4.瀬奈のプレーと、絵麻の観察眼。
久々の更新……(*'▽')
あとがきの新作もよろしく。
「よろしくお願いしますっ!!」
元気のいい挨拶と共に、練習試合が始まった。
先にボールを手にしているのはこちら、つまりは先攻、ということなのだろうか。ポンポンと目まぐるしくボールが左右を行ったり来たり、選手たちはポジション争いをしているのだろう、忙しなく前後に細かくフェイントをかけていた。
そして、センターにいた瀬奈が合図らしき何かをすると――。
「うおお!?」
相手のチーム、そのディフェンスの最中を動き回っていた味方に、柔らかいパスを落とす。それを確保した選手は、キーパーとの一対一に持ち込んで見事に決めてみせた。俺はそのプレー速度に圧倒され、思わず声を上げてしまう。
正直なところ、凄いのは分かるが、何がどうなったのかは理解できなかった。
見えていたのもボールだけで、選手がどうしてその動きをしたのか分からない。などと考えていると、隣の絵麻が頷きながらこう言った。
「いまのポストプレー、すごいね。たしかに点数を決めたのはポストの子だけど、その前に野川さんが相手の選手を二人、完璧なタイミングで引き出してる。シュートモーションからのパス動作への移行も、まったく違和感がない。もしかしたらキーパーでさえも、どこにボールが行ったか見えなかったんじゃないかな……?」
スラスラと、マジで何を言っているか分からない。
「もしもし、絵麻さん。あなたもしかして、ハンドボール詳しい?」
「ううん? 基本的なルールだけで、あとは見たままのことを言っただけだよ?」
「……………………おおう」
我が義妹の優秀さは、状況把握能力にも至るようです。
あと初見でいまの動きを完璧に見抜くの、素直に言って恐ろしかった。いまから考えることではないが、絵麻の彼氏になる男性はきっと、絶対に浮気できないな。
仮にしようものなら、証拠の類はすべて見抜かれる。
あと、俺も絶対に許さない。
「いやあ、大変だなぁ」
「そうだね。いまの相手のプレーも、完全にディフェンスの意表を――」
そう思って呟いたのだが、何やら絵麻さんは勘違いしていた。
俺は真っすぐな眼差しで試合を見つめる彼女を見て、勝手にほっこりして笑みを浮かべてしまう。その視線に気付いたのか、絵麻は小首を傾げて不思議そうにしていたが、いまは分からなくていい。
互いに噛み合っているようで噛み合わない、そんな時間を楽しみつつ。
俺は改めて、瀬奈のプレーを目に焼き付けるのだった。
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