一話 状況確認
一話です。なんか書き方が安定しない。
さて、現実逃避はここまでにして状況を確認するか。
まずは持ち物だな。ケータイ、財布…以上。
次にこの場所だな。
上、石造りの天井。
下、よく分からないが魔法陣ってやつか。
右、
「ここには、私と兄さんのことを兄妹だと知ってる人も、邪魔する人もいない。…つまり私と兄さんは結ばれる運命なんだわ!」
……トリップしてる妹が一人。
左、大勢の兵士。
後ろ、大勢の兵士。
前、大勢の兵士。
俺に…どうしろと?
なんて、どうしようか考えていると、大勢の兵士の中から一人のドレスを着た女の子が出てきた。髪は綺麗な銀髪で背中らへんまである。瞳の色は赤く、目鼻立ちはとても整っているが、表情の変化が乏しいのか無表情だ。しかし将来美人になるのは間違いないと思う。
が今は幼女だった。完璧なまでに幼女だった。
「えっと、ここは何処かな?」
「…ここは、ヴァーシュタイン城」
幼女に聞いてみたが、聞いたことの無い場所だ。やはり遥が言っていた通りここは異世界なんだろう。
しかし俺たちも、何処ぞの小説みたいに魔王退治でもやらされるのか?
なんてことを考えていると
「兄さん、今は考えても分からないよ。とりあえずあの子に話聞いてみようよ」
「…そうだな」
いつの間にか復活した遥にナチュラルに心を読まれながらも、いつものことなのでスルーして、幼女に聞く。
「ヴァーシュタイン城って聞いたこと無いんだけど?」
「…当然。ここは、あなたたちとは違う世界。…そしてあなたたちは召喚された」
「やっぱりそうか。それでなんで俺たちは召喚されたんだ?」
「…詳しく説明する。…着いて来て」
そういうとこっちに近づいて来て俺の手を握った。
「…こっち」
「……っは!ちょっ、なんで兄さんの手を握ってるんですか!」
一瞬フリーズしかけた遥が我にかえって、あわてて着いて来た。
「まぁいいじゃないか、相手は子供なんだから」
「…子供じゃない。…もう15」
「「え?」」
「ほんとに?」
「…本当。…もう大人」
無表情ながらも微妙に誇らしそうだ。
…なんか可愛い。
そうこう話しているうちに、いつの間にか大きな扉の前に着いた。
そして幼女が扉を開けて、そのまま入っていく。
部屋の中はいかにも城って感じの中で、部屋の中央にいるのが王様だろう。そして左右には家臣や兵士が並んでいる。
「…連れて来た」
「ご苦労様。アリア」
そう言って幼女、改めアリアが王様の隣に並んだ。
「さて、自己紹介をしよう。私の名前はガリア・ヴァーシュタインだ。そして君たちを連れて来たのが、娘のアリア」
「生田未来です。えっと、こちらのいいかただと、未来・生田」
「遥・生田です」
「未来君と遥君だな、わかった」
「それで自己紹介もしたところで、本題に入る前に謝らせて欲しい。
…こちらの都合で呼び寄せて、本当にすまない。しかし分かって欲しい。君たちにしか出来ないことがあるんだ」
「一方的に呼ばれるのはともかく、どうこう言って帰れるわけでもないし、ちゃんと謝ってもらったので。それに、俺たちにしか出来ないことがあるなら仕方ありません」
「私も大丈夫です。呼ばれちゃったのなら、しょうがないですし。……それにある意味チャンスだし」
「チャンス?」
「すいません、こっちの話です」
「そうか。
...未来君、遥君ありがとう」
「いえ。それで俺たちにしか出来ないってのは、なんなんですか」
「うん、そうだったね。それで君たちに頼みたいのは
そう、勇者を退治して欲しいんだ」
感想、誤字脱字の訂正、アドバイスなんかありましたらお願いします。