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第7話「クールな猫人族、ニクス参入!超高速コンビ結成」


クールな少女の静かなる闘志


 ルッコとの模擬戦で、タクトは自らのロマン——超高速戦闘の可能性を証明した。両機大破の引き分けという結果にも関わらず、彼の心は熱く燃えていた。


「ルッコ、色々悪かったな!お前の【破滅】コンボ、絶対攻略してやる!」


 退場口の隅で、尖った耳を真っ赤にして涙目で悔しがるルッコを尻目に、タクトはクローナとローニャと共に、リングに沈む【アブソルトレイル】を回収していた。


 夕陽が演習場を赤く染め、砂塵がまだ漂う中、仲間たちの声が響く。


「タクトくん、すごかったよ!引き分けだったけど、【クリムゾンヘイト】の攻撃を一発も受けなかったなんて、凄いよ!」


 クローナの狼の耳がピクピク揺れ、興奮で瞳がキラキラ輝く。


「はい!【爆風】と【光塵】の制御は完璧でした!もし【熱閃】が封じられていなければ、タクトさんが勝っていた可能性大です!」


 ローニャは眼鏡をクイッと上げ、メモ帳を握りしめながら興奮を抑えきれない様子だ。


 その時、静かな足音が近づく。シュッとした黒髪のポニーテール、猫人族特有の黒い猫耳と尻尾が揺れる少女——クラスメイトのニクスだ。


 平坦な体型と無表情の顔は、まるで感情を凍らせた氷像のよう。だが、彼女の瞳がタクトをじっと捉える。


「ニクス……だよな?どうした?」


 タクトが尋ねると、ニクスは機械のような淡々とした声で答える。


「あなたの戦闘は効率的ではない。過度な速度、防御の欠如。自滅リスクが高すぎる。」


 言葉は辛辣だが、彼女の視線は大破した【アブソルトレイル】に注がれる。


「だけど……あの速度は、『高速戦闘』の極限に近い。」


 ニクスの声に、微かな熱が滲む。彼女の猫耳がピクリと動き、クールな仮面の下に隠れた興奮が覗く。


 ニクスはゴレトル界でも異端のプレイヤーだ。彼女の猫人型ゴーレム【アサルトフェリス】は、防御を捨て「攻撃を回避する」ことに特化。刻印は【超高速】【機動】【回避】【鋭爪】。鋭い爪と流れるような動きで敵を翻弄するが、決定打に欠けるのが弱点だ。


 ルッコ戦でのタクトの戦術——「防御を捨て、速度で攻撃を無効化する」——は、ニクスの信条と共鳴していた。


「あなたの【爆風】ブーストと私の【アサルトフェリス】……組み合わせれば、常識を覆す超高機動ペア戦術が生まれる。」


 ニクスの瞳に、静かな炎が宿る。普段のクールさからは想像できない、ストレートな情熱だ。


「私をチームに入れて。あなたのピーキーな機体、私が補う。私一人では相手を追い詰めても仕留めきれない。だけど、あなたとなら、同じ速さの世界で互いを高め合える……。」


 タクトの胸が高鳴る。ニクスの言葉は、ゴレトルへの純粋な愛と、タクトのロマンへの共感そのものだった。


「ニクス、もちろん歓迎だ!俺たちは最高の相棒になれるぜ!」


 タクトはニクスの手をガシッと握る。彼女の猫耳が一瞬ピクッと震え、クールな表情がわずかに緩む。


 クローナが目を丸くして笑顔を弾けさせる。


「ニクスちゃん、よろしくね!一緒にタクトくんを支えよう!」


 彼女の腕がニクスの肩を優しく抱き、温かな空気が広がる。 ローニャも興奮気味に続ける。


「ニクスさんの制御術式のデータがあれば、【アブソルトレイル】の機動がさらに安定します!技術面で私も全力サポートします!」


 眼鏡の奥の瞳がキラキラと輝き、メモ帳に新たな計算式を走らせる。 こうして、タクトの情熱、クローナの絆、ローニャの知識、ニクスのクールな闘志が交錯するドリームチームが誕生した。タクトのゴレトルライフは、一気に賑やかな新章へと突入するのだった!



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