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32話 犯行現場

大変お待たせ致しました;;久しぶりの投稿です;;

ルフォードさんが案内した場所は路地裏の人が通らない薄暗い通路だった。

既に数名の警備隊が集まり、中心には座り込んで亡くなった体形の大きな中年男性。

現場に近寄ろうとした僕に警備隊は一瞬慌てふためき前を塞いだ。


子供はこんな場所に来てはいけない。

彼らの配慮なんだろうが、父様がくれた「治安改善」の課題の手掛かりとして調べておきたい。どう説明すれば良いか考えてるとキョーコ様の記憶が流れ込んだ。


『見た目は子供、頭脳は大人...その名をm』


とある少年探偵の物語らしいけどよくわからない。

青年が呪いの類で少年になったがその知識量で事件を解決していくらしいけどその少年は見た目が幼い為、事件現場での調べものに苦労するらしい。


その少年みたいに、子供の好奇心で来たと思われてるなら「大丈夫だから見せて」と言っても信じて貰えるのか...僕の為を思って隠してるし貴族の権限を使ったら逆に大きな迷惑をかけてしまう...

どうしたことかと考えてたらルフォードさんがフォローしてくれた


「坊ちゃんなら大丈夫だ。見せてやれ」


単調な言葉でも隊員達は納得し、道を開いてくれた。

素早く判断して、行動に移す。これは騎士団でも重要な事。警備隊員も役職が違うだけで似てるところが結構あるんだろう、それとルフォードさんは警備隊の中でも信頼が厚いのがよく分かる。何処か、叔父様と似てる気がする


「ありがとうございます」


御礼を一言、死体をじっくり調べる。

全身に無数の傷があり、激しく戦ったのが見て分かる。だが致命傷を負ったような箇所は見当たらない


「犯行は昨夜あたり、死因は闇魔法による衰弱死です。」


衰弱死...この傷とは関係ないのか


高位の闇魔法なら相手を衰弱死させることも出来る。

現場付近には板が散らばっているだけで戦った痕跡どころか、血の一滴も見当たらない。

じゃあこの痕跡はなんなんだろう...それに激しく戦ったのに死因は衰弱死。この場所で発見されたのも気になる。


「死体を移したのか...?」

「いや、こんな巨体だ。目立つし、わざわざ遺体を移すメリットもないだろう。」


口に漏らした疑問をルフォードさんが答えた


「ではこの傷跡はどこから来たんでしょうか?」

「簡単に言うとあそこだな」


顎をクイッと上げて示した場所を目で追う


「屋上ですか?」


僕は風魔法を足に集中して屋根の上まで壁を蹴り上げた。

剥がれた板、切り刻まれたり焦げた跡。

そこには想定された通り激しく戦った痕跡が残ってた。


「こんなに入り込んだ道を歩くより屋根の上を飛び歩いた方が早くて効率がいい」


僕も上位悪魔との戦闘で屋上を使った。

おそらくこの男性は敵と戦い、足を滑らして屋根から落ちた。


「体付きや古傷を見る限り熟練の暗殺者だろう。滑るヘマはしねぇから麻酔が効いて落ちたんだろうな」


僕の推測をルフォードさんは聞きながら少しずつ正してくれた

そしてなんらかの木材に勢いよく落ちて、破損して散らばる。

そのあとはまあ簡単、意識が朦朧としてる内に闇魔法でとどめを刺す。


「しかし屋上であんなに戦ってたのに最期は闇魔法の衰弱死だなんて相手は少々変わってますね」 


わざわざ麻酔薬や衰弱の闇魔法を使わなくても威力の高い魔法で戦う事もできるはず。


「まあコイツの服装を見ろ。裏で働く人間だ。裏の者は裏で戦う。表舞台には立たず、一般市民には手を出さない暗黙の了承がこいつらの社会ではある。つまり警備隊(俺たち)が守らないといけない民たちには手を出さないから奴らは奴らの仕事を全うする。関与するなと...」


ここまでするのは被害を最小限にするため、そして彼らなりの一般市民を守る為


「坊ちゃんには難しかったか?」

「いえ、理解しました。」

「まあ、こいつは問題ない。警備隊もこういうもんはよく発見する。問題は次の被害者だ。」


ルフォードさんはこの現場を既に駆けつけてた警備隊に任せ次の現場へと案内した。

男性の次は若い女性


「分かるか?」

「はい」


男性の現場と全く同じだった。体中に無数の傷跡があるが周りには戦闘をした形跡はなく板が妙に散らばってるだけ。ただ違うとしたらここは公の広場、多くの人が使う通路。そして...


「この人は裏の者ではありませんね。」


一般服を着ていた。


「これが黒扇の帳の仕業だ。」

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