第3話 アフロを探してレースに参加
「あれ? ダッシュボードに忘れ物があるぞ…」
ユウマは先月買った中古の巨大ロボに
前の持ち主のモノと思われる写真を見つけた
有名な観光地、漁業市場の記念碑
その前で満面の笑みを浮かべる男
――見事なアフロだ
そもそもこのロボ
型は古いが、中身はゴリゴリに改造
胸には景気良い「1」なんて数字
おまけにメタリックブルーの超ハデ機
あっという間に100キロ出せて
転回時のブレもめちゃ少ない
だけど問題が一つ
「効きすぎるブレーキ」
ちょっと踏めば、巨体の足がドスンと一撃すぐ止まる
もしかしらこの謎、写真のアフロが知ってるかも?
と、いう事で
ドライブ兼ねて、ユウマは漁業市場へ
とはいえ、この記念碑はどこだろう?
観光地は道も混んでるし
人もロボもパンパン
「あ、誘導員さん!」
ユウマはたまらず写真を見せる
「はい、それね!ここをまっすぐですよ!急いでください!」
「急いでください…? 何を?」
疑問のままに急いでみたが
ますます道は混んできた
右も左も、みんな全員巨大ロボ
みんな胸に番号付けている…付けている?
あれ?隣は23番?
あちらは51番?
ユウマは1番
『第3回、地域活性チャリティーイベント、巨大ロボ障害レース、間もなくです』
とどろくアナウンス
「はい?第3回?」
ユウマには第1回のレースの始まりです
逃げようにも周りはロボの壁
警察の規制線も張られて道の外にも行けない
沿道の客はこちらを見上げ
「1番の青い機体は期待しちゃうね」
なんて事いってる
もうこうなりゃ仕方がない
ユウマ、腹をくくりました
バーン!スタートです!
とはいえ不正参加です
どっかのタイミングで離脱しよう
なんて走って見たものの
ユウマのカスタム機は速い!とにかく速い!
他のロボをぼうぼうのごぼう抜き!
続けて立ちふさがる
3階建てはある「巨大ハードル」なんて
ヒョイヒョイ飛んでいく
あっという間に先頭集団が見えてきて
あっという間に気分が良くなってきました
お次は幅10メートルの川越え
先頭集団はロボの膝まで水に浸かり
すべる川底に四苦八苦
「このロボ、防水してたっけ?」
ユウマは脳内のトリセツを調べるも出てきません
「ええい!」
ズン!川岸を一蹴りジャンプ!
青い機体はキラキラと宙を舞い
モニターの中では
川が消え、空が広がり
集団まとめて抜き去った
巨大ロボらしからぬスッとした着地で対面の川岸を踏むと
単独首位、もう止まりません
と、思った矢先
後ろからドゴーンっと衝撃が
「あぶなっ」
見れば、赤い巨大ロボ
顔をクルクル回転し、ユウマを煽り抜き去ります
「あの赤い野郎!」
もう止まりません
フルスロットルで追撃し
いよいよ最後の難所、カーブ連続地帯に入ります
「チャンス!」
ユウマ、アウトコースから抜きます
いや、上半身を揺らし転回しての
インコースからのフェイント抜きだ!
観客も沸きます!
このまま逃げ切ってやる!
その決意の瞬間
モニターに警告音
見れば道のど真ん中に、一匹の小さな猫
「間に合わな…いや間に合う!」
ユウマは必死で
「効きすぎるブレーキ」を踏む
青い巨体が地面を踏み、火花を散らす
しかし、だめだ、転倒してしまう
というその瞬間
大きな「腕」がユウマを掴んだ
赤いロボだ
「いや!お前まで倒れる!」
ユウマの叫びと同時に
「ギュィィィィン!」
赤いロボも地面を踏み、火花を散らし
「効きすぎるブレーキ」で全てを止めた
「ハハッ…」
ユウマは支えられながら猫をチョイと逃がすと
観客は大沸き
ユウマは1位を譲りのゴールイン…
「優勝はエントリーナンバー1番、二位はエントリーナンバー…1番…?」
ざわつく観客
そして、赤いロボのハッチが開く
写真のアフロ
これが後にレース界の伝説となる
ユウマとアフロ
1番を巡る戦いの始まりであったのです
読んで頂き、ありがとうございます!
次のエピソードは、父から受け継いだ巨大ロボに乗る息子のせつない話です
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