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7話:カイルの投資と契約の行方

月明かりが青白く照らすテラスで、私はカイルと向き合っていた。

彼はもはや商人の芝居を捨て、隣国の皇太子としての威厳を隠そうともせずに、手にした書類を私に示した。


「アイリス嬢。準備はすべて整った。……君の言う通り、市場に流れていた王家の借用書は、すべて私が額面の数分の一で買い叩いた。今や私は、この国の王家にとって最大の債権者だ」


「ご協力感謝いたしますわ、カイル様。……いえ、皇太子殿下」


私が彼の正体を知っていたことに、カイルは驚かなかった。むしろ、誇らしげに微笑んだ。


「この国はもう、君が引導を渡すまでもなく内側から崩れている。……どうだろう、アイリス。この清算が終わった後、私の国へ来ないか。君のような者を、この国の公爵令嬢として腐らせておくのは世界の損失だ」


それは、ただのスカウトではない。彼の瞳には、私の能力に対する深い敬意と、それ以上の熱が宿っていた。


〈……投資価値があると言われるのは、女として愛を囁かれるより、ずっと胸に響きますわね〉


「私の顧問料は高いですわよ? ……ですが、前向きに検討させていただきますわ。まずは、この泥舟の処理を終えてからですけれど」


カイルは私の手を取り、その甲に誓いの口付けを落とした。


「パーティーの夜、君が望む最高の舞台を用意しよう」

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