油断大敵
2023/08/17…全体的に修正
マリオンは走っていた。
地面には水が張り滑りやすく、また平坦でもない。普段なら絶対に走りたくない場所をマリオンは必死に駆け回る。
理由は一つ。肩越しに振り返れば、興奮したデカいモンスターが追いかけてくるからだ。
「イェーナ! オーガがいること知ってたんだったら先に言ってよ!」
「いやー人生サプライズも必要じゃん?」
「サプライズ過ぎるでしょッ!?」
エリアの端で大剣を構えているイェーナに向かって文句を言う。だが、始まってしまったことはしょうがない。
マリオンは走りながら愛用のウエストバッグに手を突っ込み、目当ての物を探し出した。そしてソレを少し前の地面に投げつける。
地面に接したそれは一気に展開した。現れたのは麻痺罠。その名の通り―麻痺―の魔術が記されている罠系魔道具だ。
追いかけてくるオーガを引っかけるためマリオンはそのまま走り、直前で地面を踏み切った。本来は狩りなどで使うモノなので効果範囲は広いが、直接触れなけば問題ない。マリオンのように跳び越えられれば、戦闘時の足止めにもピッタリだ。
罠が仕掛けられたことに気付いていないオーガは、いとも簡単にそれを踏み抜いた。
「『―雷属性付与―』」
マリオンは振り返り、電撃を纏わせた銃弾をオーガに叩き込んだ。ちなみに雷系は風属性の魔術に準じているのでマリオンには使いやすい。
高威力な雷は一般人なら一撃で倒れ伏す攻撃だ。しかし相手はヒトより強靭な身体を持つモンスター。倒し切るには至らない。
「上等! いくぜ“ヤソマガツヒ”ッ!!」
イェーナは己の大剣に語りかけた。その声に呼応するように、その剣は存在感を増す。
最大限まで緊張が高まったとき、イェーナと大剣はまるで一体の獣のようにオーガに襲い掛かった。大剣はオーガの頭蓋骨を砕きながら地面をも抉る。脳漿と血、それらをまき散らしたオーガはそのまま崩れ落ちた。
「……さすが“九十九の民”。相変わらずすごいね」
世界には“九十九の民”という物と意志の疎通ができる一族がいる。物と心を交わし、彼らの能力を最大限に引き出すのだ。代わりに魔力は全く持たないが、それを補えるほどの力を有している。
イェーナはその民の一人。マリオンとは逆に純物理攻撃に特化している。
「囮お疲れさん! 思ったより食いついてくれてよかったよ」
血などを払い飛ばしながら大剣を担いだイェーナは、全く邪気のない笑顔でマリオンを労った。だがそれに喜ぶほどマリオンはお気楽ではない。
「囮ってことは、嵌めた?」
「オーガっつたら柔らかい処女の肉だろ? 適任がいるのに使わないなんて宝の持ち腐れじゃねえか。それが役に立つなんてこいつか、変態一角獣ぐらいだぜ」
「それならイェーナだって」
「あいにくお好みじゃなかったようだな。それに筋肉と脂肪は違ぇぞ?」
「ひやっ!?」
イェーナはぐりぐりとマリオンの胸やらなんやらを揉む。「柔らけぇな」と変態チックな感想付きだ。
「やっぱあの坊ちゃんにくれるのは勿体ないな」
「ぎ、ギルバートがどうしたの?」
ギルバートの実家はかなり良いところなのでイェーナは彼のことを「坊ちゃん」と言っている。どれほど良いのかというと、この国のかつての王家の次ぐらいだ。今は共和国制となったので象徴としてであるが、それでも国のトップツーの家系といっても過言ではない。
「わかってるくせに。てかそろそろどうにかしろ。飽きたから」
飽きっぽいイェーナの言葉は置いといて、彼女の腕から逃げ出したマリオンはオーガの死体に近付いた。今日も今日とて素材回収、の気でいた。しかし近くで悲惨な頭部を直視して、その意欲は削がれた。もともとオーガはマリオン的にあまり良い素材を持っていない。爪やどこそこは怪しいびの付く薬になるらしいが、個人的にそんな物は飲みたくない。
「剥ぎ取んなくていいのか? んじゃ帰るか」
「うん、そうだね」
「オンナノ、ニオイ」
「イイニオイ!」
二人の会話によくわからない声が混じった。
「……何か言ったイェーナ?」
「アンタこそ何か言ったか?」
「オレ、コッチ!」
「オレ、ソッチ!」
「……」
二人は振り返った。
そこには先ほど倒したオーガに似た奴らがいる。
「ゴブリンを一匹見たら三十匹はいると思えって、本当だね」
「オーガだがな」
認識したときにはもう遅い。精力絶倫なオーガたちはマリオンたちをそれぞれ囲い込み、彼女たちは分断されてしまう。
「圧倒的に私の方が多いんだけど……」
「当たり前だろ。むしろこっちに来る方が珍しいんだよっと」
早速イェーナは大剣で一体目を切り伏せた。彼女の元に行くのはMなのか。隙のない構えにも臆することなく、イェーナに玉砕していく。それを軽く躱すと、回転の勢いを利用してそのオーガに刃を食い込ませる。鮮血と肉塊が舞ったときには、もうすでにイェーナはいない。気付く頃には違う場所で、違うオーガが次の赤い華を散らしていた。
イェーナの動きはさすが職業戦士というべきか速い。しかし対峙している敵の数が多く、マリオンへの援護は今のところ難しいだろう。
そんなことを考えているうちにマリオンを包囲する輪はじりじりと狭まっていく。Mがイェーナの方に行ったとすれば、残るはSか。事実オーガはマリオンを弄ぶように近づいてくる。
装甲値ゼロに近いマリオンへ接近戦を挑むなんて、勝ちでしかない。距離を取ろうにも周りは隙間なく固められ、移動速度と回避能力の高さを自負している自分でも抜けられる気がしなかった。上に跳ぶという方法もあるが脆い鍾乳洞の中、十分に足場を確保できず、十中八九捕まるだろう。
「『―加そ――」
自由に動けない空中にいるよりは地上で逃げ回る方が良いと判断し、そのための魔術をかけようとした。しかしそれは妨害される。マリオンを掴もうと突き出された剛腕をすれすれで避けた。風圧が重い。
よろめく身体を無詠唱で発動させた―追い風―で支え、攻撃してきたオーガへ銃弾を発した。弾丸は顔面を捉える。だが前かけた―雷属性付与―の効力はすでに消え失せていた。素弾となったそれだけでは大したダメージも与えられない。
「っ、『風十二位の付、更なる風の加護―強風属性付与―』『―物質増殖―』!」
いつもより上位の付与魔術を付与し、数が増殖した弾はオーガの頭を吹き飛ばした。
しかしまだ一体目。周りはオーガの壁だ。
マリオンは銃に意識的に魔力を送る。普段は魔石が勝手に吸い取っていくのだが、意図的にやれば弾丸生産数は魔術で補強しなくても同量、いや、それ以上の数となる。使い過ぎれば魔力が不安定になり、身体能力が落ちて酷い倦怠感に襲われるのだが、貞操の危機を感じている今のマリオンに、一匹ずつ倒すという余裕はなかった。
「……『―限定解除―』!」
右足を軸に回転しながら引金を引く。銃口から放たれる弾丸が辺りを一掃した。防塵ゴーグルをしている暇もなかったので、マリオンは舞い上がった水と岩の欠片に思わず目を閉じた。
魔術の効果時間いっぱいに銃弾を打ち続ける。魔力の濁流が収まると共に、マリオンを囲んでいたオーガたちの気配は消えた。
「はぁはぁ…………終わった?」
少しして目を開け辺りを見回す。見えるのはボロボロになった空間と散り散りになったオーガのみ。イェーナはすでに自分の分を終えていたらしく、遠くの岩陰に隠れていた。
今にも崩れ落ちそうな身体に鞭打って、マリオンはイェーナの元へ向かおうとした。そう、した。
マリオンの身体が宙に浮く。それは魔術を使ってふわふわ浮くような感じではなく、ひょいっと首元を掴まれた感じだ。締まる襟元から気道を確保しながら、マリオンは自分の状態を確認する。
まあしなくてもすぐわかる。掴まれたままオーガさんと対面した。とっても嬉しそうな彼は今までいたオーガよりも一回り大きく、それでいて頭も少しはいいようだ。
「ちょ、イェーナ助けて!?」
魔導銃は魔力超過を起こし撃てない。マリオン自身も急激な魔力消費による疲労のせいで上手く魔力を練れなく、魔術は扱えない。そういう理由でイェーナの助けを求めたのだが、何ということか、彼女は違う方向を向いている。肩が盛大に震えているのは笑っているからだろう。
「ひ、人の窮地を笑うとか」
わなわなとしていると、マリオンの視線に気づいたイェーナが笑いながらある方向を指差す。なんとか視線を動かせば、最の悪。
「『炎十三位の攻、焼き尽くせ―地獄の業火』!!」
大柄なオーガは一瞬で焔に飲み込まれた。ついでにマリオンも巻き込まれた。と思ったが、丁寧に魔術効果の範囲指定をされているので、業炎はマリオンには延焼してこない。さらに丁寧に威力増加もしてある。一瞬で地面に溜まっていた水が蒸発し、現れた地面が焦がされていく。
しかしこれでオーガの手が緩んだ。せめてオーガの手からは逃げ出そうと身じろぎするがそれはできない。熱さに耐えかねたオーガがマリオンを投げ飛ばしたからだ。
人の何倍もある腕から繰り出される剛速球。その行きつく先は地獄か、地獄か。
無の境地で流れに身を任せていると、何かが背中に当たった。それに優しく抱き止められ、逝き先であった壁に着地する。―壁歩き―の魔術のおかげで垂直でも平気だ。
地面と空気を焦がしていた炎はいつの間にか消えている。
「大丈夫か、マリオン?」
「……ありがとう。でも熱い」
高温の火のそばにいれば着火しなくとも危険だ。そのことを伝えたかったのだが魔術の使用者、ギルバートは「カネツサッキン」という謎の言葉を発した。
「遅かったじゃねぇか坊ちゃん。あと少しでマリオンが頂かれるところだったぞ?」
「貴様はッ! 人を勝手に囮にするな」
満面の笑みで茶化しを入れるイェーナに、ギルバートは至極真っ当な反論した。もっともイェーナにとってはどこ吹く風で実に楽しそうだ。
「怒られる筋合いはねえと思うぜ。そーやって抱っこできたんだからな」
マリオンを抱えたまま地面に降りたギルバートにニヤニヤ顔のイェーナは言った。彼女の言う抱き方とは、そう、お姫様抱っこ。
「……自分で歩ける」
「……まだ魔力が不安定だ。歩くどころか立てもしないだろ」
非常に二人は気まずい。
マリオンは早く彼から離れたい。しかしギルバートの言う通り一人だと立てない。それに倦怠感のせいでこの状態でいるのが楽だし、落ち着く。
ギルバートも反射的に「駄目だ」と反論してしまったため、いまさら下ろすことはできない。さらにヘタレな彼は緊急時といえどマリオンをこのように抱いてしまったことに酷く緊張していた。簡単に言えば、手が離せない。
「みんな~、大丈夫……あれ?」
「……邪魔した」
「まあ! 式には呼んで下さいね!」
イェーナの笑い声を抜いて沈黙を破ったのは、文字通り飛んでやって来たネスターたちだった。”精霊の愛し子”という珍しい力を持つネスターが、風ノ精霊の力を借り飛んできたのだろう。
勝手なことを言い盛り上がる友人たちをなんとか無視し、ギルバートはこのメンバー内で唯一回復魔術を使えるミレディにマリオンを託す。彼らのおかげで若干緊張はほぐれていた。
「魔力が不安定だから、流れを元に戻す魔術を頼む。適度をわきまえずに―限定解除―してぶっ倒れた」
「倒れてはないよ。ふらついただけだし。それに勘的に大丈夫だった」
「勘でするな! ああいうのはちゃんと魔力量、体調、対象物の容量もろもろを計算してから送る量を決めてするものだ」
「基本目分量の私が、そんな難しくて面倒なことできるわけないでしょ!」
「初等科で習う内容だぞ!? 魔力がバカみたいにあるからといって際限なしに使ってると足元取られる! もう一度勉強し直せ」
「やだ。もう勉強はしたくない!」
ミレディは手早く回復魔術を使いマリオンの魔力の流れを整え、痴話喧嘩を始めた二人から離れた。
「どうして、あんなに仲がよろしいのに恋人にはならないのでしょうか?」
「それは決まってんだろミレディ。坊ちゃんがヘタレで、マリオンが変に意地張ってるからだ」
「……どちらかが変わればすぐ落ちる」
「外堀はもう埋まってるのにね~。むしろ平地を通り越して山になってるよ?」
四人は仲良く喧嘩するマリオンとギルバートを遠巻きに見守っていた。
しかし、一向に終わりそうにない。十分が経過した時点でネスターが呟いた。
「お腹減ったし、帰ろうか」
「いいなそれ。待ってんのも飽きたし。帰って酒盛りしようぜ」
「そうですね。あ、わたくしおつまみ作ってきましたよ」
ネスターとイェーナは鍾乳洞の入り口へと戻って行く。それに続きミレディが小走りで後に続く。
「……先帰るけど、ちゃんと帰って来いよ?」
ユウだけが残された二人に声をかけた。しかしその二人よりもミレディの方が大事なため、それ以上待つ気はなく彼女を追った。
「え、ちょっと、みんな待ってよ!」
「マリオン! まだ話の途中だ」
「そんなの歩きながらでいい」
一足先に我へと返ったマリオンが今の状況に気付き、皆を追い走り始めた。ワンテンポ遅れたギルバートもマリオンへの説教を続けながら追いかけて来る。
「『そんなの』扱いする内容じゃない。それに歩きながらだと百パーセント聞き流すだろ」
「結局は勉強しろでしょ? 私は、絶対、学院で、勉強は、し直さない!」
「別に学院じゃなくてもいいだろ。お前の家には魔導書がごまんとあるんだから。それの基礎編でも読めばいい。わからなかったら俺が教える!」
教師としての誇りとして発した言葉は、ほかの者たちには違うニュアンスを持って届いたようだった。
「坊ちゃんも少しは成長したな」
「職業を引き合いに出すなんてね」
「勉強会という名の密会ですね」
「……それは少し違うと思う」
前方で繰り広げられる会話を「何言ってんだあいつら?」という表情で見ているギルバードに、マリオンは「バカ」と呟いた。彼は意識していないところで墓穴を掘る。
おしゃべりの止まらない前の四人と、隣の人間に説教を続ける一人と、耳を塞ぐ一人。十数分歩いて鍾乳洞の入り口となる井戸に戻ってきた。
空にはすでに満月が浮かび、その光は井戸の底まで照らしている。
「今日はいい月見酒ができるじゃねえか」
イェーナが腕輪型の収納用魔導具から酒を取り出し呷った。旨そうに酒を呑むイェーナを見て、マリオンの腹がぐぅとなる。当たり前だ。オーガから逃げ回り、身体を酷使する―限定解除―を使ったのだから一番疲れている。
「やる」
「そ、それはあんこく堂の葉っぱ餅!」
腹が減って少し元気をなくしたマリオンに、ギルバートは東菓子屋の箱を渡した。形が崩れていない箱を見ると、彼も収納用魔導具か―異空間収納―の魔術でこれをしまっていたのだろう。
くれるというのならありがたくもらうマリオンは、あんこく堂葉っぱ餅を丁寧に受け取った。甘いあんこと香しい葉っぱが織り成すハーモニーは、一瞬でマリオンを虜にした。
「やっぱりおいしい」
「一つもらうぞ」
「僕も~」
「わたくしも頂きます」
「……もらう」
気付けば井戸のある広場で宴会が始まっていた。幸いにも月明かりの中で、酒とつまみと菓子がある。
仲の良い六人組は夜遅くまで騒いだ。帰った理由は近所迷惑だからと衛兵の方々に注意されたから。
それでも帰ったのは明日も朝早くから子供たちの世話をしなくてはならないユウとミレディだけで、あとの四人はマリオンの家で飲み直していた。
「いやおかしいだろ! 俺だって明日仕事あるんだぞ!?」
「さあさあ飲みな! 酔いつぶれたらそこで寝てるマリオンと同じ寝床にぶっこんどくから」
「もしなんなら僕たち家に帰るよ」
「……二人揃って同じようこと考えるんだなお前たち!」
家に帰って来た時点で相当酔っていたマリオンは、すでに大型でふかふかなソファで寝ている。ほかの三人が危ない話をしているというのに、すやすやと暢気な寝顔だ。
ギルバートはそんなマリオンを守るため防毒魔術を使いながら懸命に二人の酒に抵抗し、そして勝利を勝ち取った。
そんな彼に、負けたイェーナとネスターは最大の讃称を贈る。
――――『ヘタレキング』と。
***
朝。
「ふぁ、良く寝た」
「……起きたか。おはよう」
「ギル……もしかして朝まで飲んでた?」
もぞもぞとソファから起き出したマリオンは、ぼぅっとした表情で首を傾げた。いつもならシャキッと起きられるマリオンであるが、昨日は飲み過ぎて、まだお酒が抜けきっていなかった。そんな態度も無防備、服装も乱れたマリオンから若干目を反らしながら、ギルバートは彼女に水の入ったグラスを渡した。
「ああ。イェーナが風呂を借りてる。ネスターは散歩に行った」
「そっか。……ギル大丈夫? すごく顔色悪いけど」
渡された水をコクコク飲む。よく冷えた水は美味しかったが、それよりもグラスを持ってきたギルバートの方が気になる。
「少し魔力を使い過ぎただけだ」
「―魔力供給―でもかけようか? 少しは気分良くなるよ」
「……頼む」
ギルバートの魔力量は平均より少ない。そのため普段は細かな術式計算・精密な魔力制御をして魔術を使っていて体調を崩すことはほとんどないのだが、きっとマリオンが寝ている間にイェーナとネスターと何かしていたのだろう。
寝ぼけ眼で自身の魔力を与える―魔力共有―の魔術を使う。―魔力共有―とは違い、この魔術が魔力を直接分け与える。場合によっては拒否反応も起こるのだが、ギルバートは大丈夫だったようで、いくらか顔に色が戻った。
体調も良くなったようで、ギルバートは「ありがとう」と安堵したように頬を緩めた。それにマリオンもふふんと胸を張る。
「ああ、もうこんな時間か。今出れば学院でシャワー借りてからでも職員会議に間に合うな」
「教師って大変だね」
そんなことを言いながら、マリオンは学院に出勤するギルバートを玄関先で見送ったり、ネクタイが微妙に曲がっていたので直したりもした。
その様子をたまたま見た近所の奥さんがどんなことを思い、噂するかを彼女たちは知らない。知っているのは物陰に隠れて様子を伺うイェーナとネスターのみ。