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魔人の領地にて

___魔人領域____


魔人族の領地に入ってから、妙な気配が俺達をついてきていた。本当ならもうすぐ村に着いていてもおかしくないはずだが、俺達は運悪く迷子になったようだった。


「おかしいですね…もう着いてもおかしくないのに。」


エレナは不安げな顔をしながら、何かわからない気配にビビり続けていた。


「というか俺達、同じルートを行き帰りしていると思うのだが、」


もう夕暮れは近い。引き返そうにも帰りの道が分からず、イグゼル達はただ、ゴールの無い道をひたすら歩いてるかのようだ…


「仕方がない。これを使うしか…」


「へ?…」


「炎の妖精よ…我が真なる力を宿せ」


「炎魔術、日の目!」


俺の髪は赤くなり、全身に取り巻く炎を目に集中させた。


「なるほどな…」


イグゼルは四方八方にある木々や草むらに目線を合わせると、上空に飛び、新しく購入した剣を地面に向けて振りかぶった


「炎剣術、#火炎桜__カエンザクラ__#」


その途端、大きな地ならしが鳴り、ひび割れ

た地面から炎が飛び出した。


「うわぁぁ…うわぁぁ」


爆風と炎で謎の気配の主が落ちてきた。その数約10体ほど。


「俺達になん用だ?」


イグゼルは倒れている1人の男に尋ねた。その男は何を言っているんだと言わんばかりの顔でこちらを見ていた。


「お前らこそ、魔人族の領地と知っての侵入なのか。ここを通りたけば俺達を殺していけ!」


「ああ…そんなに死にたいなら殺してやるよ」


イグゼルは己の命を無駄にするやつが嫌いだ。睨みつけていると、そいつらは全員怯えた顔をしていた。


「おーい。そこの主」


森の奥から若々しい声がこちらに近づいてくる。


バサッ


森から出てきたのは、赤い髪と、頬に黒く塗った模様、そしてポロシャツに赤のズボンを履いた、18歳ぐらいの青年が魔人の男の前に立った。


「すまねぇな家のもんが、こいつらまだ下っ端でさ、何の成果も得られていなかったから生き急いでしまったんだわ。」


「あの…あなたはここの住人のひとなのですか?」


エレナはイグゼルの後ろに隠れながら怯えていた。


「ああ!俺は魔人族の領主、アベル=ブクセルだ。よろしく!」


「俺はイグゼル=ヴァルトベルク。この女はエレナ=エンシャルだ」


こいつは殺意が無さそうだ。殺生無くこの森を抜けたい。


「長話はここじゃ冷える。俺の村に来いよ」


「そうさせてもらう」





次回 爆炎のアベル

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