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あまねく光、なぎの底  作者: カレンナカレン
碧色の残像

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6/10

1-3

「深海さん、また!」

私は凪先輩に声をかけて走り出した。

「ひまり!!」

蓮くんの声が後ろから聞こえてきたが、蓮くん声を後に私は全速力で走り出した。蓮くんに捕まったらめんどくさいことになる。



蓮くんから逃げるように校舎に入った私は、誰もいない階段の踊り場でようやく足を止めた。

呼吸を整えようとしても、心臓の鼓動がうるさい。それは走ったせいなのか、それとも凪先輩と連絡先を交換できた高揚感のせいなのか。


「……はぁ。びっくりした」


壁に背を預けて、もう一度スマホを取り出す。

画面には、先ほど追加されたばかりの無機質なプロフィール。アイコンも初期設定のままで、いかにも彼らしい。

でも、それを見つめるだけで頬が緩んでしまう。


凪先輩に連絡をしようとしたら、スマホに影ができた。私が顔を上げるより先に、彼は声をかけてきた。


「これ、あなたのですよね?」


大きい目に、茶色のパーマがかかった髪、色白でアイドル顔負けの美男子がそこにいた。 

彼は私にハンカチを渡してくれた。


「ありがとう、、ございます。」


私がハンカチを鞄に終い、去ろうとすると彼はまた私が動くより先に話しかけてきた。


「1年生?」

「そうですけど…」


彼は大きい目をさらに大きくして「俺も!」っていって、手を差し出してきた。私も手を出すと強く握ってぶんぶんと大きく立てに振った。


「俺は経営学部の朝霧結弦(アサギリユヅル)、よろしく」

「私も経営学部、天野ひまり、よろしく」


彼は屈託ない笑顔で言うと、スマホを取り出し、私にQRコードを見せてきた。

「連絡先交換しよ」


私はさっきの凪先輩との連絡交換と比較して、こんなふうに気軽に声をかけれたらなぁと感心しながらQRコードを読み込んだ。


「また授業であったらよろしく、じゃ」


彼はそれだけ言うと階段を早足で駆け降りていく。

私も帰って明日の準備と…凪先輩への連絡をしようと考えて階段を折りかけたら、私のスマホが鳴った。



………蓮くんだった。

さすがに走って逃げたら連絡してくるよね。

私は一息ついて、電話に出た。


「…もしもし」

「ひまり!?今どこにいるの!」

「A館の1階だけど、もう帰るとこ」

「聞きたいことがあるから待っといて」


蓮くんの明らかに怒っている声に、私は走ったことを後悔しながら蓮くんを待つことにした。



 

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