君が見た夢に
楽しい事を考えながら眠ったのに
嫌いなものに追いかけられた夢を見たと
君は不思議そうな顔をして僕に言った
確かに君は夜中に泣き叫んで僕を驚かせた
大丈夫、大丈夫と僕は君の背中をさすったけれど
君は泣きやまず目を閉じたまま大粒の涙を流していた
僕は君を抱きしめて何も言わず、背中をポンポン叩いた
僕に全部を預けて君が再び眠ったのがわかった
君を布団に戻して、穏やかな寝息を立てる様子をしばらく見つめた
どうやら君の夢の中では僕は活躍していないらしい
君の望みを叶えていないのか
夢なのに助けてやれないのかと
時計の針が動く音と君ともう一人の大切な人の寝息が合わさる部屋で
申し訳ないような気分になった