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榛名対ビスマルク(その6.3)

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 4月1日午前11時55分、チェックポイント地点を榛名はるな・ヴァルキリーが通過するのが確認された。


 チェックポイント地点は草加駅近くのデパートであり、次に通過する際はゴール地点にもなる。


『榛名選手が通過してから10秒経過した段階で3名が通過しております。しかし、情報の入っているリタイヤしたメンバーは4人――それ程の大差をつけている事でしょうか』


 実況担当の太田さんも驚く榛名の独走、リタイヤしたのは1周目で発生した衝突事故の1名、中間地点の1名、黒服提督が撃破したと思われる2名か。


 しかし、これは太田さんに情報が届いた分であり、運営が確認中と言う物もあるかもしれない。そして、太田さんのパソコンに情報が入ってきた。


『先ほどのアクシデントでリタイヤした2名ですが――ガジェットを調査した結果、巧妙に仕込まれていたチートが発覚し、ライセンス凍結が言い渡された模様です』


 まさかの展開だった。何と、黒服提督が撃破していたのが一般参加者ではなくチートプレイヤーだったのだ。



 同刻、ビスマルクが既に走り去った後の該当エリア、そこではある種の粒子が確認された事が調査で分かった。


 この粒子が黒服提督を実体化させていた事も調査で判明したが、なぜこのような事をしたのかは分かっていない。


「榛名の言いたかった定義――そう言う事か」


 八郎丸はちろうまる提督を探っていた神埼かんざきハルは、私服の状態でこの場所へと駆けつけてきた。


 事情は色々とあるのだが、偽物提督やエクスシアを追跡していたのも理由の一つだ。


「桶は桶屋――榛名が言いたいのは、そこだろう。素人判断での行動は、時にありがた迷惑になる事がある」


 神埼の背後から現れたのは、着物姿の柏原隼鷹かしはら・じゅんようである。彼の方も別の調査をしていく内に、ある事実を発見した。


「ありがた迷惑と言うと――」


「メシウマ勢やネット炎上勢が好む部類のありがた迷惑と言うと――考えたくはないが、そのカテゴリーだろう」


「それですか。自分も、そのカテゴリーだけは触れたくありませんが――状況が状況だけに」


「善意の物資として送ったつもりが、思わぬ所で邪魔となってしまう。それを悪用し、超有名アイドルが――?」


 何気ない会話の途中で、柏原はある事実に気が付いた。超有名アイドルのプロデューサーばかりに目が行くような状況だが、本来の黒幕は別にいるのではないか、と。


 その黒幕が八郎丸と言う名前を利用し、さまざまな超展開を生み出したとしたら――?


「もしかすると、ARゲームを巡る一件――何か別の見落としがあるのかもしれない」


 柏原は今まで集めた資料ファイルを検索し、特定のワードに引っ掛かった物だけをピックアップ、そこから更にある画像を集めていた。


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