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23話 上位悪魔との戦い ①

呪魔法を解く方法は二つある。


一つ目、光魔法で解除する。

呪いの強さにも依るが上位悪魔の場合、解くには光・聖魔法を得意とする聖国出身の神官レベル。


僕、ましてや下町の人達にそれ程の高位魔法を使えるとは考えられない...


目を合わせてしまった今、そらすことは出来ない。

振り返りでもしたら()の記憶みたいに体内を壊され身動きが取れなくなる。

なんとか近くの教会まで行けたとしてもその合間に他も巻き込まれないとも限らない。


そして二つ目

発動者を倒すこと


呪魔法の厄介な所は、一度発動すると、発動した者が死ぬまで解けることはない。

その理由で闇魔法から分岐され、個々たる属性と学者達に認識されてる。


上位の光魔法か発動者を殺す


「後者しかないな...」


この狭く、建物に囲まれた道で剣を振りかざすのは難しい


僕一人ならともかく、後ろには道を塞いでた大人たちもいる。

彼らにも呪魔法が掛けられたと考えたほうがいい。


だとしたら、場所を移動することも難しいし、もし彼らが発動者を見失いでもしたら、命にも関わる現状だ。


「クソっ、『黒扇の帳』が出たのかよ、俺の運も此処までか...」


黒扇の帳...王宮へ行った時に何度か聞いたことある。

奴のせいで治安が一方に改善できていないことも...


「どうか諦めないでください...この魔物を倒せばすべて済むことです。」

「その魔物を連れてきたガキが何言ってんだよ...」

「すみません...責任をもって僕が倒して呪いを解きます...」

「ハッ、よく言うぜ」


大丈夫だ、僕は至って冷静だ

思い出せ、悪魔の情報を...

()の記憶を、叔父様の教えてくれたことを...


*****


上位悪魔は独特の戦い方をする


先ずは観察

奴は目を合わせた者全てを観察して、動くことは無い。

あの記憶を見てから動かない理由は他にも見つけた。


動かない隙に恐れた相手は逃げようと目をそらして呪いを発動させるんだ。

そして苦しむ姿を堪能した後攻撃する。とても胸糞悪いことだ。


だからこの場合、逃げないのが正解


「どうか、悪魔から目をそらさないでください」


魔王軍を率いる者は武器などを持ってると聞いたけどこの上位悪魔は丸腰。

弱点である胸の核を覆い隠す鎧も着けてない。

だからもし攻撃するとしたら闇魔法かその長くて鋭い爪のはずだ。


この狭い空間で長い手足を動かすのは難しいし魔法を主に使うことまで絞り込める。


魔法が相手なら自分も魔法を使う方が良い。


僕は手をかざし魔力を貯めると悪魔の不気味な笑みは苛立ちへと変わった。

思い通りに行かなかったからだろう。


すると、悪魔は手を地面につけ、薄い黒い霧を出す。


闇の結界を張るつもりだ。

悪魔は光に弱い、太陽の下では力が発揮しない

結界を張るのは光を閉ざして自分の有利な状態にさせる為だ。


()の記憶では悪魔の動きは一変する。


結界を張り切る前に避けないと...


だけど結界は下から上昇する形。

もう僕の背丈を超えてる。


「逃がさないつもりか」


逃げるには風魔法で飛ぶ...


いや、身体が浮く時、なかなか自由がきかない


風は特定の位置に存在しない、飛んでる最中に体制が乱れてしまう。

そうでもなれば身体が動き回るし、その間目を離してしまう危険性がある

結界を張るの速度、地魔法で上昇するには遅すぎる


「だったら...」


僕と後ろの三人の足場に箱に載ってるよう地魔法で足下を覆う。

僕たちの足場は他の面より強化して、

炎魔法の熱に水魔法の水を箱の中に流し込む

熱が下がらない様に水は微量で...中で蒸発するように


だけど少しだけじゃ駄目だ、大人三人と子供一人が一気に飛び上がる威力に’なるまで

もっと溜め込むんだ

もっと...もっと、もっと!そして早く!


「地面に捕まって下さい!一気に飛びます!」

「うおっ!」


爆発音と共に僕たちの足場が一気に飛んで建物の屋上まで上がった。

大丈夫、身体の体制は乱れてない。


「目を離さないでください!目を離した瞬間呪いが発動します!」


幸い色は薄くて結界越しでも悪魔は見える。


「坊主、お前何をしたんだ...?」

「水蒸気爆発で、一気に上がりました」


水蒸気爆発。

水が熱で水蒸気になって膨張、そしてその圧力に耐え切れなくなった箱は一気に爆発する


シン様が書いた蒸気機関車の設計、その中に水蒸気爆発の注意書きがあって

興味本位で調べたのが役に立ってよかった。


一気に地面が飛んで結界が張られる前に逃げられた。



よし、次にやらないといけないことを考えろ...


上位悪魔の出現、このことを知るのは僕たちだけ、

それなら₋


風魔法の応用術、調音魔法


3キロ範囲に響き渡る様に魔力を込めて指笛を鳴らす。

魔物の出現、緊急事態の合図は計四回


僕の指笛を聞いた者は更に笛を鳴らし、辺りに知らせ、即座に避難する。

これで、被害は最小限に済みそうだ。


「思い通りにはさせないぞ、悪魔め。」


建物の屋上まで飛んでしまったから見下す感じになって、それを上位悪魔は顔を更に歪ませる。


「嫌なら此処まで来い。僕が相手だ。」


背中の羽を広げ屋上まで飛び立ち、僕に恨みの視線をくれる。


「でも何でだろう、全然怖くないや。」


人の方が嫌な視線をくれる。


そして何故か叔父様が王宮で教えてくれた言葉を思い出す。


僕の先祖、勇者ルーベンの右腕、

魔道戦士:フローレンスが自分に言い聞かせてた言葉


それと共に腰に掛けてた剣を抜いた。


「コウシンしろ、前へ...!」


次話はいつも通り土曜16時に投稿する予定です。

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