表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/17

好意

年の差ラブストーリー

第一話



いらっしゃいませ


おはようございます


私はいつもの様に

このコンビニエンスストアで

仕事をしている。

娘が結婚して孫が生まれる

少し前ぐらいだからもう3年ぐらいに

なるかしら

年齢はアラフィフの48歳


今日も朝から頑張っています


「おはようございます」


この子は毎朝来てくれるお客様です


挨拶には、ペコっと頭を下げて挨拶する

少し朴訥な感じが主人に似ていた 。


主人は娘が1歳の時に亡くなった

すい臓がんを患い、あっという間だった

24歳の若さで1歳の娘と22歳の私を残して

旅立ってしまった …


それから私は女手一つで娘を育て上げ

今は可愛い孫もでき


何も不満は無かった 。


そんな時に突然の出来事


あの子がお会計の時に

小さな紙切れを渡してきた


何でしょうかゴミですか?

捨ててよろしいでしょうか?


「後で読んで下さい」


初めて聞く彼の声だった


もう2・3年ほど利用してもらって

いるが初めて聞いた

ほとんどのお客様は当然

聞くことはないが

この子にはいつもこちらからは

「おはようございます」と

一方通行ですが声をかけていたので

実際に声を聞くと不思議な感じがした 。


後でと言われ何の事かわからなかったが

なぜか渡されたものをすっとポケットに

しまっていた。


「ありがとうございます」と

普段通り、レジを済ませた


朝の忙しい時間が続き

昼過ぎに勤務シフトも終了して

着替えて帰ろうとした時


そうだわ、読んでくれってメモか

何かくれたわよね

どこだっけとポケットを探し

取り出した…


なんだろうと開けてみたら


『好きです』


と書かれていた …


何これ?裏も表も横も

探すように回して確認したけど

その一言だけ 書かれていた。


気味が悪い・・

そんな感じには見えない子なのに

嫌だわ •••


少し、変な気分で帰宅した 。


数日後


そんな事があった事も忘れていた

けど、ふと

そういえば、あれからあの子来てないわね


と思った朝に、久しぶりにお店に来た


いつものパンと缶コーヒーと

昼のお弁当

レジ打ちしていると


また何かを黙って渡してきた

この前より少し厚く

小さな封筒に入っているのが分ったが

他のお客様に見られないように

そっと隠して

カメラからも見られないように

ポケットにしまった


このあいだの事があるので

拒否しようかと迷ったけれど

あの子の顔がマスク越しでも

悲壮感たっぷりだったので言えなかった 。


それは手紙でした


こんにちは

先日は突然の手紙で失礼しました

緊張して失礼な書き方だっと思います

反省しています 、ごめんなさい。


今日も仕事中に失礼しました 。


僕は金沢宏樹(かなざわひろき)

といいます 年齢は24歳です

学校を卒業して現在は社会人です


本当に失礼だと思っておりますが


水原さんの事を学生の頃から

お店で見て ずっと好きでした

この気持をどうにかして伝えたくて

こんな形をとりました 、許して下さい 。


もし、良かったらお食事でもして

頂けると嬉しいです 。


こんな内容でした

丁寧だけどまだ子供ぽい文章


それより、何か悪ふざけだと思って

もしかしておばさんをからかって

SNSで動画投稿でもしようと

しているんじゃないかと

周りをキョロキョロ見回した


24歳てわたしより

ふた回りも下なのよ

わかっているのかしら

マスクで顔が見えてないんじゃないの

どう考えてもあり得ないでしょう

娘より年下の男の子よ

•••当然色々と考えてしまう



結論は

「あり得ない」「からかわれている」

でした


今度あったら叱ってあげよう


ただ、冗談でもなぜか悪い印象では

なかった

手紙の雰囲気、あの子の感じが

昔の主人に似ていたのが影響していたのかも

知れない …


主人は24歳で亡くなったから

ずっと私の中では若いままだから

そんな彼とあの子をダブらせていた …



--------


  街はたくさんの人が行き交いして

  そんな人の中からわたしを探して

  手を繋いでくれたのはあなたですか?

  たったひとりぼっちのわたしを

  あなたの心で包んでくれますか?


--------


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ