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起床~8;00

AM4;52

朝日なんてものはこのスキマ空間に差し込まないが、まだ太陽など出てきてはいないとわかる早朝。月見草は完全に寝入っていた。


ブッシュゥウウウ!

「“神祭”エクスパンデット・オンバシラ!」

神奈子様の御柱が端から中央へ逃げ道をふさぐよう撃たれていく!そんなこと月見草は知る由もなく…


「ぐへぇっ!!」


ピチューーン!

御柱にどつかれて目が覚めた。最悪の起床だと思う。母親がこんな風に起こしてきたら親でも一回殴ってるだろう。


「……すまんな月見草」


『ご苦労様。気にすることないわよ。月見草!朝よ~』


「……早すぎないか?ああ、神奈子様か…神がこんな企画に参加するなよ」


『幻想郷の人達はもう起きてるわよ』


「1時に巨人に踏まれた俺の身にもなってくれよ……」

5時に叩き起こされてまだ目がうつろだ。しめ縄と御柱背負ってるからどうにか神奈子様だとわかるが、目が一向に開かない。


「いやすまんな。紫殿から頼まれて」


『本物の神様に会えてよかったでしょう?』


「今度会うときは弾幕じゃなくて御利益をください…」


ブッシュゥウウウ!!


「え~、もう誰だよ~?幽々子か!!」


「ふふっ、あいさつ代わりよ。“亡舞”生者必滅の理!」


「わあああああ!」

大量の大玉と反魂蝶が輪状に並んで襲い掛かる!これ一回Easyで見たことあるけど、朝起きてすぐこれは無いんじゃないか!?

当然避けきれるはずもなく…


ピチューーン!


「ふぎゃお!おお…痛てえ…」

脇腹に反魂蝶が直撃した。


『朝は弱いのねえ』


「早起きとか大の苦手だしなあ」


『幽々子を見習いなさい!朝4時にはもう起きているのよ!』


「おばあちゃんか!」


『今のセリフ聞かれていたらギャストリドリーム喰らわされていたわね』


「だいたい紫は今の時間普通に寝てるだろ!」


『あら、私はいいのよ。妖怪だもの。あさ~はねどこでぐう~ぐう~ぐう~』


「鬼太郎か!!そりゃお化けにゃ学校も試験もないけど!」


『あの歌のとおりよ』


「じゃあ夜は墓場で運動会しているのか?」


『それは無いけどさあ…』


ポクポクポク!


ビクウッ!

「あ~、そうか…この音藍様だ」


「乳、寄せまっせー!」


「ご苦労さん…」


「朝ごはん持ってきたぞ」


「おお…ありがとうございます」

もうこれだけが唯一の楽しみだな。これがコンビニで買ってきた弁当とかだったら流石にどうにかしてスペルを得た後紫を襲うぞ俺は。


「味噌汁とほうれん草のおひたしだ」


「ど~も」

朝ごはんはたくさん食べないタチだが、藍様の作ったご飯だとご飯が進む。人間寝不足でもうまい飯出されると食えるものだな。

今現在朝の6時8分。残り1時間52分…ようやくゴールが見えてきた。疲労で口数やテンションはダダ下がりだが内心嬉しい。


「ごちそうさまでした。どうも、この1日飯作っていただいてありがとうございました」


「いえいえ、お粗末さまでした」


この企画唯一の苦労人と握手を交わし、最後の時をひたすら待つ。こんなに8時が待ち遠しかったことなかったな~。


ブッシュウウウ!


「うわあ!誰!?咲夜だー!!」

幻想郷唯一のメイド服着た咲夜さんがナイフ構えて登場してきた!おいおいおい!?パーフェクトメイドまで呼んだらダメでしょうが!


「“幻世”ザ・ワールド!」

その瞬間、時は止まり咲夜がナイフを配置する。自機に向かう青色のナイフと、ばらまかれたように飛ぶ緑色のナイフが何本かまとまってセットされる!

そしてどこで覚えたのか炎の弾まで撃ち、それら全てが一瞬で俺の目の前に現れた!


「な…」


「そして時は動き出す」

次の瞬間、ナイフはバラけて飛んでいく!


「うおあああ!!」


「…紫、流石にこれはやりすぎじゃない?ねえ紫?」

だが声は返ってこない。不思議に思い横目で見ると、彼女は硬直していた…全く微動だにせずただスキマからここを見ていた。


(な…時がまだ止まっている!そんな!?私のザ・ワールドの効力ではない!そんなバカな!!)


「俺が時を止めた…ナイフがばらけた瞬間にな。そして咲夜、あんたの背後を取れた。やれやれだぜ…」


(つっ、月見草!?)


「レミリアを倒し、紫からもらったスペカ“殺人ドール”で…ほんの数秒間だが時を止められた…」


(何ですって!?私のスペカを!)


「どんな気分だ?動きたいのに背後から立たれる気分ってのはよ?これからっ!てめーをやるのに!1秒もかからねーぜ!“幻符”殺人ドール!」


(だ…駄目だ、こんな至近距離ではかわせない!前にある自分のスペカで逃げ道はない!)


「そして時は動き出す…」


「きゃあああ!」


Bonus Failed…


『ジョジョネタ多すぎない?何急にシリアス入ってんのよ?』


「いや~、やっぱザ・ワールドにはああやって返すのが流儀だろ!体に雑誌入れようにもここには何もないし」


『ここだけ読んだ人はこの企画が何だか訳わからないわよ』


「大丈夫、ネタ知ってる人なら笑ってくれると思うから」


『大丈夫かしらねえ…』


ブッシュウウウ!


「おいおい誰だ…魔理沙かよ!?」


「ああそうだぜ!動くと撃つ!」


「撃っても逃げる!どうせ…」


「撃つと動くだ!私が動く!ブレイジングスター!」


「動くってそういうこと!?」

マスパを後方に撃ち、魔理沙自ら突っ込んでくる力技特攻スペカなんて撃つなよ!お前風にでもなりたいのか魔理沙!?

即座に端に避ける!すぐ横には極太レーザーが通っている!そして魔理沙が通った音には星の弾が散らばっている。

そしてまた魔理沙が突っ込んでくる!速く移動したいが星がじゃまだ…


「しゃあない!“空観剣”六根清浄斬!」

場に飛び交ういくつもの斬撃があたりの星をかき消していく!これは仕方ない!魔理沙のラストスペルなんて強烈すぎる!


「うおおおああ!」

あとはひたすら左右に走る!魔理沙が突っ込んでくるペースがだんだん上がっているからだ!マスパは妖夢の斬撃でも威力が全く衰えていない!


Time Up! Bonus Failed…


「あー疲れた…もうボーナスとかいいや、直撃しなかっただけでもラッキーだよほんと…」


あんな風に突っ込んでこられたら戦意喪失する…

だから美鈴はサボっているのかもしれない。こんなの相手にするぐらいならナイフで刺される方がましかもなあ。


『あれはインパクト強いわねえ』


「一発で魔理沙のことが脳裏に焼き付くな…あ~しんど…間違いなく筋肉痛だよ俺…」


ブッシュウウウ!

「ペース早いな!次は…霊夢かよ!」


「紫に頼まれてね。面倒くさいからすぐ片づけるわよ“境界”二重弾幕結界!」

放たれた札が霊夢の周りを囲う四角い結界で裏返り前後左右から襲いかかる!俺の嫌いな前後からくるスペカだ…

とにかく境界の境目に立ち避け続けるが…いかんせんもう息切れしている。ブレイジングスターの後にいきなり霊夢は無いんじゃないか?

もう集中力が切れてしまったのかあっけなく…


ピチューーン!!


「ふぎゃご!」

背中撃たれた…このパターン多いな~俺。後ろからくる弾にめっぽう弱いんだよなあ。


「おお痛てえ…主人公が連続で来るのはさすがにちょっとキツすぎないか?」


『霊夢はあれでも手加減してくれたようよ』


「手加減の範疇に入るのかあれは!?」


『夢想封印 瞬 よりマシでしょ?』


「ああ…あ~も~早く終わってほしいな~!」




そして…ついに終焉を迎えようとしていた。時刻はAM7;55、あと5分で全てが終わる…


「よっしゃ!やっと来た…やっとここまで来た…」


ポクポクポク!


「うわあ!ああ違うか…」


「お疲れさん」


「お疲れ様です」


「がんばりましたね~」


「あれ紫に橙も?最後は八雲たち全員が会いに来たのか?」


「そうよ。ここまで支えてきたから、最後は私と藍と橙。みんなでカウントダウンしようと思って」


「おおそうか…」


「どう月見草?」


「大変だったよ!夢の中にも弾幕出てたしよ…紫お前なに考えてんだ」


「まあまあ。10秒前からさあ、カウントダウン始めるわよ~」


これまでの思いを込めて、みんなで大きい声で数を数える。


「10!9!8!7!6!5!4!3!2!1!」


ブッシュウウウウウ!!!


「うわあああああ!!??」

8時ジャストになった瞬間あらわれてきた奴、それは…妖精の大軍だった!!四方からやってきた妖精たちがめちゃくちゃに撃ちまくってきた!!


ピチューン!

ピチューン!

ピチューン!

ピチュウウン!

ピチューン!

ピチューン!

ピチュウウウウン!


「あ痛い!痛い痛…」

何度もボコボコに撃たれまくった挙句、十何秒ほどして妖精たちは消えていった…俺は何もできず、ただそこにうずくまって耐えていた…


「うああ…あ、痛った~最後にそれは無いだろ…」

八雲たちは8時ジャストにスキマで逃げて行った…最後にこんなもん用意しやがって…200匹はいたぞ妖精たちが…

隙間なく整列した妖精の大軍から撃たれるってお前…あれもう弾幕ごっこじゃねー…。避ける方法絶対ないだろ!!

だって…逃げられる場所ゼロなんだぜ…グレイズすらできないほど弾撃って来られるのは反則だろ!!


『これにて!24時間弾幕ごっこの刑終了~!!』


「……や、やっと終わった…」


「お疲れさまでした…」


「大丈夫ですか!?」


「ん…ああ…あれ?紫は?」


「さあ…橙、知っているか?」


「あの、紫様なら撮影を担当していた文さんとにとりさんの所へ…」


「へ?」


「さ、撮影だと!!橙、それ本当か!?」


「は、はい…そう言ってました」


「じゃあ今までの一部始終も、藍様の“乳寄せまっせー”も…」


「紫様―!!撮影は絶対にしないと、この企画の前に約束したじゃないですか~!」


「とにかく、紫を探せ!」


藍様の叫びもむなしく、紫はすでにテープや写真を持って文たちと共にトンヅラしていた…


後日

「お~い!早苗~!」


「どうしたんです諏訪子様?」


「紫が映画を公開するそうだよ!」


「映画?」


「なんでも相当面白いコメディーなんだって!今日の夕方に守谷神社に来てくれるってさ!楽しみだなあ~」


「へえ~どんなタイトルです?」


「“24時間弾幕ごっこの刑”だって!」


こうして、月見草と藍様の赤っ恥映像は、映画という媒体を使ってあらゆる人の目に留まることとなってしまったとさ。



「え~、どうも月見草です。作者自ら無茶ぶりされる24時間弾幕ごっこの刑、いかがだったでしょうか?」


「この企画の総合演出、八雲紫よ。面白かったかしら?」


「なあ紫?なんで俺がこの企画やることになったんだ?普通に東方キャラにやらせればいいだろ!天子とか!」


「天子だと反撃できるでしょ?これはバラエティだから簡単に反撃できない方が面白いのよ。撃たれた方が笑えるし。だから作者で良かったのよね」


「それで俺かい…」


「とはいえこの為だけにオリキャラ考えるのもどうかと思うでしょ?」


「まあそうだけどさあ…」


「それに弾幕ごっこだからスペカをあなたにあげたのよ?」


「いや持っていても実際に弾幕見ると怖いよ?霊夢や魔理沙の心臓はどうなってんだか…」


「まあこれでようやく、24時間弾幕ごっこの刑第1弾が終わったんだけど」


「第1弾ってなんだよ!2弾も3弾もねーよ!」


「こんなバカバカしいことばっかりやっている月見草ですが、今後もよろしくお願いします」


「お願いいたします!」


「今度は“ひとりぼっちで神霊廟探検の刑”とか…」


「絶対に嫌だ!!」



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