやる。まあ安心せい。お前と同じやつが他にもいる。無人島は...そうじゃなぁ貴様らの世界でいうとディズニーランド5.5個くらいの広さじゃな。それではいってらー」笑顔でいう。まるでガチャで1%くらいの大物を引き当てた顔だ。
「えぇ!?ちょっ、まっ!」
電が言い終わる直前にそこはもう砂浜だった。
また、あの黒い粒子が集まる。またあのじいさんだ。
「あぁ。忘れておった。欲しいものは?今週分じゃ。」
「え!?あぁーんんーそうだ!一週間分の食料!」突然いわれ、考える時間がなかった。
「ほいほい。せいっ!!!」掛け声と同時に砂浜に卵、鶏肉などがつまった袋が現れる。
「よし。じゃあ来週まで頑張るんじゃな」
「えっ!あっうん...」電は諦めた顔をし下を向いた。
「(はぁ...なんでこんなことに...まあいいかやるだけやってみるか)」