第6話 怪談!巨大ロボ!
「今日は…ナビに頼らず帰ろう」
シロウはいつもの道から横道へ
しかし、「小さな影」が彼を追っているのは
知る由もございませんでした
夜だけど地元だし、なんとかなるでしょと
巨大ロボを手動操作に切り替え
ビル街から住宅地へ
そしていつの間にか林道へ
モニターの景色は
どんどん星空に近づいていきます
「いい眺めだ…ん? あそこに見える屋根は…
懐かしい、子供の頃、婆ちゃんに連れていってもらった団子屋だ」
店の前まで行ってはみるも
あれ?
何十年も経ってるはずなのに、昔のまますぎる
気味が悪くなって先を急ぐと、道がどんどん細くなる
「間違えたかな…」
不安になったシロウの前に巨大な影が
照らしてみると茶色の巨大ロボが座っています
ライトも点けず、電源も落ちているようだ
「故障? いや、道の真ん中、危なすぎだろ」
近寄ってみると、パイロットの姿がない
と、センサーが足元に人がいるよとの警告音
カメラを下に向けると
そこにはお婆さん
「お婆さん!危ないですよ!そんな所に立ってちゃ!」
シロウ、慌てて外部スピーカーで呼びかける
お婆さん、こちらを見上げて
「…救急を呼んでおくれ」
こんな夜道に無灯火の巨大ロボとお婆さん
異様な感じとはいえ、助けない訳にはいきません
ロボの足元に降りると
「大丈夫ですか!お怪我ですか、それとも…ロボの故障ですか?」
ところが、お婆さん、シロウの顔をじっと見て
「…いや、呼ばなくていいよ」
お婆さんはシロウのロボの足をひと撫ですると
茶色いロボに ひらりと飛び乗った
「ブォォォン!」
再起動音と共に全身のランプが光ると
スピーカーからお婆さんの声が
「あなた、優しい人だねぇ…」
茶色の巨体は木々の奥へ消えていきました
「おいおい…なんなんだアレ?」
気分を害するも、再びロボを歩かせ始めました
すると後ろから
「ゴォォォッ!」 凄まじい音
振り返ると自分の三倍はある 「超巨大ロボ」 が追い抜いて行く
「なんだありゃ! ロボの高さは15メートルって決まってるのに…」
あまりの事に見上げながらアクセルは踏みっぱなし
「ウォォォォーン!」
モニターが警告音と共に真っ赤に
見れば目の前は崖!
「おい!」と、急ブレーキで踏みとどまり、なんとか無事
「あれは何だったんだ…」
震える指でドラレコを確認も
画面には空っぽの道が映っているだけ
怖くなったシロウ、ナビを自宅にセット
確実に帰ろうと急ぎます
すると今度は前方に警察の検問ロボが立っている
「こんな所で検問?」
疑いを上乗せするようにスピードを落とし近づく
検問ロボのスピーカーが鳴る
「違法改造ヲ、調ベテイマス」
「えっと、それは…」シロウが答えようとすると
「シテイマセン」
「うわっ! 俺のロボが勝手に喋った!」
驚きながらも検問ロボをよく見ると
あれ?
あのロボの胸にある文字
「警察」とも「POLICE」とも読めない
ミミズが這ったような、崩れた文字
震えながらもシロウ、だんだん腹が立ってきた
「化かそうってんなら、こっちにも考えがある、本物を呼んでやる!」
スマホを取り出し、警察へ通報
「もしもし! 偽の検問に捕まってます!
場所は…場所はわからないけど、GPSで来てください!」
すると、すぐに「ブォォォン!」と、スラスター音
1台のパトロールロボが到着
機体にはハッキリと「神奈川県警」の文字
シロウ、ハッチを全開にして大声で叫ぶ
「お巡りさん! あいつですよ、あそこの文字を見てください、デタラメだ!」
「……確かに、あなたは下がっていなさい」
パトロールロボが、偽の検問ロボへにじり寄る
さあ、どうする?どうなる?
身を乗り出すシロウ
すると突然、パトロールロボが振り返り「ワハハハ!」と笑う
続いて、偽の検問ロボも「ワハハハ!」
そしてなんと
その背後からシロウのロボまで出てきて「ワハハハ!」
笑い声は渦を巻き
目の前の巨大ロボがぐんぐんと大きくなっていく
「わああぁぁぁ!」
シロウが叫ぶと、パッとロボ達が「大量の落ち葉」に
そして、自分がいつの間にか
地面に立っている事に気づくと
まばゆい光が追い抜いて行く
シロウの巨大ロボだ
「待ってくれ! 置いていくな!」 叫んでも、もう遅い
そしてそこは、さっきの古ぼけた団子屋の前
どう帰ったのでしょうか?
日が昇る頃、家に着いたシロウ
ふと、地下ハンガーを見ると「格納済み」のランプが
そこには自分の巨大ロボ
恐る恐るハッチを開けてコクピットを除くと
座席には茶色の動物の毛がどっさり
そしてドラレコでコクピット内を見ると
楽しげにハンドルを握る「タヌキ」の姿
ふと、操作パネルを見ると、一枚のカードが
見ると「電子マネーカード千円分」
今どきのタヌキは
化かし代もキャッシュレスで払うようです
読んで頂き、ありがとうございます!
次のエピソードは、巨大ロボの代行運転のハズが…事件に巻き込まれる、な話です。
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