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1-4

俺は森の近くに移動する。

「あの、どうして枯れ枝を拾ってるんですか?」

「焚火するためだよ」

「今日はそんなに冷えないと思いますが」

「寝てる間に魔物が寄ってくる。

火に慣れてない奴らは警戒して近寄ってこないんだ」

「なるほど」

「だけどまぁ、魔物以外の奴なら近寄って来るかもだけどな」

「え?」

「お前も集めろ、俺に無理やり同行してきたんだ。

それぐらいは手伝ってもらおうか」

「いいですよ、種類は何でもいいんですか?」

「何でもいい、燃えやすそうなものならな」

「分かりました」

レスキィは枝を集める。

「両手いっぱいに集まったら俺の所に来い」

「はい、集まりました!」

レスキィは両手いっぱいに枝を持っていた。

「地面に置け」

「何か組んだ方がいいですかね?」

「雑でもいい」

「なるほど?」

レスキィは雑にぽいっと枝を地面に投げる。

「燃えろ」

俺は手をかざす。

すると、枝が発火するのだった。

「おおっ」

レスキィは驚く。

「俺は魔法剣士だからな。

魔法も使えるんだ」

「凄いです、流石は勇者です」

「俺は英雄ではないと前に言ったはずだがな」

「あはは、そうでした」

レスキィは苦笑する。

「・・・」

俺は持ってきた干し肉に齧りつく。

「あー、ずるいです。自分にも下さい」

「これは俺のだ、やらん」

「けちぃ」

「・・・」

「はぁーあ」

レスキィはくぅと可愛らしいお腹の音を鳴らす。

「食え」

俺はレスキィの口にねじ込む。

「もがもが」

驚くレスキィだったが、次第に受け入れる。

そしてガジガジと美味しそうに食べるのだった。

「美味いか?」

「はい、美味しいです」

「そうか、いいことを教えてやる」

「なんですか?」

「これな、人間の肉なんだ」

「え」

レスキィの動きが止まる。

「冗談だ、ただの魔物の肉だよ」

「ですよね・・・あはは」

「真面目な奴」

「そういう冗談はやめてくださいよ」

「何してる?」

俺はレスキィに尋ねる。

「鍋をしようかと」

「鍋ってなんでまた」

「せっかく焚火してるのに勿体ないなぁって。

自分、結構料理できるんですよ」

「そうか、悪くない特技だな」

「ありがとうございます。

干し肉のお礼ってほどではないですけど、

食べますか?」

「俺は食わん、肉を食ったから腹は満たされてる」

「そう・・・ですか」

一緒に食べたかったのだろうか。

少し寂しそうな顔をする。

「俺は眠る、お前も飯食ったら寝ろ」

「分かりました、おやすみなさい」

俺は腕を枕にして眠るのだった。


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