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臆病

年の差ラブストーリー

第八話



映画のあと食事をした。


世間では黙食なので

あまり会話もせず

さっきのキスもあり

うつむき加減で食事をとりました


明るいところでマスクを取っているので

顔が見えすぎると恥ずかしいなって

そんな事を考えながら


さっきの

ほくろはちょと恥ずかしいな

主人の出会った頃と同じ事を

宏樹くんに言われた…

「ほっぺのほくろ可愛い」


そんな事言われたのは二度目

それが主人と宏樹くん


なんか嬉しかった


  ねぇ、映画つまらなかったでしょ


 そんな事ないけど、ごめん

 寝てしまって


  仕事で疲れてたの?


 それもあるけど、昨日寝れなかった

 今日の事考えてたら


 車は緊張してたから大丈夫だったけど


 映画はなんかホッとして

 ついつい居眠りして…


  寝顔可愛いかったよ


 キスもごめんなさい

 マスクとった顔が素敵でした


  なんか私たち褒め合ってるよね

  周りが聞いたらバカ丸出しかな


 そんな事ないです

 僕の事は別にして杏子さんは

 ほんと素敵です

 ほんとうに若く見えますよ



  喜んでいいのかな?

  ありがとう宏樹くん


食事のあとは

ショッピングモールをぶらぶらとして


宏樹くんはスニーカーを見てたね

側から見たら

親子の買い物に見られのかな

それでもいいと思っていたけど

それもちょと寂しいなって

少しずつ贅沢を求めるようになっていた。



楽しい時間も過ぎて帰る時間

逢える時間は

あっという間に過ぎてしまう


考えるとわたしはいつのまにか

宏樹くんを好きになっていました

年甲斐もなく本気で好きになっていた

まだ数時間しか経っていないのに…


キスされたから?

いやそうじゃない

言葉では説明できない

ものが宏樹くんに感じていた


ほっとする安心感が彼にはありました。


ずっと年下だけど彼に包まれている

感じが心地よかった。



 杏子さん

 家まで送りますね


  ありがとう

  近くになったら説明するね


 はい

 お願いします


もう少し一緒に居てくれないかなって

思っていました…


初デートで家に誘う?

そんな事すると宏樹くんは

変に思うかな…


色々と思いを巡らしていたら

もう着いてしまった


 着きましたよ

 このマンションですか?


  そうだよ

  時間ある?

  お茶でもしていく?

 

 いいんですか?

 家に上がって?


  いいよ、ただ

  朝のバタバタのままだから

  ちょと入るのは待っててね


 散らかっていても僕は大丈夫ですよ


  ダメこっちが嫌だから

  恥ずかしいし


  いいよ、入って下さい


 お邪魔します

 へぇーここが杏子さんのお家か


  はい、こっちは寝室だからダメよ

  お茶入れるから、くつろいでてね

  コーヒーでいいよね


 はい、お願いします


ベランダから外が見える

 景色がいいですね


  そうね、高いからね

  こっち側は何もないから 

  見晴らしがいいよね


二人は並んで窓から夕暮れを見ていた

陽は傾き少し焼けた空を眺めていた

そんな時に彼がわたしの腰に手を回し

抱き寄せられた…


 杏子さん

 今日はごめんなさい


  何をあや••

  言いかけたところで


目を閉じて彼の口づけを受け入れていました

少し背伸びして

わたしの右手は彼の肩に回していた

彼は静かに、強く、わたしを抱きしめて

甘やかな口づけに舌先は戯れていた…

彼の唇はわたしの首筋に

手のひらは乳房を包んでいた


  あっ、だめ宏樹くん

乳房の彼の手を握りそっと離した


  宏樹くんごめんなさい

なぜだか謝っていた


 ごめんなさい 

 いきなり早すぎましたね


  早いとかじゃないの

  けど、ごめなさい…だめ…


少し気まずい空気が流れた…



私は車まで見送りにいった


  今日はありがとう 

  楽しかったよ 

  気をつけて帰ってね

  また、メッセージするね


 ありがとう

 それじゃ


私はあの先で左に曲がり、車が

見えなくなるまで見送った


曲がるまえ、手を振ると

テールランプが5回点滅した

どこかの歌詞にあったあれかしら

偶然かな


宏樹くん世代でも知ってるのかな


見送ったあとエレベーターの中で

受け入れた方が良かったのかな

けど、わたしまだ… …



--------


まだ早いとかじゃないの、まだ

年の差を気にしないなんて無理

自分のからだに自信がない、まだ

臆病な自分があたりまえにいた

あなたは若くはないわたしを抱けますか


--------



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