20;00~就寝
PM8;16
晩御飯も食べ終え、疲れた体でとりあえずストレッチをする。ただいまアキレス腱伸ばし中…今日は走ったな俺~
「お~い紫~トイレ行きたんだけど~」
『はいは~い』
ガパアッ!
「ふ~っ」
この企画唯一気が休まる場所へ行く。さすがにトイレは襲えないだろ~。なんせ99%女性の東方キャラが男の俺をトイレで襲えるはずがない。
目をつぶったまま俺を襲うことも可能といえば可能だが、それじゃ当たりっこない。安心しきって俺は用を足した。
「今やっと半分か~」
ため息混じりで便所の扉を開けた瞬間!
「“釣瓶”ウェルディストラクター!」
「んぎゃん!!」
天井からいきなり釣瓶落としが落っこちてきた!キスメお前…何満足そうな顔してんだ!頭カチ割られたかと思ったぞ!
「おいちょっと待て紫!スキマ空間の外は安全地帯だろ!?」
『あら、そんなこと一言も言ってないわよ』
「この企画地獄だわ…安全な場所一個もないぞ」
PM8:36
ブッシュウウウウウ!
「誰…お空だあああ!」
危険度高すぎるだろよおい!人間相手だぞ!好きなキャラではあるけれど!
「あなたも私とフュージョンしましょ?」
「とりようによっては嬉しいけれど断る!」
~CAUTION!! CAUTION!!~
「地獄の人工太陽!!」
「耐久型かよチクショー!」
最後のスペル、お空が大きな太陽となって俺を引きずり込みつつ弾を出してくる!同時に粒状の弾が吸い寄せられていく!
これってリアル弾幕ごっこの場合きつすぎる!前見て弾よけて後ろ向いて弾よけてを繰り返さないといけないのだ!
しかもお空が作り出した重力がどんどん強くなっていく!足がなかなか後ろに進まない…熱い!
「はぁはぁはぁはぁ!これ…怖すぎるだろ…もういいだろおい…」
時間の長い耐久スペル、1分ほど避けてるけどもうきつい!脇腹めっちゃ痛い!
「使うか!“蛙符”手管の蝦蟇!」
発動して数秒後、爆発した青い閃光が広がる!弾は全部かき消されていった!
Time Up! Bonus Failed…
「あ~怖かった~。あんなんに吸い込まれたらピチューンで済まないぞおい…ああ脇腹痛い…熱い!」
スペカのせいで少しぬるくなったアクエリアスの残りを飲む。お空と連続で弾幕ごっこはまずやりたくないな…見た目のインパクトがすごすぎる。
「ここにきて体力使うようなスペカは勘弁してほしい…足つるかと思った」
重力に引き寄せられるなんて初の体験だからなあ。あの力を振りきれるのは超サイヤ人くらいだろ…
『それじゃ超戦士のバーゲンセールでしょ』
「紫、常人と超人の境界イジれない?」
『できるわけないでしょ!』
ブッシュウウウ!
「誰!?……誰もいない?」
誰も出てこない。だがこれは流石に怪しい。にとりの時みたく姿隠しているのかもしれない。
「もしやサニーか!?光の屈折で姿隠してるのか?」
……1分後。変化なし
『あ、ごめん。私が間違ってガス噴射のボタン押しちゃった。驚いた?』
「驚くわそんなん!やめろそういうの!腹立つな~!」
完全に手のひらで踊らされているな…
ブッシュウウウ!
「あの羽根…レミリアだあああ!?」
夜の王がこんなとこに来るなよおお!!
「いくわよー!!“紅符”スカーレットマイスタ!!」
「全然手加減していねええ!!」
真っ赤な大玉と光弾がめちゃくちゃにばらまかれていく!こんな力技のスペカここで出さなくてもいいだろ!レミリアテンション高すぎだろ!
大体これ一回も勝てなかったスペカだ!マスパで押し切ったんだよなあ…とはいえスペカもない今、とにかくダッシュで逃げ切るしかない!
「うぉあ、ああっ、あー!」
またも気合い避けをしていく!避け方がさっぱりわからないが、そんなの知ったこっちゃない。速い弾に目が付いていくだけで精いっぱいなのだ。
Time Up!!Get Spell !!
「はーっ…はーっ…よっしゃ避けれた!やったぞおい!」
『ご褒美よ』
「お、咲夜さんの“幻符”殺人ドールか。妖々夢の…」
スペルを手にし、横になる。現在10時19分。なんかもう既に眠気がしている。寝たらいかんとわかってはいるがきついのだ。二十歳の体でもこれはきつい。
「はぁ~」
ため息混じりに上を見る。もうひとり言話す気力も無くなってる。何かもうさっさと寝たい…
ボケっとしているが、音にはどんどん敏感になっている。条件反射ってこうやってできるんだろうな~
緊張と緩和でのどが渇いてきた。またアクエリアス飲もう。
「…あ!」
「ああ!」
アクエリアス取ろうとして目が合った。いつのまにか現れていて至近距離で撃とうとしていた三月精と!!
ルナが音消して近付き撃つつもりだったんだこいつ!油断してサニーの姿消す能力も使わずに!なんか無性に腹立ってきた!
「お前ら何してんだこの!」
バチィィン!
瞬時にデコピンを三人の額に叩きこむ!
「痛っ!!」
「あ痛っ!」
「痛った~い!!」
「この!この!この!この!」
大人げもなくデコピンを連発する!接近戦ならこっちにも分はある!絵的にいえば大人が子供いじめてる最悪の絵だがそんなの関係ねえ!
これまでのうっぷん全て込めたデコピンの嵐を所構わず打ちまくる!
「痛い痛い痛い~!!」
「ちょっ、ごめんなさい!ごめんなさい!」
「帰れ!アホー!!」
「わ~ん!」
「あーすっきりした!」
『何してんのあんた…』
「反撃してはならないっていうルールはないぜ紫?」
『妖精はこの企画に向いてなかったのかもねえ』
「ところでご褒美は?」
『あるわけないでしょ!!』
ポクポクポク!
ビクウッ!
「藍様か…」
「乳、寄せまっせ~!」
「お~」
ここまで来ると藍様も板についてきたな。でも弾幕ごっこはマジに止めてくれ。すでに燃え尽きてるんだ真っ白に…
「夜食、持ってきたよ」
「ありがとうございます」
夜食のおにぎりを口にする。中身は明太子か…。きついが腹は減っている。これ食ったらコンビニのおにぎり低レベルに感じるなあ…
現在PM10;56
残り9;04
PM11;09
本来ならもう寝ているはずの時間、さすがにきつくなってきた。満腹感が心地いい。体育座りで体力を温存する。
残りは8時間51分…まだ先は長い。4時間ほど時間を吹っ飛ばしたい。
ブッシュゥウウウ!
「うん?フランだーっっ!!」
なんて人呼んでるんだ!悪魔の妹なんてシャレにならないぞ!レミリア来たからフランも来るかな~って思ってはいたけど!
「遊びましょ~」
「遊ばないよこんな夜に!」
「いいじゃない。夜遊びよ?いいことしましょ?」
「子供がそんなセリフ使うなよ!それで…何して遊ぶ?」
「弾幕ごっこ!」
「ああ、パターン作りごっこね。それは俺の苦手分野だわ…」
霊夢みたいにカッコよくは決められない。またダッシュで逃げながら願う。スターボウブレイクであってくれ!あれは安全地帯あったはずだ!
「“禁忌”レーヴァティン!」
「やっぱ無理かー!!」
そうそう甘くはない。とにかくダッシュで端へと走る!大きな剣を振りまわし襲ってくるフランが怖い!めっちゃ笑顔で可愛いけどトラウマものだ!
あんな大きな剣で襲われてみろ!?それに剣振った後には火の玉が残り動きを制限する!避け方わかっているけど、速くてどんどん距離を縮められる!
「ハァ!ハァ!ハァ!やばいやばいやばい!」
ピチューーン!!
「あ゛痛ったーあ゛ああ!!」
レヴァ剣にケツ叩かれた…これもう弾幕ごっこじゃないだろ!ただのケツバットじゃねーか!そのままうずくまり動けない。
『すごい声ねえ』
「今までで一番痛い…」
『あの子も結構バラエティをわかってるわね~』
「いや、そういうもんじゃないと思う…」
あれは笑いをわかっててやったわけじゃないだろ…分かってやってたらすごいぞフラン。笑ってはいけないシリーズのケツ叩く役になれるぞ。
『フランが任命されたら1時間でお尻壊れるでしょうね』
「間違いなく椅子に座れないだろうな…」
現在12;05
もう流石に寝かせてくれてもいいんじゃないか?夜限定のキャラは出尽くしただろ?なあ紫…ぼく、なんだかとても眠いんだ…
『死亡フラグ立てるなよ!』
「いや実際に眠い。フランドールに会ったショックの反動で放心状態なりかけてる」
ブッシュゥウウウ!
「おい誰…けーね先生!?しかも獣人バージョン!!」
二本の角に緑色の髪、けーね先生だ!なんで先生がこれに参加しているんだよ!むしろ糾弾すべき立場の人だろあなたは!
「御免!“転世”一条戻り橋!」
花びら状に放たれた弾幕の隙間に入り込む!と、その時!
「弾が戻っていく!?」
放たれた弾幕がどんどん慧音先生の元に戻っていく!仕方なく慧音先生に背を向けかわす。このほうが避けやすい!
弾幕ごっこ中にこんなことする奴はまずいないだろうが俺は違う。避けられたらどうでもいいのだ!そのうち紫の大玉が撃たれる!
「うわっと!おおおおー!!」
Time Up!! Get Spell !!
「おお危ね~。お空と違い前からくる弾が少ないから、後ろを重点的に見てたらかわせたな」
これがゲームだったら間違いなくスペカ使う。EXの動画見たけどきっついぞあれは…。
『ご褒美よ~』
「お!妖夢の“空観剣”六根清浄斬か!神霊廟のスペカだ!!」
神霊廟やったことないけど一度使いたかったんだよな~。
ポクポクポク!
「乳、寄せまっせー!」
「…おう」
「布団持ってきたぞ~」
「お、ってことは?」
「就寝していいそうだ。“もう疲れたから私も寝る”って紫様が」
「いっそそのまま永遠に眠らせてやってください」
「それはダメだろ!」
こうして、午前0時57分、ようやく月見草は眠ることを許された…ことは無かった!
午前1時26分
ブッシュゥウウウ!!
「“鬼符”ミッシングパワー!」
「んぎゃっ!!」
避けることもなく潰された…!!もはやされるがままである。
「あれ?紫?こいつ寝てたのか?」
『いいのよ萃香。ドッキリなんだから』
「いい加減寝かせろよ…」
こうしてようやく、俺は本当の睡眠を手にした…