出会い 校内写生大会《2》
そして時間は過ぎ、お昼休憩となった。
「お、来たぜ。」
「えへへ。羽那ちゃん絵進んでる?」
「私あと1時間もあれば完成できそうやよ。」
とはいえ羽那は半分も進んでいない。
「ねぇ、弁当食べようよ。」
そこに菜々子が口を開いた。
「そうやね、私もうおなかペコペコ。菜々ちゃんもどうぞ。」
「今片づけるね。」
散らかしっぱなしのレジャーシートを片づけ、
3人が座ってお弁当を食べられるようにした。
「そういえば菜々子、菜々ちゃんとしゃべったことないかも。」
菜々子が話し出した。
「菜々も菜々子ちゃんとしゃべったことないわ。」
「・・・どっちとも仲いいのは私だけみたいやね。」
「だって羽那部活一緒じゃん。」
「朝練の時だよね、仲良くなったの。」
菜々ちゃんの方に視線を変えて言う。
「うん。たまたま隣にいたんだよね。」
菜々子はふ~んとしか言わなかった。
そこにいったん沈黙が流れたが
すぐに羽那が話し出す。
「そういえば、菜々ちゃんも「嵐」好きって言ってたよね?」
「え?嵐好きなん?!!!」
菜々子が即答した。
「うん。菜々「嵐」大好き。」
嵐はこの頃流行っていた男性5人のアイドルグループ。
羽那は特に興味がなかった。
「えぇっ!マジで?!嵐誰が好き?」
菜々子は興味津々。菜々ちゃんはその質問ににこにこで答える。
「櫻井くん。」
「櫻井くんね、めっちゃかっこいいよね!!」
「そう?私は全然そうは思わないけどね。」
そこに菜々子がすぐにつっこむ。
「羽那はV6でしょ。」
一昔前にはやったアイドル。
しかし、この時代のトップは嵐だった。
でも羽那はV6が一番と言い張った。
「だってかっこいいもん。」
「えー、絶対嵐だよ。」
菜々子と羽那はこんな会話がほとんど。
「アハハハハ・・・・」
その後、私達は絵をかくのが飽きるたびにお互いのところへ遊びに行った。
なんども・・・
なんども・・・
なんども・・・