5.ハプニングの後に。
ちょっと真面目な話はいりまーす。
「つ、疲れた……」
桜の木の下で、すやすやと眠る少女二人を前にして。
俺はぐったりと肩を落とし、大きくため息をつくのだった。絵麻は甘酒で酔い、瀬奈は何も口にしていないはずなのに雰囲気で酔ってしまう。今後この二人とは酒の付き合いはやめよう、そう思うのだが、それはそれで問題が起こりそうなので不安だった。
そうなると将来的には酒とは無縁にさせるか、俺が常に傍にいるしかない。
どちらも難しいと考えて、俺は思わず苦笑いをしてしまった。
「おう、拓哉。二人は寝ちまったのか?」
「勇おじさん、大変だったんですよ……?」
そうしていると、大人組の輪から離れて勇おじさんが声をかけてくる。
彼にいったい何があったのかを説明すると、
「あっはっは! そりゃお前、二人がそれだけ気を許してんだよ!」
「そんなもん、なんですかねぇ……」
そんなこと言いながら、大声で笑うのだった。
俺は炭酸飲料と菓子をつまみながら、ひとまず腰を落ち着ける。すると隣に勇おじさんが座り、揃ってぼんやりと桜を見上げることになった。
そうしていると、ふいにおじさんは言う。
「そういや、哲也はまだ話してねぇのか?」
「ん? なにを、ですか」
「あー……」
それに俺が首を傾げると、何やらしまった、という表情を浮かべた。
いったい、今度は何だというのか。そう思っていると、
「まぁ……詳しい話は、アイツの口から話すだろうがな」
「……はぁ」
勇おじさんは酒を一口し、こう話し始めた。
「オレと哲也が、揃って柊大だったってのは聞いてるか?」
「え、そうなんですか!?」
「あっはっは! まぁ、学部の偏差値ならオレが一番下だがな!!」
まったく知らない情報。
俺が驚くと、勇おじさんはケラケラと笑った。
だがすぐに真剣な表情に戻ると、ふっと一息ついて続ける。
「オレと哲也はな、そこで出会ったんだよ」
「出会った……?」
そして、一拍置いてから。
彼は懐かしそうに遠くを眺めて、言った。
「お前の亡くなった母さんに、な」――と。
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