いじめは心を殺す
もうここ1年こんなのばかり。
創作もろくにできない……
いじめは心を殺す。
本当にそうだと今、改めて実感している。
何やかんやあって前の職場を退職することになった私は引っ越し先で新しい職場に就職した。
従来型の特養で、ここは学生時代に職業体験でお世話になった施設。いわば、思い返せば自分の原点ともいえる場所。
気持ちを切り替え、原点回帰という気持ちで臨んだのだが………
本当にどうしてだろう。
面接で見学したときに感じたわずかな違和感。具体的に何か、とは言語化できないそれをそのままにしていた。
恐らく急な転職だったので焦りもあったのだろう。前の職場で受けた心の傷もふさがり切っていなかった。
だが自分の10年以上という経験を活かしつつそれなりの給料(それでも同年代の平均年収には大きく劣る)で強行した。
はっきり言って、今まで働いた中で『最低』な場所であった。
とてもじゃないが『お客様』にしない様な言葉遣いやモノを扱うような介助の仕方。
どこの施設でもあること、と思う方もいるかもしれない。
確かにこういう問題はどこの施設でもあるが基本的なラインはあって、時折そこを逸脱する行為が見られるというのが今まだの施設だった。
だがここは……もう基本ラインがおかしなところに引いてある感じだ。
忙しいが故、安全<<<<<<業務の効率 といった感じになっておりいずれ大事故が起きるだろうなとは思っていた。
とりあえず仕事を覚えなくてはと必死に頑張ったのだがある日、恐ろしいことが起こった。
自分では話すことが出来ない、完全介助の車いす利用者がいた。
その利用者が珍妙な髪型にされ、変な格好をさせられホールに連れてこられた。
少し前に誕生日を迎えたのでそのお祝いだとか。
髪型は漫画『BLECH』の更木剣八のアレに近いかもしれない。まあ、はっきり言ってアウトだ。
流石の私も新人ながら『これはおかしい』と指摘するが『いや、これは親愛の情を持っている証。相手も喜んでいる』とわけの分からないことを言う。
埒が明かないので上司に言うが『自分は見ていない。証拠はあるのか』『仕事を覚えるのが先だ』。
さらに上に訴えるも『仕事を覚えてそういうおかしいことを指摘しても聞いてもらえるようにしよう』と言われた。
この段階でもうこれはまずいと思った。そして翌日からそれは始まった。
『経験年数も長い方だから大丈夫でしょう』、ということでいきなり露骨に介助量の多い利用者の介助を集中的に任された。
はっきり言って、普通なら分散するところを一人に集中。腰痛防止ベルトを着けていても腰は悲鳴を上げる。
明らかに『制裁』の様な感じで精神的にも色々された。思い出しただけでも気分が沈むので敢えて内容は書かない。
さて、ここでいじめの話に戻ろう。以前も別のエッセイで書いた気がするがいじめっ子は『いじめてもいい』という理由を勝手に作る。
そして『お前にも非がある』と自分たちの行為を正当化するのだ。
理由の内容は何だっていい。極端な話、『あいつの目が気に入らない』といった様な理不尽な理由でもなぜか免罪符が出来る。
北海道で起きた凄惨な事件でも『そんな事で!?』という理由で被害者は拷問を受け殺された。
結果や行為のレベルが違うだけで本質は同じようなものだ。
彼らの中で自分たちの玩具を奪った私を『いじめてもいい』理由が出来てしまったというわけだ。
この辺はいじめられっ子を助けたら矛先が自分に向いてしまうのとよく似ている。
まあ、そんなこんなで急にオーバーワークを強いられ、上も頼りにならない。
遂に私は……腰を痛めた。
椅子に座っていられる時間はそんなに長くない。夜寝る時は痛み止めが必須。
そしてこの状態では従来型特養の業務は継続できないという事で……試用期間で打ち切られた。
新しい職場を探さなければいけないが今回の事で人数の多い従来型特養ではもう働けないとわかった。
それは適性の問題もあるのだが、問題は腰の痛みと数週間で退職したという事実。
これだけで転職のハードルが数段階上がってしまった。
現在、少し動いて休んで……端から見れば自堕落に見える生活を送っている。
転職活動しようにも腰が痛いし、身体が恐ろしくだるく力が出ない。
食事は美味しくないし、気分を変えようと好きなものを見てもつまらなく感じる。
ゲームでも……起動して数分で止めてしまう。横になるが腰が痛い。
去年から降り注ぐ災厄。流石にお祓いをした。
今、私は絶望している。
特に直近の施設での出来事は自分が培ってきた介護職としての誇りを大きく傷つけた。
正に『この程度』な連中に自分を否定された。そんな気持ちである。
もう介護職なんて嫌だ、と思いつつもこの歳では他業界への転職も……
半分以上は私の愚痴になってしまったがいじめをしている人達には知ってもらいたい。
あなた達にとってはちょっとした憂さ晴らしか何かわからないがその行為が、どれだけ人に大きな影響を与え苦しめているか。
その刃がいつか何かの拍子で自分達の方に向くことだってあるかもしれないということに。