表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

宇宙豪華客船スペースウォーカー号事件

<SpaceWalkerEpisodes[2981]>グランドチャイルド|孫

作者: Dolenon

<2981年4月12日>

「ゴホッゴホッ……あれからもう……一年になるんじゃな……」

 病室のベッドの上で老紳士は弱々しく呟く……。一年前、宇宙豪華客船スペースウォーカー号は謎の失踪を遂げた。そこには彼の孫も乗っていた。


 宇宙豪華客船スペースウォーカー号。

 彼の孫は、乗組員として活躍し、彼自身それを誇らしく思っていた。

 だが、そんな彼の孫は姿を消した……スペースウォーカー号と共に。


「ああ……もう……会えないのか……」

 妻に先立たれ、娘夫婦も交通事故で先立たれ、残された孫だけが彼の生きがいだった。

 だが、スペースウォーカー号失踪のニュースを知った後、持病が悪化し病院へ緊急搬送され、そして今に至る。


「うぐっ!」

 胸に痛みが走る。それと同時に医療機器から警告音がけたたましく病室に鳴り響く。

 数分後に医師と看護師達が病室に飛び込む。

「先生! バイタルが急速に低下しています!」

「いかん! すぐに集中治療室へ搬送を!」

 医師と看護師達の必死な声も彼の耳に届かなくなっていた。

(すまない……わしは先に逝く……せめて無事に戻ってきてくれ……)


 数時間後、彼はこの世を去った。

 だが、彼は知る由もなかった。

 彼の願いは慈悲もなく叶わない事を……。


EPISODE CLOSE

スペースウォーカー号の失踪から一年経ち、残された者達は何を思い、何を願うのか。

彼らの心の内を知るのは彼らだけなのだから……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ