葛藤
年の差ラブストーリー
第二話
私は2度目の手紙も無視していました。
ただ、年齢だけを伝えれば
冗談か本気かもわからないこの状態が
終わってくれるかもしれないと思い
伝える事にした。
お店であの子がレジに来た時
必ずレシートを受け取ってくれていたので
レシートと一緒にメモを渡しました。
メモには
お手紙ありがとうございます
わたしの年齢を知っていますか?
48歳です
マスクでよく見えていないのでは
ないでしょうか?
それと、冗談でも構いませんが
こういうのはもうやめてください。
と書いて渡した。
これで終わると思っていました…
次の日、またメモを渡された
マスクをしていなかった時から知っています
年齢はなんとなくわかっていました
電話番号とIDです
メーセージください
もうメモはやめます
なんとなくって何よ!
年相応てことなの?
お世辞でもそんな上には見えないとか
ないのかしら
わたしは何をムキになってるのかな
それと、メモはやめる?
けどメッセージください?
そんな事するとでも思ってるの
いけない、いけない
短気になるのは更年期のせい?
休日は娘が孫を連れて遊びにきてくれた
いろんな事を言い合える親子だけど
この事だけは言えない
相談したいけれど、言われることは
当然わかるから…
孫の麻央と遊ぶ事ですべて忘れる事が
出来ると思っていましたが
いつのまにか
あの子が気になっていました。
孫たちが帰ったあと
あの子のメモを見ていた…
電話番号も書いてくれてたんだ
IDだけでメールはできるのに
真面目なのかな?
メッセージしてみようかな
しっかり説得してみようかなって
説得と言いながら
(あなた話しをしたいんじゃないの?)
なぜだか家の事が手に付かない…
やっぱりメッセージしてみようかな
まだ帰っていないかな
仕事は遅いのかな
事務って言ってたから
遅い日もあるんだろね
ちゃんと仕事してるだろうか?
昼はいつもコンビニ弁当で大丈夫かしら
夜はどうしてるんだろ
実家暮らしかな
それとも一人暮らしかな
大学の時からって言ってたから
やっぱ実家だよね
•••わたしが気になってるの…
•••これって親目線の心配だよね
きっとそうよね…
メッセージしたとして
なにを言えばいいの?
紙に書いてみた
①丁寧にお断りする
②世間話しをする
③母親目線でおしゃべりする
④友達としておしゃべりする
⑤男女としておしゃべりする
ペンで指しながら
①と③は嫌だろうね
②と④かな
あとは成り行きかな
あなた⑤を最初から期待してるんじゃないの?
あなたはあの子の事をどう思っているの?
まさか
若い子がいいって思ってるんじゃないよね?
まさか
いつのまにか彼に魅かれてしまってないよね?
まさか
恋に恋してないよね?
現実は
48歳だよ
現実は
お母さんと同じ歳ぐらいよ
下手したら上かもよ
どうするの?
うるさーい!
48歳でも心が揺れる時ぐらい
あるでしょ!
異性としゃべりたい時ぐらい
あるでしょう!
年がかなり下でもそれを忘れる時は
あるでしょう!
それはないか⁈ 忘れるときはないね
忘れちゃダメ
なんかわたしバカやってる
あっーどうしよう
なんであの子は手紙なんかくれるのよ
ずっと普通に生活をしてたのに
娘と孫のために普通に
ばぁばぁをしてたのに
そりゃ少しは言い寄ってくれた
男性もいたけど
気がつけば26年間ずっと
女としてではなくて母としてやってきたのに
それが当たり前で不満なんて一度もなかった
それだけ一緒懸命頑張ってきたのに
あの子にわたしは何をすればいいの
--------
ひとりぼっちに気づかない
それほど一生懸命生きてきました
気がつけば寂しかったのかもしれない
誰かに気づいて欲しかったのかも
あなたは寂しさを埋めてくれますか?
--------