第三話 携帯と本
私の身体は間違いなく汚れていると思う。赤くなるまで肌を擦っても、まだあのニオイがとれない気がする。あの行為で満たされるのは、一瞬だけだ。 「男」
、が私の中に埋め込まれる時だけ。キスも、愛撫も好きではない。むしろ不愉快だ。
吟味して選んだ数冊の本を手に席に座ると、丁度携帯が震えた。
いくらマナーモードにしているとはいえ、本をめくる音しかしない図書館ではそれは十分、騒音になりうる。現に私からして、右斜めの窓際に座っている女性は、眉をひそめている。 居心地が悪いが、携帯を開き確認する。
メールが1件と、着信が3件。全て同じ人物。
あの男だ。あいつとした後は必ず、衣服に煙草の臭いが染み付いて、母に言い訳するのに困った。 いつまでもメールと着信のマークが待ち受けにあるのが嫌なので、中身を見る。『なんで無視すんの?』 なんで無視すんの?か、理由はない。明確な理由は無いが、ただ終わりにしたいだけだ。私は携帯の電源を切ると、本を開き読み始める。
煙草の男とは、奴の自宅でして以来会ってもいないし、電話もメールもしていない。まだ、長くもった方だと思う。(あくまでセフレとしてだけど)
煙草の臭いには閉口したが、奴は今までで一番、ましな性癖の持ち主だった。ただのセックスをするだけで、特に干渉してこなかった。
あの日までは。 あいつにそんなつもりは無かったにせよ、一度そう感じるともう無理だ。 それからも私は、あいつからの連絡を無視し続けた。
やっと更新してコレ…。 精進します。